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#その校則必要ですか

#その校則必要ですか

「下着の色は白」「ツーブロック禁止」…
日本の管理教育の象徴とも言われる校則の見直しが各地で広がっています。
これまでの画一的なルールでは対応できない場面も増えているという学校現場。生徒が主体となる取り組みや、教師や教育委員会、弁護士までもが見直しに乗り出すなど、”校則改革”はまさに進行中です。
改革が進む最前線の現場やキーパーソンを取材。
これからの校則とは...そして「ルールとは何か?何のためにあるのか?」…あなたも一緒に考えてみませんか。


取材記事
-「校則見直しは最高の教材」 ”異色の教育長”が仕掛ける校則改革 2021.12.17公開
- “理容師発”の校則改革 髪型の校則で悩んだら“プロ”に相談を! 2021.11.19公開
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- 井手上漠さんと校則 性別で決められた制服を変える意味 2021.11.5公開
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- “私がわがままなの…?”校則や制服に悩み不登校に…中学生からの告白 2021.9.8公開

WEB特集
- 「あの髪型、坊主にされました」美容師が始めた“校則改革”
関連番組
2021年9月9日(木)放送
クローズアップ現代プラス
「その校則、必要ですか? 密着!改革の最前線」

※放送から1週間後までは見逃し配信もご覧になれます

このテーマについて、皆さんのご意見や体験談を募集しています。
「実際に校則を改革した」「自分たちの学校の校則を改革したい」など、こちらの投稿フォームから声をお寄せください。


過去の「校則」取材記事(2020年)

- 現役の高校教師が語る「校則」の本音
- 外出ダメ! “4時禁ルール”に賛否 見直しの動きへ
- 「ブラック校則をなくそう!」寄せられた6万人の署名
- 生徒に配慮するための“地毛届” でも実態は…
- 126文字が問いかける 「校則ってなに?」
- 生徒や教師、保護者…「三者協議」で校則を考える
- 高校で“トイレに行くと罰則”に込められた意味
- 黒タイツがダメ!? 校則とたたかった高校生たち

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2021年12月17日

「校則見直しは最高の教材」 ”異色の教育長”が仕掛ける校則改革|#その校則必要ですか?

熊本市内にある137の市立学校すべてで一斉に校則を見直す
しかも校則の内容を考えるのは児童や生徒自身――


去年、熊本市教育委員会が打ち出した方針です。

「え、厳しい校則を守らせるのが教育委員会じゃないの?」。
教育行政を取材してきた私には驚きでした。

仕掛けたのは教育委員会のトップ、遠藤洋路教育長です。

「校則の見直しは日本という国を問い直すことでもあるんです」

こう壮大な理念を語る遠藤さんは、文部科学省の元官僚で起業も経験した異色の経歴の持ち主。

子どもたちによる校則見直しの先に何を見据えるのか。今の教育のあり方に一石を投じようとするその真意に迫りました。

(熊本放送局 記者 北条与絵)

きっかけは“9割”



コロナ禍が学校現場にも影を落とすようになって半年余り過ぎた去年10月。
熊本市の遠藤洋路教育長はあるオンライン会議に臨んでいました。
パソコン画面の向こう側には市内の中学・高校に通う生徒、教師、それに保護者が顔をそろえていました。

生徒
フェードカットやツーブロックはなぜダメなの?
首を絞められたら危ないのでマフラーは禁止されているけど、どういう状況を想定しているのか理解できない
校則が何のためにあるのか、生徒を育てるうえで重要なものか考えてもらいたい

教師

社会に出る前の準備として通用する身だしなみなどはしっかり身につけてほしい


会議はそれぞれの立場から、校則についてどう考えているか率直な意見を聞きたいと遠藤さんの呼びかけで開かれました。

遠藤教育長

やはり、子どもの関わり方がひとつ大きなポイントだと思うんですよね


議論のきっかけは熊本市が学校改革の一環で、熊本市立の全学校の児童・生徒と教職員、保護者に行ったアンケート調査でした。

そのなかで「校則の見直しが必要だ」と答えた児童・生徒は全体の33%に上りました。 これが多いのか少ないのか、捉え方は様々でしたが、注目したのが全体の9割近くが「校則を児童・生徒でつくったり考えたりする場が必要だ」と回答したことでした。

