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北九州ラヴァーズ#14 日高洋平さん/小倉祇園太鼓 次の世代へ

  • 2023年09月04日

日高洋平さん(41歳)
小倉生まれの小倉育ち。
もの心ついた頃から小倉祇園太鼓に参加し、今は普及活動にも力を入れる。

夏の小倉に響く太鼓の音

小倉祇園太鼓

7月。ことしも小倉の街に太鼓の音が鳴り響きました。
国の重要無形民俗文化財にも指定されている小倉祇園太鼓。
無病息災などを願って400年以上前に始まったとされ、小倉の夏を彩ってきました。

日高洋平さん
 

この祭りに人一倍情熱を注いで来たのが日高洋平さんです。

小学生のころの日高さん

日高さんは小倉生まれの小倉育ち。
もの心ついたときから太鼓をたたき始め、毎年欠かさず祭りに参加してきました。

日高さん

“両面打ち”の小倉祇園太鼓はたたき方が独特で、個人の太鼓芸にスポットが当てられる珍しい祭りだと思います。奥深く憧れを感じながら自分も成長することができ、ほかの祭りにはない魅力がたっぷり詰まっているんです。

優勝時の写真

7年前には太鼓の腕を競う競演会で、地元の町内会を初めて優勝に導きました。
そのとき心によぎったのが次の世代への思いでした。

日高さん

自分が感じてきた祭りへの情熱、魅力といったものを若い世代や子どもたち、参加したことがない地域の人たちにも、ぜひ味わっていただきたいという思いがどんどん強くなりました。

小倉祇園太鼓の伝道師として

中止を知らせるポスター

新たに太鼓の普及活動に取り組むようになった日高さん。
しかし、新型コロナウイルスの影響で祭りは2020年・2021年の2年連続で中止に。

それでも日高さんは、この間も小倉祇園太鼓のポスターを制作しました。
若い人たちに祭りのことを忘れないでほしいとの思いからでした。

日高さん

10年たっても大人の祭りへの情熱や意欲は再燃できると思うんです。でも小中学生ぐらいまでの年代の子たちにとって、2年間の中止は祭りへの思いが離れていくことにつながりかねない。祭りに参加する子どもの数が減っていくことは実態としても感じました。

太鼓を教える日高さん

将来を担う世代へ小倉祇園太鼓をつなぎたい。
コロナ前とほぼ同じ規模で祭りが開催されたこの夏、街なかで子どもたちに太鼓のたたき方を手ほどきする日高さんの姿がありました。

体験した子

かっこいいなと思いました。太鼓をたたく体験ができてよかったです。

太鼓でドドン

さらには人気の太鼓ゲームをヒントに動画を作成し、YouTubeにアップしました。
その名も「太鼓でドドン」。
動画に合わせて太鼓をたたくことで腕を磨くことができます。

体験した子

動画を見ながらたたくとちょっと簡単にたたけました。

体験した子

次はもっとうまくできるようにしたいです。

ことし、日高さんの町内会では別の地域の子どもたちも積極的に受け入れるなどした結果、12人の子どもが新たに加わりました。
世代を超えて共に打ち鳴らした太鼓の音が小倉の街に響き渡りました。

日高さん

たくさん子どもたちが集まって生き生きした表情を見るのは本当に生きがいを感じます。祭りがあるからこそ誇りが持てる。やっぱり次の世代にきちんと伝えていくことが私たちの世代の大きな役割だと感じています。皆さんに愛していただける小倉祇園太鼓が、この先も50年、100年と続いていくことが私の夢です。

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  • 伊藤直哉

    北九州局 記者

    伊藤直哉

    2017年入局。山口局を経て2022年から北九州放送局。太鼓の音が体に響く感覚が好きです。

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