文研ブログ

メディアの動き 2023年10月16日 (月)

【メディアの動き】韓国KBS 理事会,社長を解任し後継選びを開始

 韓国の公共放送KBSは9月12日午前,臨時の理事会を開き,キム・ウィチョル(金儀喆)社長の解任案について審議し,理事11人のうち与党系の理事6人が賛成して可決した。ユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領が同日午後にこれを承認し,キム氏は社長職を解任された。

 キム前社長はムン・ジェイン(文在寅)政権時代に任命された。解任案は8月末の定例理事会で与党系の理事によって提出され,経営の悪化や偏向報道などが解任理由に挙げられた。今回の臨時理事会では,キム前社長に弁明の機会を与え,解任案の決議を行う予定だったが出席せず,書面で意見を提出していた。野党系の理事5人は「解任は不当だ」として採決前に退席する中で可決された。

 キム前社長は「解任されるほど大きな過ちを犯したとは思わない」として,9月13日に解任取り消しを求め提訴した。KBSの社長をめぐっては,ムン・ジェイン政権下の2018年にコ・デヨン(高大栄)社長が解任されたほか,イ・ミョンバク(李明博)政権下の2008年にもチョン・ヨンジュ(鄭淵珠)社長が,政権交代後に任期途中で解任されている。解任された2人は行政訴訟を起こし,その後,勝訴している。

 KBSの理事会は後任の社長選びを開始し,9月25日に募集を締め切った。12人が応募し,同月27日の書類選考の結果,ユン大統領と親交のある夕刊紙,文化日報の論説委員を務めていたパク・ミン氏を含む3人に絞られた。10月に理事会が面接を行って最終候補者を決める予定で,国会での聴聞会を経て,大統領が新社長を任命する。