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メディアの動き 2024年03月18日 (月)

【メディアの動き】公共放送ワーキンググループ,第2次取りまとめ公表

 総務省「デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会」の「公共放送ワーキンググループ(以下,WG)」は,2月28日に第2次取りまとめを公表した。

 公共放送WGは2022年9月に開始され,2023年10月に第1次取りまとめが公表された。そこではNHKが任意業務として実施してきたインターネット活用業務のうち,少なくとも地上波テレビ放送(総合・Eテレ)は必須業務とすべき,という方向が示された。今後,国会で改正放送法案の審議が予定されている。

 今回公表された第2次取りまとめでは,地上波テレビ放送以外の地上波ラジオ放送,衛星放送,国際放送のネット活用業務についても原則として必須業務化することが適当だとした。ただし衛星放送については,NHKから番組の権利処理や配信コスト等の課題が示されたことから,実施環境が整うまでの当面の間は,必須業務化を見送ることが適当とされた。

 このほかに項目としてあげられたのが,NHKのガバナンスと国際放送のあり方である。ガバナンスについては,経営委員会と執行部の連携の強化や,子会社の事業活動が適正か否かをエビデンスベースで(データや根拠に基づいて)検証すること等が示された。また,国際放送については,イギリスのBBC が行っているように,広告収入の導入の可能性等が議論されたが,今回の取りまとめでは継続検討するとされた。

 総務省では公共放送WGと並行して「日本放送協会のインターネット活用業務の競争評価に関する準備会合」が行われている。今後のNHKの役割を考えるうえで,両会議とも引き続き注視していきたい。