熊本市 遠藤洋路 教育長
「今の校則でいいとしても、何も議論しないということではないんです。みんなで話し合って、その上で『今のままでいいよね』と決めるのと、誰かが決めたものをそのままやるのとでは全く意味が違うんです」


アンケートの結果は遠藤さん自身が今の教育現場に抱いてきた“違和感”と合致するものでした。


“異色”の教育長

熊本市 遠藤洋路 教育長

4年前に熊本市の教育長に就任した遠藤さんは現在47歳。その経歴は異色です。
東京大学を卒業後、文部科学省の官僚となりましたが13年間勤めたのち退職。霞ヶ関を飛び出してコンサルティング会社を起業し、自治体などに向けた政策提言を行ってきました。

そんな遠藤さんも、自身の学生時代は校則に対して違和感を持つことはなかったといいます。ときは1980年代、校内暴力が社会問題となり、校則が厳格化された時代でした。

遠藤教育長
「私が子どもの頃の1980年代は私の中学校もそうでしたがガラスが割れたり、みんながバイクで走ったりというのが日常で、子どもをおさえて正常に学校を運営していくためには厳しくルールで縛ることが当時は必要でした。私も校則は必要だと思っていましたが、意味を深く考えることはなく、ましてや自分たちがそれをつくる一員だなんていう気持ちはこれっぽっちもなかったです」


国の中枢でみた理想とのギャップ

入庁当時の遠藤教育長

そして、飛び込んだ官僚の世界。
漠然と社会の役に立つ仕事をしたいとの思いからでした。

しかし、目の当たりにしたのは想像とかけ離れた現実だったといいます。

遠藤教育長
「国の役所は優秀な人がみんなで一生懸命、国の政策を議論して決めているのかなと思っていたら、全然そんなふうには見えなくて。朝から晩までトイレに行く暇もないくらい、みんな忙しく仕事をしているけれど『日本の学校ってこれでいいの?』といった根本的な議論は全くなく、今進んでいる方向に異を唱えることはタブーみたいな空気がありました」


「縦割りで事なかれ主義の行政を打破したい」

遠藤さんは若手の官僚仲間と「プロジェクトK」というグループを立ち上げ“霞ヶ関改革”を掲げて仕事の進め方や人事制度の見直しなどを求めて活動しました。

しかし、限界を感じた遠藤さんは退職を決意。「民間から社会を変えたい」とコンサルティング会社を起業したのです。
そこでの経験が今の教育長としての理念を支える原点になっているといいます。

遠藤教育長
「起業の経験は非常に大きくて、苦労してお金を稼いで自分で自分の生活を作ることの大変さを実感しました。それまでははっきり言って、校則で縛られていた学生時代の延長というか、人に言われたことを守るとか、人のせいにするだけで誰も声をあげない。自分のことも含めて反省しました。これからどんどん人口が減少して経済も厳しくなって、ほかの国との競争ももっと厳しくなっていく時に、日本全体が言われたことをやるだけだと、これはちょっと国として大変だと。自分たちの責任で自分たちの国をつくる、それを子どもの頃から実感していかないといけない」



校則見直しは最高の“教材”

校則・生徒指導のあり方の見直しに関するガイドライン

遠藤さんは市長に請われて4年前に熊本市の教育長に就任。 目の当たりにしたのは自身の学生時代と変わらぬ管理教育がはびこる学校現場でした。

体罰事案の可視化やICT教育の推進、教員の働き方改革に採用制度の見直し、そして不登校生徒の起業支援など、次々と改革に着手していった遠藤さん。満を持して取り組んだのが校則の見直しでした。

