北九州ラヴァーズ#11 本山晴子さん/心つなぐストリートピアノ
- 2023年07月05日

本山晴子さん
一般社団法人ストリートピアノドネーションズ 代表理事。子どもの頃にピアノを習っていましたが、いったん離れた時期も。10年前に娘がピアノを習い始めたのをきっかけに再び弾き始めることに。 2019年から北九州市を中心にストリートピアノの設置をボランティアで行っています。
北九州市に広まるストリートピアノ
本山さんは、これまで北九州市を中心に11か所にストリートピアノを設置してきました。

――ストリートピアノを設置しようと思ったのはどうしてですか。
少しでも音楽に癒やされる瞬間が街の中にあるといいなと思い。“音楽があふれる街づくり”を目指しています。ピアノは寄贈してくださったものを置いています。また、設置場所も提供してくださり、本当にありがたい気持ちでここまでやってきました。

ピアノの持つ力を信じて
――精力的に活動を進めている本山さんが感じるピアノの持つ力とは?
ピアノを弾くと自分の気持ちが落ち着いたり整理されたりしますね。ザワザワした気持ちやイライラした気持ちをいったん横に置いてリセットすることで、また新しい気持ちになる。そんな感覚ですね。子どもが思春期で親子でいろいろあったとき、子どももピアノを弾いて何か気持ちを落ち着けているんだろうなというときもあったりしますね。日常を生きている私たちは、すごくつらくなったり、ここからいなくなりたいって思う瞬間ってあると思うんですよね。そんなときに、いい音楽が聴けてとか ささいなきっかけできょう生きていてよかった、またあしたも生きてみるかと思ってもらえる人がいたらうれしいです。

思い詰まったストリートピアノ
――活動は多くの人の協力で成り立っているそうですね。
ピアノは、「思い出のあるピアノだから、是非みなさんのため社会のためにいかしたい」と寄贈してくださっています。また、設置する場所を提供してくださったり、ピアノの拭き掃除や調律など、さまざまなかたちの協力で活動が支えられています。本当に感謝しています。

子どもたちに音楽をつなぐ
――活動の一環として、児童養護施設などでピアノのレッスンをしているそうですが、どういう思いからですか?
私を含め4人の先生で20人の子どもたちにレッスンを届けています。ピアノを弾けると自分が弾いて楽しいというのもあるんですが、まわりの人たちも癒やしてあげられたり、一緒に楽しんでもらえたりっていうことができるようになるんですね。音楽や、人と人とのやさしさやふれあいといった、無形のものへの価値がこの街に広がってほしいです。

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