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北九州ラヴァーズ #17 村上貴之さん 

芝生整備のグラウンドキーパー
  • 2023年08月31日

村上貴之さん
北九州市出身。ミクニワールドスタジアム北九州で芝生を整備するグラウンドキーパーを務めている。

仕事の始まりは試合後から

村上さんの仕事場は、 Jリーグ・ギラヴァンツ北九州のホームスタジアム「ミクニワールドスタジアム北九州」。 
グラウンドキーパーとしての仕事は、主に試合後のピッチ(フィールド)から始まります。  
試合後の芝生は、選手たちの激しいプレーによって穴ができていたり傷んだりしています。 
村上さんはこうしたところをチェックしながら、芝生補修のイメージを考えます。

村上さん
ゴール前は特に芝の傷みが激しいので、そういうところを中心に見て、あと全体的にも見ます。 次の試合日までを逆算してリカバリーのしかたを考えながら見ています。

 

試合後に芝生の傷みを確認する村上さん
試合後の芝生はご覧のとおり

北九州のスポーツを支えたい

村上さんは学生時代に野球をしていたスポーツマン。 
“地元北九州のスポーツを支えたい” との思いから、2019年にこの世界に入りました。

北九州で生まれて育ってきたので、プロチームが使う北九州のスタジアムでピッチを整備できるのは自分にとって誇りですし、やりがいがあります。

“芝生が原因でけがをさせられない”

芝生の補修は、基本的には試合の2日後に行います。 1日置くことで芝生に休養を与えストレスを抜かせるという考えからです。
 作業は村上さんと女性スタッフの2人で行います。広いピッチを手分けしながら100か所以上。荒れた部分やスパイクでめくれた部分に、補修用の緑色の砂を入れて平らにします。

広いピッチを2人で作業する
荒れた部分に緑色の砂を入れて補修する
砂を入れて補修完了

しっかり平らにしておかないと、ボールの転がり方が変わりイレギュラーの原因になる。
 “絶対に選手たちに芝生が原因でけがをさせられない” と常に思いながら作業しています。

次に行うのは芝生の刈り込み。試合直前だけでなく、ほぼ毎日2時間かけて行っています。 
こまめに刈り込むことで、芝の芽の数を増やし、密度の濃い芝を育てようとしています。

芝の刈り込み作業

芝を刈り込むと、刈ったところから  “ 分(ぶん)けつ ” してまた芝が出ていこうとする。 
刈り込みを繰り返すことで芝の芽数が増えてくる。だから刈り込みは大事な作業です。

妥協を許さないピッチ作り

試合前日は仕上げの作業。まずは芝をきれいに刈ります。

きれいにまっすぐ、しま模様がきれいに出るようにということを意識して刈っています。

最後に行うのがライン引き。わずかなずれも生じないよう、ピッチにひもを張っていきます。

ラインを引く部分に、ひもを張っていく

ラインを引くためには、ひもをしっかり張っておかないといけない。
ひもを目安にラインカーが走っていくので、 ひもをまっすぐ張るのが大事です。

ひもに沿って、白線ラインを引いていく

炎天下の中、したたる汗をぬぐいながら、約5時間かけ試合のピッチを完成させました。

選手たちに「きょう芝やりやすかったよ」と言ってもらえたり、 お客さんやサポーターさんたちにも「きょうもきれいだったね」と言ってもらえればうれしいですね。

整備されたミクニワールドスタジアム北九州のピッチ

手は抜きたくないし、常にいい状態、選手たちがプレーしやすい状態を提供するのが僕の仕事だと思っています。
スタジアムの名前が紹介されるときに “ 北九州 ” って出るわけじゃないですか、 そうしたらやっぱり “ 北九州 ” と出ているものに対して「あそこの北九州のスタジアムだめよね」とか「あそこはよくなかったね」とか言われたくないし、言わせたくないですよね絶対に。「やっぱり北九州のスタジアムよかったね、またミクスタでプレーしたいよね」って言ってもらいたいですね。


J3で苦しい戦いが続くギラヴァンツ北九州ですが、 選手たちがミクニワールドスタジアム北九州のピッチで躍動し、 サポーターの期待に応えてくれることを信じています。

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  • 北九州局 ディレクター

    門田浩樹

    ふだんはギラヴァンツ北九州の取材も担当しています。

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