北九州ラヴァーズ#12 みとまりさん/フードトレーナー
- 2023年07月07日

みとまり(三戸真理子)さん
アスリートを食事から支える“最強の黒子”こと、フードトレーナー。活動拠点は地元北九州市。サッカー・サーフィン・フェンシングなどのアスリートから厚い信頼を寄せられ、9年間で国内外およそ1000人をサポート。その中には日本代表の選手の名前も。「みとまりさん」の愛称で親しまれている。
多くのアスリートから慕われる彼女の魅力とはいったい…?!
トップ選手も信頼
‟豊富な知識”と‟献身さ”
選手たちが口をそろえて話すのが、「とにかく返事が早い」こと。
食べていい食材なのか困ったときに、24時間いつでもすぐに返事が返ってきて、選手個人の体質と照らし合わせて的確なアドバイスをしてくれるといいます。

J1川崎フロンターレ時代から3年間、みとまりさんのサポートを受けているサッカー男子日本代表の旗手怜央選手。トップアスリートとして世界で活躍する旗手選手にみとまりさんについて伺いました。
Q.みとまりさんとの印象に残っているエピソードは
旗手選手
毎回学べることがたくさんあって、自分が考えていることに関して「その考えも良いしだけどこういうのもあるよね」とかそういうアドバイスもくれますし、毎回親身になって話を聞いてくれてアドバイスをしてくれるんで、このエピソードがっていうよりかは毎回毎回僕にとっては新しい発見があって毎回毎回刺激になっています
Q.みとまりさんを一言で表現すると
旗手選手
僕は信念っていう言葉が合っているんじゃないかなと思っていて。本当にアスリートの食事について、すごく学んでいる印象もありますし、僕が分からないこととかを伝えるとすぐにいろいろ調べて、次の日でも1週間後でも送ってくれますし。より正確な情報を分かりやすく教えてくれるという部分に対して僕はすごく信念が強い方だなというのは思っていて
専門は血液栄養学
徹底的な問診で体質を把握!
アメリカの研究機関で、血液栄養学の研究に携わったみとまりさん。 選手から採取した血液を分析して、アレルギーや消化酵素などの体質を把握し、 選手が必要としている栄養素を導き出します。
好きな食べ物や出身地から味の好みの傾向をつかみ、利き手利き足から内臓の位置のゆがみなどを予測。さらに家族の構成や体温、睡眠時間などを徹底的に問診して、選手個人にあった食事のメニューを提案します。
SNSで毎食、食事の写真を送ってもらい、その選手にあった食材がとれているかを確認。時には、自炊経験がない選手のためにホームセンターで一緒に調理器具を選んだり、スーパーまで一緒に行って食材の選び方を教えることも!
選手たちが日々自分に最適な食事を準備できるようにきめ細かくサポートします。

運動量が高いポジションのため
タンパク質や炭水化物のバランスを重視しているそうです

カルシウムが骨化しやすいビタミンDが
多く含まれたきのこがポイントだそう
“アスリートを支えたい”
そのきっかけは、母の病
サッカー観戦が好きで、学生時代からアスリートを支える仕事に就くのが夢だった みとまりさん。転機となったのは23歳の時、血液のガンで母を亡くしたことでした。
医療が全く効かず、わずか半年という闘病生活で亡くなった母・篤子さん。 どんなときもみとまりさんの判断を尊重し、夢を応援してくれていた大好きな母親を失い、心の置きどころに迷いながら毎日暮らしていたといいます。
そんなときに知り合いが教えてくれたのが、「血液栄養学」でした。


これはお母さんがくれた最後のギフトだなって思えたので。私はこの道で皆さんのお役に立てるように血液栄養を極めてそれを役立ててもらおうってすごく思えた、ある種いいきっかけだったかなと思います。
ショックだったけど。会いたいって今でも思うし、声も聞きたいって思うけどね。なかなかそれはかなわないことだから。この道で行けって母が言ってくれてるって私は思ってこの道を突き進んでます
今シーズンから
北九州のチームをサポート!
全国を飛び回って選手をサポートするみとまりさん。 今シーズンからは、地元北九州のフットサルチーム「ボルクバレット北九州」の フードトレーナーに就任しました。
今まで、選手と1対1で向き合ってきたため、‟チーム全体を見る”という新たな課題に直面しています。

ジュニーニョ選手とみとまりさん

18人の選手たちそれぞれ個性があって、ポジションとか特徴が違う方を一つのことでエネルギーを爆発させるっていう意味では、それぞれとどういうアプローチをしていくかっていうのはすごく考えてやらなきゃいけないので難しいかなと思います。
それでも、地元・北九州のスポーツの役に立てることがうれしいと話していました。

地元の方に応援していただけるチームじゃないとスポーツって成り立たないと思うので、地元のものをおいしく食べて、地元のものをたくさん知って、北九州のエネルギーをいただいてパフォーマンスを発揮するっていう「北九州にキラキラした選手いっぱいいる!なんでだろう?」みたいに思われるようなサポートができたらと思います

花嶋選手と話すみとまりさん
“一瞬一瞬を輝かせる、
迷っている暇はない” 取材後記

みとまりさんが「選手寿命は本当に短いものだから、母のことがあったからこそ、貴重な一瞬一瞬を輝かせてあげたい」と話していたのが強く印象に残っています。
いつも彼女はポジティブなので落ち込むことはないのか聞くと、「その時間がもったいない。選手たちが少しでも長く競技できるように迷っている暇はない」と言われ、常に選手目線で寄り添っているのを実感しました。
取材中、私の話にも親身になって耳を傾けてくださったみとまりさん。彼女のすてきな人柄が少しでも伝わるとうれしいです。
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