連続テレビ小説『あんぱん』やなせたかしさんのゴールデンライフ（前）

アンパンマン50周年、やなせたかしさんへのインタビューから、やまちゃんせみちゃんがお届けします！　前編

2023年11月17日

まずはいつもの高知局技術職員2人の会話から･･･

再来年の連続テレビ小説『あんぱん』、高知出身のやなせたかしさん夫妻の物語やというがは、こじゃんちうれしい知らせちや～

そうでね～
やなせさんに聞いたことを思い出しては、励みにしよったき、感慨もひとしお！

えっ！せみちゃん、やなせさんに会うたことがあるが？

カメラマンの世宮です。
『とさ金高知 “まんが” のチカラ』はご覧いただけましたでしょうか？
（見逃した方はNHKプラスで放送後の一定期間お楽しみいただけます！）
私はロケ撮影を担当しました。
高知出身のマンガ家がたくさんいることを改めて実感しました。

その中でも、私が初めてお会いした高知出身のマンガ家であり、私の記憶にいまも強烈に印象の残っている方が、やなせたかしさんです。
やなせさんは、ことし最初の絵本が誕生50周年を迎えた『アンパンマン』シリーズの作者です。
最近では、2025年度前期連続テレビ小説『あんぱん』のモデルとしてニュースになりました。

時は2010年、NHK高知では月に1回、高知県向けに『とさ金8』というローカル番組を制作していました。
ある回のテーマは「シルバー時代を楽しく生きる、『ゴールデンライフ』の秘けつ」を探ること、でした。
シルバー時代も生き生きと活躍されている方といえば…？
真っ先に思い浮かんだのが、高知出身のやなせたかしさんでした。インタビューをお願いしたところ快諾いただき、われわれ撮影クルーは当時東京にお住まいだったやなせさんのもとへ急行しました！

今回は、当時のやなせさんへのインタビューの様子をお届けいたします。
（高知県にお住まいだった方以外には、初めてお届けする内容です！）

きょう一日を一生懸命生きる
あしたは、また、あした
さっきのことは考えてない
そうやってやってるうちに、いつの間にか91歳になっちゃったんで！
はははは！

ゴールデンライフ！の秘けつ① 仕事が自分を生かしている

仕事が自分を生かしているんじゃないのかな？
仕事があるから、生きていなくちゃいけないし、やらざるを得ないんだよね
ほとんどの病気をやっていますよ
産婦人科と小児科はやってないけどね、それ以外はですね、ガンをはじめとして、ほとんど全部の病気をやっていますよ
しょっちゅう入院しています
ですから、ほかの人よりもはるかに体が弱くて多病なんです
しかしですね、仕事がやってくるんだよね
そうするとそれをやんなくちゃいけない
なぜか？って言えばですね、僕がストップするとですね、それに頼っている人間が全部ストップするんです
そうすると、ほかの人に迷惑かけるんで、やらざるを得ないんでね
これも、「止むに止まれぬ、やなせ魂」でね

周りの期待に応えるために、自分を奮い立たせてがんばっている。
滅私奉公の気持ちでがんばる仕事。
自分を追い込んでいるのは仕事だが、その仕事が自分を生かしている。
とても含蓄のあるお話だと思いました。

また、体が弱くて多病でも、病とつきあいながら、何とかやっていく。
完全な状態の人間はいないし、仕事を進めるうえで完璧な条件がそろうこともなかなかない。
若い時代の大変な苦労を含めて豊かな人生経験を持つ、やなせさんならではの言葉だと感じました。

ゴールデンライフ！の秘けつ② 恥をかく

恥かき人生です
今までずーっと
現在でもそうかも知れないんだけどね
僕はステージでよく歌っていますけど、はじめは全然歌ってなかったんです
いちばん初めに歌ったらですね、全然はずれちゃって、めちゃくちゃになったんですね
でもそれを恐れずやってるうちに、まぁ聞く方は非常に迷惑なんですけど(笑）、だんだん歌えるようになった
恥をかいてもですね、それは一時なんで
初めからうまくできる人は誰もいませんよ
だから、なんかがあればですね、やってみるってことでいいんじゃないのかなぁ

何にでも興味を持って、「やってみよう！」という、チャレンジ精神を絶やさないことこそが、若さを保つ秘けつなんじゃないか？
と感じました。
「いい年なんだから」とか「どうせうまくいかない」とか、を抜きにして挑戦してみる。
90歳を過ぎても輝き続けるやなせさんの姿に、感銘を受けました。

やなせさんのお話しはまだまだ続きます。

後編も乞うご期待！