2016年05月29日 (日)

もう一度 火の島で ~鹿児島県 口永良部島~

kagoshima-main.jpg屋久島の北西にある鹿児島県の口永良部島。去年5月、島の中心部にある新岳が噴火、島民は7ヶ月間避難生活を余儀なくされました。再び島に戻った島の住民はいま、残してきた牛で子牛の生産を再開、恵み分かち合う島ならではの暮らしやつながりもよみがえろうとしています。噴火で傷ついた子どもたちの心に、自然豊かでにぎわいある島本来の姿を取り戻したいと、復興に向けて動き始めた大人たち。火山の島の今を見つめます。


 今回の放送内容

kagoshima1.jpg口永良部島にある商店は2軒のみ。そのうちの一軒、渡辺百一さんが営む酒とたばこの店です。去年12月、避難指示が解除されると、妻の悦子さんと共に島に戻り、その日のうちに営業を再開しました。店を開けることで、少しでも島を活気づけたいとの思いからです。また、渡辺さんの店は、近所のお母さんたちの社交場にもなっています。何気ない会話を交わすひととき。きょうもにぎやかな笑い声が、渡辺商店から聞こえてきます。


kagoshima2.jpg口永良部島の東部には広大な町営牧場が広がっています。畜産は、この島を支える主産業の一つです。ここで、30年以上、牛飼いをしている山田光義さんは、去年5月の噴火の際、牛を放牧させたまま、着の身着のままで避難せざるをえませんでした。避難指示が解除されてから5ヶ月、ようやく牛たちは元気になり、今年の3月には、2頭の仔牛も生まれました。山田さんは今、一歩ずつ元の暮らしを取り戻しています。


kagoshima3.jpg

口永良部島にあるただひとつの小中学校の校庭で、植木のせんていをしている男性がいました。山口正行さんです。山口さんは、かつて都会で働きながらも、生まれ故郷である口永良部島の豊かな自然が忘れられず、22年前に島に戻ってきました。噴火で傷ついてしまった島を元の姿に戻し、子供たちにも花の咲き誇るふるさとの景色を心に刻んでほしいと、きょうも花の手入れを行っています。


kagoshima-yamada.jpg旅人・山田敦子アナウンサーより

 手を抜くとあっという間に四方八方から自然が押し寄せてくるような口永良部島。噴火で7カ月間島から離れていた人々は、今、元の姿を取り戻そうと一生懸命です。「自分が戻らないと他の人が困る」という言葉を何回も聴きました。現在100人ほどが暮らすこの島では、一人ひとりの役割がとても大きいことを感じさせる言葉でした。一つだけの生コン工場の、一人だけの社員になって、痛んだインフラの修復に役立とうと励む人もいました。病院も便利な施設もないけれど、ここにこそ自分の場所があるというそれぞれの思いが、島を支えているようでした。


kagoshima-map.png

口永良部島へのアクセス 

屋久島・宮之浦港から 町営船「フェリー太陽」→口永良部島・本村港 (約1時間40分)

 

 


問い合わせ先

▼口永良部島について
屋久島町役場 0997-43-5900

 

投稿時間:08:24


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