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北九州ラヴァーズ#6 外平友佳理さん/訪問獣医師

――動物の命に寄り添って
  • 2023年06月01日

外平友佳理さん
到津の森公園や長崎バイオパークなどの動物園で獣医師として20年以上勤務。2019年にフリーランスとして独立。地元北九州市を拠点に県内外で訪問診療を行っています。

あらゆる動物に寄り添って

脇腹の毛が抜けてしまったヤギを診る外平さん
尻尾のけがと食欲不振の症状があるトカゲ

外平さんは、哺乳類、鳥類、は虫類など、ほとんどの動物を診察することができます。響灘緑地グリーンパークでの定期往診のさいには、脱毛したヤギ、けがと食欲不振の症状がみられるトカゲなどを丁寧に診てまわり、園のスタッフに分かりやすく処置のしかたなどを説明していました。

獣医師の仕事は、動物の生態や病気のことなどの知識と経験値がないとできないです。

「動物の命を救いたい」子どもの頃からの夢

高校生時代の外平さん

子どもの頃から生き物が好きだったという外平さん、獣医師を志すようになったのは高校生の時でした。

庭に翼が折れた野鳥のツグミが迷い込んできて、近くの動物病院に連れていきました。ところが、「うちは犬と猫しか診ませんから」と断られ、ツグミは翌朝死んでいました。 野生動物の研究もして、命を助けられる獣医師になりたいと思いました。

動物病院に行くことが困難な飼い主たちの存在

外平さんは、人と動物のよりよい生活のために貢献したいと、4年前にフリーランスで訪問診療を始めました。増えてきたのは、動物病院に連れていけないと悩む家庭からの依頼です。 北九州市を拠点に各家庭をまわり、診療とともに飼育環境などのアドバイスも行っています。

藤井さん夫妻とロンくん

外平さんが訪問診療を行っている、藤井さん夫妻。ラブラドールレトリーバーのロンくんと暮らしています。藤井さん夫妻にとって、ロンくんは大切な家族の一員。しかし、車を持たず、病院に通わせるのに一苦労だったといいます。

崇博さん

タクシー会社に断られるんですよね。大きくなればなるほど動物病院に連れていくのが大変になってきまして。

基子さん

外平先生はすごく信頼がおけるので、年をとっても犬を飼えるという安心感があります。

人と動物に寄り添う心を

小倉井筒屋前の船場広場にて「1日動物園」開催

外平さんは仲間と一緒に、北九州市小倉北区の街中で、毎月「1日動物園」を行っています。小動物とのふれあいや動物のお医者さん体験をすることができます。

動物とふれあう子どもたち

ここは本当に買い物客がたくさん通るんですよね。動物園で働いていたときは人に来てもらうのを待っていましたが、この1日動物園は、「攻めていく動物園」。動物園に行ったことがない人や動物に全然興味のない人たちにも来てもらえるように取り組んでいます。 人も動物も同じ地球に暮らす同じ生き物で、人の命も動物の命も一緒ということに気付いてもらえたらいいと思います。人と動物にいかに寄り添えるかがいちばん大事かもしれないですね。

  • 木原 清華

    北九州局 ディレクター

    木原 清華

    北九州局5年目

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