2023年03月31日 (金)【みえDE川柳】 お題:おしゃれ

天 百歳のお洒落上手がよくもてる/あそかさん

丹川修先生  百歳になられてもお洒落(しゃれ)を怠ることなく、紅をさし、首元にはネッカチーフを巻いたりして若々しく、そしてかわいらしく、ちょっぴり色気さえも感じるおばあちゃん。
お孫さんやらひ孫さん達に囲まれいつもにこにこされている。そして、町内の方からもアイドル的な存在で、皆が寄ってくるのだろう。いくつになってもお洒落(しゃれ)っ気を忘れずいることが、若さや元気を保つ一つの秘訣である。
下5の「よくもてる」の素直な表現が良い。

地 襟元のおしゃれボタンの開け具合/火の鳥さん

丹川修先生  こんな細かい着こなしにこそ、お洒落(しゃれ)の真髄(しんずい)があるのだろう。「そんなことどうだっていいのじゃないの」などと言ってしまえば、身も蓋もない。
お洒落(しゃれ)とは決して良いものを身に着けるだけでなく、着こなしのセンスが、問われるのであろう。
襟元を開けすぎてもだらしないし、きっちり止めてしまえば、面白みがない。まさしく開け具合である。
微妙なところへの目付けが素晴らしい。

人 名を問わず花のおしゃれを愛でる蝶/福村まことさん

丹川修先生  赤い花も黄色の花も、そして小さな花も最大限おしゃれをし、自分を輝かせ、虫たちを引き寄せる。
「おっ、きれいな花だ。よし、行ってみよう」などと魅了された蝶(ちょう)のささやきが聞こえてくるようである。
上5の「名を問わず」にそれぞれにできるオシャレこそ最高のお洒落(しゃれ)であると暗示されているように思う。

 

 

<入選>

紅をさし春一番を迎え撃つ/汐海 岬さん
サングラスかけてお洒落を締めくくる/ゆきさん
リメイクの昭和の服に付くいいね/近江菫花さん
ゼロ円ですてきなおしゃれその笑顔/ふうちゃんさん
おしゃれした案山子に雀近寄らぬ/ムギさん
羽繕いだけでおしゃれをする小鳥/流星さん
顔うつるほどに磨いた父の靴/夜半亭あぶら―虫さん
前髪を一ミリ切るか切らないか/水曜さん
麻痺の手の母もほころぶネイルケア/田舎のマダムさん
参観日ママが競っておしゃれの日/横手敏夫さん

 

丹川修先生 丹川修先生

 行動制限もほぼなくなった春の訪れにふさわしい「おしゃれ」のお題に楽しい句を多数お寄せいただきました。その中で、髪形やお化粧を句材にしたもの、洋服や着こなしを詠まれたものが、その大半を占めていました。
また、お洒落(しゃれ)を競い合う様を取り上げたものなどには、類似した句が多くありました。
選をさせて戴(いただ)くまでは、表面的(外見的)なお洒落(しゃれ)だけではなく、人生そのものに潜む「お洒落(しゃれ)」な生き様などにスポットを当てた句も期待しておりましたが、残念ながら多くを目にすることはありませんでした。
しかしながら、ほのぼのとした楽しい句ぞろいで、明るい気持ちで選をさせて戴(いただ)くことができ、投句いただいた皆様に感謝いたします。
誠にありがとうございました。

投稿者:NHK津放送局 | 投稿時間:18:50


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