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メディアの動き 2023年06月21日 (水)

【メディアの動き】NHK,『ニュースウオッチ9』のコロナ報道でワクチン被害者遺族の会の抗議受け謝罪

 5月15日に放送した『ニュースウオッチ9』のコロナ報道について,NHKは翌16日,放送や番組の公式サイトなどで謝罪した。

 問題とされたのは「新型コロナ5類移行から1週間・戻りつつある日常」と題した約1分間のVTRで,3人の遺族が「5類になったとたんにコロナが消えるわけではない」「風化させることはしたくない」などと話す姿が紹介されていた。

 3人はいずれも,新型コロナウイルスのワクチンを接種後に亡くなった人の遺族だったが,VTRの中でそうした説明はなく,「夫を亡くした」「母を亡くした」といった紹介にとどまっていた。

 取材を受けた「繋(つな)ぐ会(ワクチン被害者遺族の会)」は,3人をコロナ感染で亡くなった人の遺族のように取り上げていたとしたうえで,「取材の趣旨と違う形で遺族のコメントが放送で使われた」などと抗議し,NHKは翌16日の放送でキャスターがお詫びした。

 公式Twitterアカウントでも動画は配信しており,NHKは番組の公式サイトやTwitterでも謝罪したが,遺族側はBPOへの申し立ても検討しているという。

 VTRは同番組の編集を担当する映像制作の職員が企画し取材した。

 24日の定例会見で稲葉延雄会長は「全く適切ではなかった」「取材に応じてくださった方や視聴者の皆さまに深くお詫び申し上げたい」と謝罪。

 「取材・制作の詳しい過程をさらに確認し,問題点を洗い出した上で,このような事態を引き起こさないために組織的にどう対応していくかを考え,対策を講じたい」と語った。