もともと熊本は2000年代になっても県内の半数以上の学校が、校則で男子生徒の丸刈りを定めるなど厳しい校則が根強く残っている場所でした。

遠藤さんはアンケートで寄せられた声を背に、熊本市立のすべての小・中・高等学校での一斉校則見直しを決意。 ことしに入って、その指針となるガイドラインをとりまとめました。

この中ではまず髪の毛の地毛の色について学校の承認を求める規定や、制服に男女の区別を設け選択の余地がない規定など、生まれ持った性質や性の多様性を尊重できない校則は必ず改定するよう求めています。 そのうえで、取り組みの柱として「児童・生徒がみずから考え、みずから決める仕組み」を各学校でつくり、その枠組みの中で「必要かつ合理的な範囲内で校則を決定する」としています。

教育委員会が学校向けにこうしたガイドラインを策定するのは全国的にも珍しいということでした。

遠藤教育長
「先生の決めたことに対して、守るだけだったり、反抗するだけだったりしたら、大人になってもそういう意識になってしまいますよね。そうではなくて、自分たちのことを自分たちで決めて、そして責任を持って守るということが民主主義です。小学生の頃から校則の見直しを利用して、自分たちの責任で学校をつくるという経験を積み重ねていくことで、大人になった時にもそれが出来るようになり、よりよい社会のあり方につながると思うんです。そして、その中で、少数派の人権をないがしろにするようなルールを作ってはいけないことも含めて覚えていくことですよね。だから髪型や服装をどうこう以上に校則の見直しは、この国のあり方の見直しであって、これからの時代を生きていく子どもたちを育てるための最高の教材なんです」



コロナ禍が問う学校の存在意義

熊本市内の中学校 生徒が校則について意見を交わす

教育委員会が示したガイドラインをもとに今年度から熊本市内の全137校で児童・生徒による校則の見直しが始まっています。

私はことし7月、市中心部の中学校の取り組みを取材しました。

「水泳のあと、髪が長い子だと水が垂れてくるので、お団子結びを許して欲しいです」

「お団子はおしゃれの域に達してしまうと思うので、私はまだ検討する必要はないと思います」

「体育のとき、男子は着替える場所がないんですけど、このあいだ僕たちが着替えていたとき、女性の先生に見られたんですよ。いやな人もいるんじゃないかなって」

「今のジェンダーレスの考え方として、女の子だけが特別扱いみたいになるのは変えた方がいいと思う」


まずは、学校生活のなかで感じる違和感について活発に意見を出し合っていました。

しかし、夏休みに入ると新型コロナウイルスの第5波が猛威を振るい、2学期は開始から分散登校に。議論は一時、中断を余儀なくされ、見直し作業が本格化するのはこれからです。

このように、遠藤さんが校則改革を打ち出してからこの間は、学校現場がコロナ禍への対応を迫られた期間と重なります。新型コロナにより、それまで当たり前だった学校の日常は一変しました。

いちはやくICT環境の整備に取り組んできた熊本市では、オンライン授業に力を入れ、ふだん不登校だった生徒の出席率が高くなるなど思わぬ効果もあったといいます。

授業は学校でなくても受けられる。じゃあ、学校は何のためにあるのか。

遠藤さんは、その解は校則を見直した先にあると考えています。



熊本市 遠藤洋路 教育長
「授業って、別に学校じゃなくてもできると気づいて。じゃあ本当に学校って何のためにあるのって言ったら、授業はその一部だけど、居場所とか、子どもたちにとっての生活の場なんですよ。自分の居場所だったら、それは自分の意見が聞いてもらえる場所ですよね。だから『校則で言うことを聞け』というのは真逆なわけですよ。校則見直しのなかで自分の意見が意味のあることとして、みんなに受け入れてもらえる。思い通りにならくても、みんなでそれを議論した結果なんだと思える校則づくり。そんな環境をつくることができれば『また明日も学校に行きたいな』と思える学校になると思います」



