北九州ラヴァーズ #8 小菅績憲さん/切り絵作家
- 2023年06月19日

小菅績憲さん
切り絵作家として北九州を拠点に20年以上活動。
これまでに約80作品、北九州を白と黒の切り絵で作品にしています。
切り絵の題材は北九州の日常風景
小菅さんは東京都墨田区の下町出身。 北九州にふるさとと同じ街の雰囲気を感じ、活動の拠点にしています。
これまでに“小倉駅”、“若戸大橋と若戸渡船”、“折尾堀川の町並み”など、 北九州の日常の風景を
作品にしてきました。



北九州に来たときに、市場や商店街などがふるさとの下町のイメージに似ていて、懐かしい印象を受けました。 北九州は近代的な街と歴史を感じさせる街が混ざり合っているので、 自分にとってはテーマパークみたいで、作品の題材は尽きないです。
創作活動は“街歩き”から
小菅さんの作品作りは、“街歩き”の中にヒントがあると言います。 北九州を歩きながら、題材となる風景を探します。
みんなが知っている北九州だけでなく、こんなところもあったのかというような風景も作品にします。自分はよそから来たので、素直におもしろいなと思った風景を作品にしています。
小菅さんはこの日、小倉北区の住宅街にある古い庭園を作品にしようと考えました。

住宅街にある庭園は穴場的でおもしろい。太鼓橋もあって歴史を感じさせるいい題材になりました 。
題材が決まると白と黒の構図を考えながら下絵を描き、その後、下絵の白い部分を切っていきます。



切り絵は全部つなげておかなければいけないので、切り落とさないように気をつけています。 白と黒の中で、奥行きや立体感、重量感を出すのが切り絵の魅力です。 見ていただく人に頭の中で色をつけて楽しんでほしいです。
北九州の風景を切り絵で残す
この20年で北九州の町並みも変わってきたと語る小菅さん。 だからこそ自らが培った技術で“北九州の風景を切り取る”大切さを感じています。
自分が作品にした北九州の風景の中で、今はもうなくなってしまったところや、 取り壊しが決まっているところもあるので、切り絵という形で記録に残しておきたい。 全部で100か所“北九州百景”として作品を発表していきたい。