文研ブログ

2022年8月 1日

調査あれこれ 2022年08月01日 (月)

#408 女性20代・30代は東京五輪・パラをどう楽しんだのか?③ ~「東京オリンピック・パラリンピックに関する世論調査」~

世論調査部 (視聴者調査) 斉藤孝信

 前回に続いて、文研が2016年から実施した「東京オリンピック・パラリンピックに関する世論調査」の結果をもとに、女性の20代と30代が東京オリンピック・パラリンピック(以下、五輪・パラ)をどのように楽しんだのかご紹介します。

 <前回ブログまでのポイント>
 ①女性20代・30代は、ふだんスポーツを視聴する人は4割ほどしかいないのに、五輪・パラを楽しめた人は7割もいる。ふだんスポーツを視聴しない女性20代・30代でも、6割以上が五輪・パラは楽しめた。
 ②女性20代・30代では「家族や友人などと話題にすること」で五輪を楽しんだ人が36%で、全体(29%)よりも高く、“大会をきっかけにした周囲とのコミュニケーション”も楽しんだ人が多かった。

 今回のブログでは、そもそも五輪のどんな点に関心を持っていたのかという点でも、女性20・30代ならではの特徴が浮かび上がってくるというお話をします。
 まずは改めて、東京五輪に『関心があった』という人の割合を、全体と女性の20代・30代で比べてみます。
 2-6-1a.png 全体では『関心があった(大変+まあ)』という人が64%でしたが、女性20・30代ではそれよりも少ない56%でした。
 この質問で『関心があった』と答えた人に、大会のどんな点に関心を持っていたのかを尋ねた結果がこちらです。
 2-6-2.png 全体よりも女性20・30代で割合が高かったのは、「周囲の人が話題にしていたから」(全体5%<女性20代・30代11%)と、「自分の生活に影響が出そうだったから」(全体3%<女性20代・30代6%)です。「周囲の人が話題にしていたから」というのは、前回のブログで、女性20代・30代の楽しみ方の特徴として挙げた“大会をきっかけにした周囲とのコミュニケーション”と通底するものがあるように思いませんか?

 東京五輪・パラが開催されてからまもなく1年。『放送研究と調査』6月号では、“人々にとって、東京五輪・パラとは何だったのか”と題して、人々はコロナ禍での開催をどのように感じていたのか。そうした状況で大会をどのように楽しんだのか。今大会は人々にとってどのような意義を持ち、日本にどんなレガシーを遺したのかなど、さまざまな視点で考察しています。特に、コロナ禍での開催に対する意識などの分析では、ご紹介した20代や30代の女性の回答が大きな鍵を握っています。たいへん興味深い結果が出ていますので、どうぞご一読ください!