取材後記

遠藤さんが取材中、しきりに口にしていたのが、「子どもの幸せのため」という言葉でした。
一番大切なようで、“校則“と“幸せ”とではどうも違う場所にあるように感じてしまい、真意を問いました。帰ってきた答えが、本文最後の言葉です。
わたしは、学校に行くのが好きではない子どもでした。教室に居場所を感じることができず、“きょうも学校に行かなくてはいけない”と思う朝が一番憂鬱でした。その解決法の一つが校則の見直しで、自分が主体的に学校づくりに参加することであったなら、意外と近くに突破口はあったのかもしれないと取材を通して当時を思い返しました。
10年後の今、こんどは大人として、いまの子どもたちが「あすも学校に行きたい」と思える一助となるよう、いまの校則や教育が、どうあるべきなのか、取材を続けて行きたいと思います。
(熊本放送局 記者 北条与絵)


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2021年11月19日

“理容師発”の校則改革 髪型の校則で悩んだら“プロ”に相談を!

先日、取材班のもとに届いた1通のメッセージ。

「理容師です。近所の小中高生がよく来店されますが、たまに校則違反だから直してこいと言われてくる子たちがいます。どこを直せばいいのか要領を得なく先生に電話して伺うのですが、それでも要領を得ないことが多々あります」

髪型を整えるプロである理容師も戸惑うという髪型の校則。
いま、“全国の学生に髪型改革を起こす”と動き始めています。

(報道局 社会番組部ディレクター 藤田盛資/制作局「あさイチ」ディレクター 桑原翔一)


校則違反せずに“希望かなえる”理容師

メッセージを寄せてくれた齋藤真也さん

メッセージを送ってくれた、理容師の齋藤真也さん(44)。北関東のとある街で理容店を営む、その道20年のベテランです。客層は男性を中心に、小学生から社会人まで。近隣には10校ほど学校があり、中高生もよく訪れるそう。モットーは“校則違反せずに希望をかなえてあげること”だといいます。

理容師 齋藤真也さん:
「近隣の学校の校則は把握していて、違反したオーダーは受け付けないようにしています。なんなら帰らせるときもありますよ(笑)。『あのお店なら校則違反の髪型もやってくれる』と、うわさが立つのは困りますし、校則はルールである以上、守るべきと考えていますから。でも、人って髪型ひとつでコンプレックスを克服できたり、自分に自信を持てたりするものだと思うし、“個性を大事にする時代”と言われる中で、少しでもその子の良さを出してあげたいとは思っています」


齋藤さんは訪れる生徒や教員から、各校の校則を聞き取っています。
把握している髪型の校則について、代表的なものをあげてもらいました。

・ツーブロック禁止
・前髪は眉毛まで
・襟足や耳にかかってはいけない
・パーマ禁止
・カラー禁止

ツーブロックの髪型

“ツーブロック禁止”は、把握するほぼすべての学校で該当。中には“ストレートパーマ禁止”という学校もあり、「くせ毛は個性だと思うけどコンプレックスに感じる子もいる。それを直せない校則はいかがなものか」と思うときもあるといいます。


理容師がみてもツーブロックじゃないのに・・・“校則違反”?

“切り直し”を命じられた男子生徒の髪型

ところが今年6月、齋藤さんにとって不可解な出来事が起きました。
毎月カットしている中学3年生の男子生徒が「校則違反だから切り直してこいと先生に言われた」とやってきたのです。

ふだんは頭頂部も短めなスポーツ刈りの男子生徒。
つむじ周りの毛が立ち上がり、爆発したような髪形になることが気になっていたため、頭頂部を長く残して抑えたいと要望がありました。
トップの長さを少し残しつつサイドや襟足は短く仕上げた齋藤さん。ツーブロックにならないよう“グラデーションカット”という長さの差をぼかす切り方も心がけていました。

それでも告げられた“ツーブロックで切り直し”。
納得いかない齋藤さんは思い切って学校に電話し、直接切り直しの理由を問いました。
すると教員からの答えは・・・・・。

「ツーブロックに“見える”」


散髪のプロである自分がツーブロックではないと言っているのに、なぜ…
ここからのやりとりは平行線をたどったといいます。


齋藤さん
先生が思うツーブロックの定義とは?

