『らんまん』牧野富太郎博士が和名をつけた ムジナモ とは?
- 2023年07月28日
連続テレビ小説『らんまん』第17週タイトルは「ムジナモ」。どんな植物なのかご紹介します!
※ドラマのネタバレを含みますので、ぜひドラマを見てから、こちらの記事をご覧ください。
(高知放送局 広報担当・菅菜々美)
このムジナモについて、高知県立牧野植物園に話を聞きました。
ムジナモ とは?
根を持たず、湖沼などの水中を浮遊する食虫植物です。2枚貝のような葉を持ち、30本あまりある感覚毛が受ける刺激によって開閉し、ミジンコやボウフラなどを捕まえます。
夏、水面上に直径約5mmの小さな白い花を咲かせますが、真昼の2~3時間ほどしか開花しない1日花です。
『らんまん』万太郎のモデルとなった牧野富太郎博士は、28歳のとき、江戸川河川敷(現在の東京都江戸川区北小岩)で、用水池に浮かぶ奇妙な水草を見つけました。これを東京大学理学部植物学教室に持ち込んだところ、海外の書物に載っている有名な食虫植物であることを、矢田部良吉教授から教わりました。
日本で初めての発見者となった牧野博士は、ムジナ(=アナグマやタヌキ)の尾に似ていて水中に浮いていることから、「ムジナモ」という和名をつけました。
『らんまん』の中では?
『らんまん』第17週。万太郎(神木隆之介)は、ゆう(山谷花純)から誘われて出かけた池のほとりで、見たこともない水生植物と出会います。“ムジナの尾っぽ”に似ていることから、「ムジナモ」と呼びました。
その後、植物学教室にムジナモを持って行った万太郎。徳永(田中哲司)、大窪(今野浩喜)たちは興味津々です。
すると田邊教授(要潤)は、ムジナモが日本でまだ発見されたことのない食虫植物であることを万太郎に教え、論文と植物図を書いて世界に向けて発見報告をするよう命じます。
その後、ムジナモが開花していることに気づいた万太郎たち。
これまでムジナモが開花するとは報告されていなかったため、田邊教授(要潤)は「槙野は、咲かない花さえも咲かせてみせた・・・」と言います。
ムジナモの開花から4か月。万太郎は日々研究をし、ついに精密に描いた植物画と論文を完成させました。
植物画と論文を見た田邊教授は、自分の名前が書かれていないことに激怒。
「Mr.Makino. 今後、我が東京大学植物学教室への出入りを禁ずる」
ムジナモの植物画と論文を完成させた万太郎。しかし、不穏な雰囲気で終わってしまい、第18週以降の物語がどのように展開されていくのか、気になりますね。
ちなみに、埼玉県羽生市には、ムジナモをイメージしたご当地キャラクター「ムジナもん」がいます。羽生市内の宝蔵寺沼に自生するムジナモ(自生する宝蔵寺沼は国の天然記念物に指定)と、地域に言い伝えられている伝説の妖怪「むじな」にちなんで名付けられたそうです。
「博士のまなざし」動画はこちら
NHK高知放送局では、「博士のまなざし」として、牧野博士ゆかりの草花や品などを映像で紹介しています。「ムジナモ」の映像はこちらです。
第18週以降はどんな植物が登場するのでしょうか?お楽しみに!
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