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『らんまん』 牧野富太郎博士が初めて命名 ヤマトグサとは?

連続テレビ小説『らんまん』第15週タイトル「ヤマトグサ」をご紹介!
  • 2023年07月14日

連続テレビ小説『らんまん』第15週タイトルは「ヤマトグサ」。どんな植物なのかご紹介します!
※ドラマのネタバレを含みますので、ぜひドラマを見てから、こちらの記事をご覧ください。
(高知放送局 広報担当・菅菜々美)

『らんまん』第15週で万太郎が名付けた「ヤマトグサ」。万太郎のモデルとなった牧野富太郎博士にとっても、深いつながりのある植物です。

このヤマトグサについて、高知県立牧野植物園に話を聞きました。

ヤマトグサ とは?

ヤマトグサは、日本において日本人が初めて日本の植物の学名を発表した植物です。1884年、『らんまん』主人公のモデルとなった牧野富太郎博士が初めて、現在の高知県吾川郡仁淀川町で発見しました。

ヤマトグサは、例年4月~5月に開花します。垂れ下がった20~25個の雄しべが特徴で、山中の林下に生える多年草です。本州(茨城県・秋田県以南)~九州に分布します。

牧野博士にとって初めて命名した植物であり、植物分類学者としての出発点となりました。

和名は日本を意味する「大和(やまと)」を付けました。これを皮切りに、日本人が次々と新種を発表することになり、ヤマトグサが日本の植物分類学の扉を開いたといえます。

『らんまん』の中では?

『らんまん』第1回冒頭シーンで、万太郎(神木隆之介)が「おまん…新種じゃないかえ?」と、語りかけた植物が「ヤマトグサ」です。

第15週。万太郎は、寿恵子(浜辺美波)に、標本を見せながら、“土佐で見つけてきた植物が新種じゃないかと思っていて、風の力で受粉する植物だ”と伝えます。

「森の奥深くでひっそりと生きて、優しい風が吹くがを待つ。まるで、万葉の心をもつ植物じゃ」

そして今度こそ、自分が名付け親になって世界に向けて発信したいという万太郎。何の身分もない自分が新種の発表をするにはどうしたら良いのか?自らの手で図鑑を発刊することで植物学者として世の中に認めてもらうしかない、という結論にたどりつき、図鑑作りに没頭します。

そんな中、東京大学 植物学教室の講師である大窪(今野浩喜)が長屋に訪ねてきて、万太郎に植物の共同研究を持ちかけます。大窪の思いを聞いた万太郎は、高知で採集した植物を大窪と共同研究することに決めます。

連日連夜、研究に励んだ万太郎と大窪。そしてついに、植物が新種であると証明!

万太郎は、新種の植物を「ヤマトグサ」と名付けます。

「この子は万葉の心がありますき。日本人が日本の雑誌に初めて新種じゃと発表する植物ですき。ちなんだ名にしとうて」

そして、ヤマトグサを載せた植物学雑誌が完成!新種のヤマトグサは、日本で初めて学名を発表した、植物学における歴史的快挙となりました。

ちなみに、ヤマトグサの花言葉には「思いやり」があるそうです。万太郎の快挙は、植物学教室の仲間たちや寿恵子の存在があったからこそ成し遂げられたものだと思います。このような互いの思いやりが象徴されているのかもしれないと感じました。

「博士のまなざし」動画はこちら

NHK高知放送局では、「博士のまなざし」として、牧野博士ゆかりの草花や品などを映像で紹介しています。「ヤマトグサ」の映像はこちらです。牧野博士が描いた植物図も映像で見られます。

第16週以降はどんな植物が登場するのでしょうか?お楽しみに!

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  • 菅菜々美

    高知放送局 広報担当

    菅菜々美

    好きなもののために地道な努力を重ねていく万太郎と、それに動かされていく植物学教室のみなさんの姿。私も仲間に入りたくなりました!

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