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仁淀ブルーに咲く「虹の花」高知・仁淀川の知られざる絶景

「仁淀ブルー」三大スポットのひとつである中津渓谷の”知られざる絶景”をNHK高知の世宮カメラマンがこっそり教えます。
  • 2023年06月29日

高知県仁淀川町の中津渓谷。青い水面が輝く仁淀ブルーのスポットとして知られています。
その中津渓谷に、初夏の限られた時間帯にしか見ることができない“知られざる絶景”があります。
長年にわたって現地の撮影を続けてきたNHK高知の世宮カメラマンがこっそり教えます。

「仁淀ブルー」三大スポットのひとつ中津渓谷

にこ淵(いの町)
安居渓谷(仁淀川町)
中津渓谷の「雨竜の滝」(仁淀川町)

朝ドラ『らんまん』主人公のモデルの植物学者・牧野富太郎博士の裏庭と呼ばれる高知県仁淀川町。
名前が示すように、高知の誇る清流・仁淀川の上流域に位置し、川と人と自然の織りなす美しい風景が町内随所で見られます。
なかでも名野川地区の中津渓谷は、にこ淵(いの町)や安居渓谷(仁淀川町)と並んで、美しい仁淀ブルーが堪能できる場所として知られています。
特にクライマックスの落差20m、神秘的な美しさを秘めた「雨竜の滝」は圧巻です。

期間限定の「虹」

その中津渓谷の「雨竜の滝」で、初夏にしか見られないとっておきの風景があります。
滝にかかる虹です。

虹のもとになる水しぶき
谷の奥部まで差し込む初夏の太陽

降水量の多い高知県。
特に梅雨の時期には「雨竜の滝」の水量が増え、大量の水しぶきが舞い上がります。
そこに太陽の光が当たることで、虹が発生します。

「雨竜の滝」は険しい地形の渓谷を流れるため、太陽の光は虹が発生する水しぶきの部分だけに当たります。
虹より奥は暗いままなので、虹の色が際立ち、美しく見えるのです。

ただ、「雨竜の滝」に太陽の光が当たるのは、太陽の高度が高く光が谷底深くまで差し込む初夏のわずかな期間。しかも正午前後に限られます。

運がよければ「二重虹」も見られます
円弧形の虹がまるまる見えることも!

スーパースローできらめく「虹の花」

私は、この虹を1秒間に2000コマ撮影できるスーパースローカメラで撮影したことがあります。

撮影風景
全国のNHKで1台しかないドイツ製スーパースローカメラ
スーパースローカメラが捉えた「虹の花」
躍動する虹はオーロラのようです

撮影した画像を確認すると、肉眼では見ることができなかった「無数の水滴が色を変えながら光り輝く姿」が美しく捉えられていました。
感動した我々スタッフは、その姿を仁淀ブルーに咲く「虹の花」と名付け、NHKスペシャルをはじめ数多くの番組で紹介しました。

動画はこちらからごらんいただけます
             ↓
雨竜の滝に咲く「虹の花」動画

NHKスペシャルについて詳しくはこちらをごらんください
      ↓
NHKスペシャル「仁淀川~青の神秘~」

渓谷の険しい地形と太陽の軌道が整う、わずかな期間にしか見ることのできない「虹の花」。
体験できるのは今の時期だけです。
ぜひ中津渓谷を訪ねてみてください。

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  • 世宮大輔

    高知放送局 チーフカメラマン

    世宮大輔

    高い撮影技能が評価され、国内外での受賞多数
    趣味は国鉄と土佐錦魚の繁殖

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