教員

横の髪が上からかぶっている感じですよね?私にはそう見えました


ツーブロックとは何かを説明した齋藤さん。教員もツーブロックではないと納得しました。
すると・・・

教員

極端な刈り上げも禁止しているんです。

齋藤さん
どれくらいの長さから極端なんですか?

教員

そこまでは決まっていません

齋藤さん
・・・・・。


定義や基準があいまいなまま運用されていた髪型の校則。
ルールを守った髪型を心がけてきた齋藤さんにとっては衝撃的でした。

齋藤真也さん:
「らちが明かないですよね。この感じだと先生によっても校則違反の線引きが違うでしょうし。ある校則を守ろうとしたら別の聞いたこともない校則が出てくるのでは、これじゃあ理容師はお手上げです。切り直しには無料で応じていますし、ほかのお客さんがいない時間帯に対応するので、営業的に困る部分もあります」



“市長への投書は無視できない” 地元ネットワークを駆使してアプローチ



生徒も、教員も、理容師も、髪型の校則で戸惑う状況を放っておくことはできない。
齋藤さんは地域密着型の理容師としてのネットワークを存分に生かして動き始めました。

地域を動かすには、まず役所から。
役所に勤める知人から“とっておきの方法”を聞いていました。

齋藤真也さん:
「市役所に市長への“ご意見ボックス”があるんですが、聞くところによるとこれは絶対市長が読んでいて、役所として必ず対処しないといけないそうなんです。だからここに『学校の校則についてこんな困ったことがあり、話し合いの場を作ってほしい』と投書したんです。“ご意見ボックス”が置いてある課の人たちは仕事が増えることになるので“この人は何を投書したんだろう”とすごく僕のことを見ていましたよ(笑)」

知人の話は本当でした。
数か月後、地元の教育委員会から「話し合いに参加しないか」と連絡が来たのです。



理容師組合のトップとともに、地元の中学校の生徒指導部長たちが集う教育委員会の会合を訪れた齋藤さん。理容師として日ごろ抱いてきた疑問を率直にぶつけました。

「ちょっと短いとか、1mm長いとかは、すぐ伸びるから大目に見てくれないか」
「ヘアゴムの色やヘアピンの数まで指定するほど細かい校則はなくてもいいのでは」
「なんなら、髪型の校則は全部撤廃してもいいのでは。それで生徒が失敗したら、そこから学ぶこともできる。学校が先回りしすぎて、生徒が失敗するチャンスを奪ってしまっていないか」


すると、教員からもぽつぽつと本音が漏れ聞こえてきました。

「正直、教師によって基準が違うことはある・・・」
「生徒指導部長の役目を任されているが、判断に困ることが多い・・・」


“先生たちもきっと髪型の校則で困っているはずだ”と踏んでいた齋藤さん。
おもむろに、事前に用意していたある紙を教員たちに手渡しました。
理容師たちのLINEのQRコードを印刷した紙でした。
生徒の髪型で悩んだときは、プロである自分たちが相談に乗ってあげたい。学校と理容師が直接つながって、一緒に校則を考えていこうという意思表示でした。

理容師 齋藤真也さん:
「髪型の流行はどんどん変わっていくし、先生たちがそれを確認するのは大変だし本来の仕事じゃないと思うんですよね。先生たちにはもっと授業のことに集中してもらいたい。生徒の髪型のことで忙しい先生たちの時間がとられるのはもったいないと思うんですよ。だから髪型のことはプロである僕たちを頼ってほしい。地域の学校と理容師が組んで、生徒の髪型改革をしていけたらなと思っています」


