2019年05月19日 (日)

"もやい"の海よ ふたたび ~熊本県 水俣市~(選)

minamatamain.jpg波穏やかな不知火海に面する熊本県水俣市。かつてここは公害によって多くの命と暮らし、そして人々のつながりが失われました。それから60年、水俣の海は再生の途上にあり、魚も戻ってきています。海の営みが忘れられず、一度は離れた水俣に帰郷した漁師、水俣の海の魅力を伝えようと奮闘するダイバー、海でカヌーをこぐ高校生。皆豊かで穏やかな海に抱かれて暮らしています。よみがえりつつある水俣の海と人々の思いを訪ねます。


今回の放送内容

(2018年7月に放送した番組のアンコール放送です)

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熊本県の南に位置する水俣市は、一年中波穏やかな不知火海に面しています。海につながる河口では高校生がカヌーの練習をしていました。港では、さまざまな魚が水揚げされます。月に一回開かれる漁師市では、漁師たちが新鮮な魚を振る舞います。恵みにあふれる水俣湾。しかし、高度成長期には工場排水による汚染が大きな社会問題となりました。その後、海の再生事業が進み、20年前に漁が再開されたのです。


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水俣湾に潜ると、白い砂地に海藻の森が広がり、多くの生き物が暮らしています。川から流れ込む豊富な栄養と、降り注ぐ日光によって育まれた海藻の森は、命あふれる海のゆりか ごです。初夏、水俣湾ではタツノオトシゴが出産の時期を迎えていました。水がきれいで海藻が生い茂る、豊かな海でしか生きられないタツノオトシゴ。水俣で唯一のダイビングショップを営む森下誠さんは、この小さな生き物の営みこそが、よみがえる海の象徴だと感じています。


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漁師の杉本肇さんは、二そうの船を一つにつなげて漁をする「もやい船」を使ってシラス漁に出ます。一緒に漁をするのは集落の仲間。あうんの呼吸で互いの船を操り、もやいで結ばれた絆で海の恵みを分かち合います。かつて、漁村は一つの家族のように寄り添って暮らしていました。しかし、水俣病への偏見や差別によってその絆は失われていったといいます。杉本さんは、水俣病を患ってもなお人と人のつながりや笑顔を大切にした、母・栄子さんの思いを受け継ぎ、失われた人々の結びつきをもう一度取り戻そうと奮闘しています。


旅人・山本哲也アナウンサーより

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水俣の海はとにかく物静か。タチウオの大きなこと、身のプリプリ感、じわっとくる甘さがなんとも言えません。とれたてのシラスは甘味のあとに苦味がくるメリハリのある味です。月に一度の、漁師による漁師がもてなす漁師市。よみがえる水俣の海の恵みを一人でも多くの人に知ってほしい、味わってほしいという思いや情熱がひしひしと伝わってきました。まさに水俣の歩みを体で感じることができた旅となりました。 


熊本県 水俣市へのアクセス

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〈電車〉
九州新幹線「熊本」駅→「新水俣」駅(約25分)
九州新幹線「鹿児島中央」駅→「新水俣」駅(約30分)

〈車〉
南九州自動車道「津奈木」ICから車で20分


問い合わせ先

▼水俣の観光について
 水俣市役所 経済観光課 観光振興室 0966-61-1629

投稿時間:08:24


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