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高知 仁淀ブルー源流を満喫!ジップラインで10年越しの再会!

伝統の茶畑を残したい!地域活性に懸けるIターン青年の記録 高知県仁淀川町
  • 2023年10月12日

NHK高知局、カメラマンの世宮です。

先月放送の「ギュッと!四国」で、生中継でお届けした絶景商業施設「ニヨフラ」(絶叫吊り橋&ジップライン)。
高知県仁淀川町別枝地区から伊田アナウンサーが体感レポートしました。
みなさまご覧いただけましたでしょうか?

足もとすくむ、絶叫つり橋
帰りはZIPラインでさっそうと
ゴールで待っていたのは…
地元のお茶「沢渡(さわたり)茶」

私はこの生中継でTD(テクニカルディレクター=技術のまとめ役)と撮影を担当しました。
そこで10年越しの再会がありましたので、ご紹介します。

生中継現場での10年越しの再会

懐かしい再会を果たした相手は、絶景商業施設「ニヨフラ」代表の岸本憲明さん。

岸本さんには中継にも出演してもらいました

2011年放送の「新日本風土記 仁淀川」で密着取材させてもらって以来の再会となりました。

高知市で生まれ育った岸本さんですが、仁淀川町で祖父が育てる茶畑を継ぐことを決心。
当時はちょうど仁淀川町別枝地区に「Iターン」した頃でした。

その後、岸本さんは継いだ茶畑を残していくため、インターネットでお茶の直売をはじめたり、高知県内各地のイベントに出店してお茶を販売したり、さまざまな手段を用いて地元をPRしようと奔走しました。
数年前には地区を通る主要な国道沿いと高知市内の大型書店内に、お茶を楽しむことができるカフェをオープンさせるなど、生き残りをかけた挑戦を続けてきました。

そんな岸本さんの地域活性化に向けた次の一手が、ことし8月にオープンした、絶景商業施設「ニヨフラ」だったのです。

茶畑の風景
地域名にちなんで「沢渡茶」といいます

「鳥毛ひねり」に挑む姿は、貴重な歴史記録

2011年に話を戻します。
当時、われわれ撮影クルーは、地域の一大イベント「秋葉祭り」で「鳥毛ひねり」の大役に挑む、岸本さんの姿を取材しました。

当時の様子を少しお届けします。(2011年2月撮影)

高知県仁淀川町別枝地区
雪の白の中を、華やかな行列が進みます
神様にゆかりのある場所で、勇壮な舞を披露します
祭りの日、ふだんは人口150の集落に、1万人が押し寄せます
200年以上の伝統、花形は「鳥毛ひねり」

祭は、今から200年前の江戸時代、相次ぐ災難を打ちはらおうと始まりました。
祭りの花形は「鳥毛ひねり」と呼ばれる独特の舞いです。
名誉ある役を任された青年は、先端に鳥の羽をつけた6 m半の棒を投げ合います。
 

「鳥毛ひねり」を練習する岸本さん

本番の一か月前、練習が続いていました。
鳥毛がぶれないように投げないと、相手は受け取れません。
 

中越家前の細い道

鳥毛ひねりの場所は6か所。
その中に、岸本さんが苦手としている場所があります。
このあぜ道、幅は1.5 m。
過去5年、一度も成功したことがありません。

きょう見たら、まだ道が広いような感じがしますけどね。
でも当日は人々で挟まれたりしたら、なんかすごい狭く感じます。
僕も「鳥毛ひねり」をやって6年目ということなんで、
まあまあ中堅クラスになってきたんで、
やっぱり、さすがにやっちょきたい。
そろそろきれいに投げたいなと思っています。

祭りの当日
200年の伝統が、岸本さんにのしかかります
祭りの終盤、いよいよ問題のあぜ道にやって来ました
投げました!
相手がキャッチ
成功です!
岸本さん、やりました!

あれはもう絶賛された。
自分でもびっくりしてます。
あれのために
きょうはやりよったんで、良かったです、ほんまに。
こんな田舎にこういう伝統がある祭りがあって、それが今も続いているっていう
それは並大抵のものじゃないと思うんですけど。
これから守っていく立場になっていくんで、そういうことも考えてこれからもやっていきたいと思います。

山間の小さな集落が、一年で最も輝く、一日です

今回紹介した、秋葉祭りの様子を収めた動画は、
NHK新日本風土記「仁淀川」のホームページ
からご覧いただけます。

その他にも、あゆ釣りや土佐和紙、沈下橋など、高知県の魅力的な伝統や風景を紹介していますので、
ぜひご覧ください。

NHKは、地域に根ざした活動・伝統文化を見つめ続けます

今回、岸本さんは
「絶景商業施設『ニヨフラ』をきっかけに、さらに多くの人に、この地区のことや特産のお茶「沢渡茶」のことを知ってもらえればうれしい。
地元を盛り上げるため、茶畑を残していくために、今後もあらゆる可能性を模索しチャレンジしていきたい」
と話していました。

中継でも自身が茶農家であることをアピール

NHK高知放送局は、地域に根ざした活動・伝統文化を今後も紹介し続けます。
長期にわたる取材で撮りためた映像は、貴重な歴史的映像資料(アーカイブ)として活用、
高知の情報を全国に発信し、地元の活性化に寄与していきたいと思っています。

みなさま、取材におじゃました際には、ご協力よろしくお願いいたします。

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  • 世宮大輔

    高知放送局 チーフカメラマン

    世宮大輔

    高い撮影技能が評価され、国内外での受賞多数
    趣味は国鉄と土佐錦魚の繁殖

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