理容師たちのLINEに教員からの相談は、まだありません。
ただ、これからも粘り強く教育現場に働きかけていきたいと意気込んでいます。


どうする?“外見”の校則



今回の話を伺って改めて感じたのは、髪型など“外見”の校則は、基準を決めたり指導したりすることがとても難しいということ。生徒と教員にそれぞれの価値観があり、その違いがぶつかり合い、ときに両者に溝が生まれる原因にもなってしまいます。
そんなとき、地域の理容師など第三者の意見があれば、冷静に建設的に話し合う助けになるかもしれないと感じました。


関連番組

あさイチ「どう思いますか?学校のルール」
2021年11月22日放送(総合)
「下着は白のみ」「髪ゴムは黒だけ」など従来の校則が見直され始めています。ツーブロックはどうしてダメなの?スカートが短いとなぜダメなの?女子がスラックス制服を選びやすくした、目からウロコの工夫とは?出演の皆さんの中高生時代の写真も公開!

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2021年11月16日

「なんで女子はスカートって決まっているの?」スラックスを標準制服にした学校が教えてくれたこと

ひと昔前、“スラックスの制服”を着た女子生徒がいたら、どう感じましたか?

近年、ジェンダーレスの思考が高まり、女子生徒の制服として、スカートだけでなくスラックスの選択肢を設けている学校は、全国の都道府県立の高校の約4割にのぼるといわれています(「学校総選挙プロジェクト」調べ)

しかし、“周囲の目が気になる”などの理由で、実際に着用するのにはハードルがあると感じる生徒も少なくありません。

ルール上は着用できても、実際にはくのは難しい・・・。

この壁を、“発想の転換”で乗り越え、女子生徒の4割がスラックスの制服で過ごす学校があります。

取材を通して、ちょっとした工夫で、この世界での生きやすさが大きく変わる可能性を感じました。

(制作局「あさイチ」ディレクター 桑原翔一・植木翔吾)



女子生徒のスラックス着用率約4割 いったいなぜ?

姫路市立山陽中学校 中学1年生のみなさん

兵庫県姫路市にある、市立山陽中学校。この学校では、開校以来70年以上、男子は詰め襟、女子はセーラー服という制服でした。

今年の3月、その制服をブレザータイプに一新しました。実際に校舎を訪ねてみると、女子生徒がスラックス制服で学校生活を送る風景が当たり前にあります。

なぜ、みんなこぞってスラックスを選択し、はいているのでしょうか。

そのワケは・・・スラックス“も”選べるのではなく、スカート“も”選べるとしたことにあります。

多くの学校では、「男子はスラックス、女子はスカートを標準として、女子はスラックスも選べる」というルールにしています。この学校では、男女ともに「スラックスを標準」として、希望する生徒には、男女問わずオプションとしてスカートも選べるルールにしたのです。

中学1年生を対象にこの新制服を導入したところ、女子生徒の約4割がスラックスで過ごしているそうです。



スラックスの制服で過ごす女子生徒は、機能面でスラックスを気に入っていました。

「スカートもかわいいけど、スラックスをはいている自分が好きだからスラックスにしています。掃除のときに雑巾がけをしやすかったり、スカートだったらひらってなっちゃうからスラックスのほうが動きやすいです」

