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メディアの動き 2023年08月21日 (月)

【メディアの動き】韓国KBS,受信料の分離徴収が確定, 施行令改正受け,憲法裁に判断求める

韓国で7月12日,公共放送KBS の受信料を電気料金とともに徴収する方式から分離徴収に改める放送法施行令が施行された。
これを受け,KBSは,改正施行令が憲法に違反していないかなどの判断を憲法裁判所に求めた。

KBSは1994 年以降, 月額2,500ウォン(約270円)の受信料を電気料金とともに徴収してた。
この方式は,KBSに安定した収入をもたらした一方,放送を見ていなくても支払う仕組みとなっていることに対する国民の反発もあり,政府は制度の見直しを行っていた。
今回の改正について,ハン・ドクス(韓悳洙)首相は「国民の料金に対する意識と関連する権利への理解が深まると期待される」と述べた。

一方,KBSのキム・ウィチョル(金儀喆)社長は声明で,「受信料を徴収するために2,000億ウォン(約217億円)以上を浪費せざるを得なくなり,公共サービスのための番組の削減や廃止につながるだろう」との見通しを示し,「国民に多大な損害と混乱をもたらすことが予想されるので,改正を受け入れるのは困難だ」としている。
そのうえでキム社長は,憲法裁判所に判断を求めた目的について,「今回の改正が公共放送の憲法上の価値を損なう可能性の有無を検討し,どのような徴収方式が国民の大多数にとって有益かを判断することだ」と述べた。
同時にキム社長は,「KBSが最善の努力をしてきたにもかかわらず,急速に変化するメディア環境の中で,国民に対し,その価値を十分に発揮できていないことについて,心からお詫びする」と謝罪した。