一方、スカートを選んだ生徒は・・・

「体型が強調されるから、それが嫌でスカートにしました。好きな方を選べるってすごくいいと思いました」

この学校では、自分の好きなスタイルで学校生活を送ることができていました。
男子生徒に聞いてみると・・・

「スカートで男女の区別を決めつけていないから、異性に話しかけやすくなりました」

という声や、

「僕は今ははくつもりはないですけど、いつかスカートをはきたくなることがあれば、気軽に変更できると思います」

という感想もあり、選ぶハードルが低くなっていることを感じました。


校長先生を動かしたのは、生徒の素朴な疑問だった

姫路市立山陽中学校校長 長谷川貴久さん

スラックスを標準とした制服の導入を決めたのは、山陽中学校校長の長谷川貴久さんです。導入のきっかけをこう語ってくれました。

山陽中学校校長 長谷川貴久さん:
「2018年、時代が令和に突入するタイミングに、制服のデザインを変えるという議論が始まりました。議論の最中で、1人の女子生徒に『私たちは、なぜズボンじゃなくて、スカートと決まっているのですか?』と問いかけられたのです。はっとしました。 そもそも、学校は動きが激しい場所です。機能面や安全面でもズボンで過ごすほうがいいのではないかと学校生活を見ていて感じていました。学校外のファッションでも生徒たちはパンツスタイルに慣れ親しんでいるようでしたから、それを学校に取り入れようと考えました」


こうしてたどり着いたのが、“スラックスも選べる”ではなく、“スラックスを基本としてスカートも選べる”というルールでした。長谷川校長は、制服改革を目指し、将来この学校で過ごすことになる小学生や保護者の声を聞きました。

すると、スラックスを基本とすることに、肯定的な声が多くあったといいます。その声をもとに、学校の卒業生や地域の人たちにも導入への理解を求め、議論を尽くしました。

反対の声もあったといいますが、今の時代に求められているものは何か、そして何より生徒たちへの思いを軸とした制服の変更は、3年がかりで実現することができたといいます。


学生たちの本音に寄り添った“制服選択制”の運用のヒント



ここ数年、ジェンダーレスな制服を採用する学校が増えています。
「学校総選挙プロジェクト」が高校生約700人に調査したところ、約9割が「制服選択制度の導入」に賛成しました。「あなたは制服選択制度を利用したいですか?」という問いにも、学生の7割が「利用したい」という回答でした。



しかし、制度だけではカバーしきれない、ある壁がありました。“周りの目”です。
同調査によると、約7割の生徒が制服を選択する際にハードルを感じていることがわかりました。

その理由としては、「周囲に利用している人がいない、少なそう」「近所の人など、周囲の目が気になる」「異性からの目が気になる」などという回答でした。

子どもたちは、特に周囲からの視線を気にして、自分が本当に着たい服装で過ごせていない実態があります。スラックスをはくこと=「性的指向・性自認のカミングアウトにつながる」という声もあります。

全国の学校と山陽中学校の違いは、「スラックスも選べる」「スカートも選べる」という違いだけです。たったそれだけで、着用率が大きく変わりました。
実際にこの学校にLGBTQの当事者が訪れ、「私が学生のときにもこんな制服があったらよかったのに」という声もあったそうです。


ちょっとの工夫で世界は変わる



「もし9割の女子がスカートを希望したとき、本当にスラックスを選べるのか?」「スカートをはきたい男子は浮いてしまう?」など、壁はまだありそうです。

しかし、ルール設定ひとつで、これまで表面化されてこなかった子どもたちの思いが実現します。無理なカミングアウトや目立ち方をせずに、違いや個性を発揮することもできます。

大人から見たら学校は小さな社会ですが、子どもたちからすれば世界のすべてです。だからこそ、大人のちょっとした工夫で社会は大きく変わるのだと、この学校は教えてくれました。


関連番組

あさイチ「どう思いますか?学校のルール」
2021年11月22日(月)放送(総合)
「下着は白のみ」「髪ゴムは黒だけ」など従来の校則が見直され始めています。ツーブロックはどうしてダメなの?スカートが短いとなぜダメなの?女子がスラックス制服を選びやすくした、目からウロコの工夫とは?出演の皆さんの中高生時代の写真も公開!

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2021年11月5日

井手上漠さんと校則 性別で決められた制服を変える意味

「男女関係なく制服を選べるように校則を変えてから、学校全体が明るくなりました。
『もうどこの学校もこうなっちゃえばいいのに』ってくらい」


性別にとらわれずに活躍するモデル・タレントの井手上漠(いでがみ・ばく)さん。
今年3月に高校を卒業した18歳です。実は井手上さんは高校時代に自ら校則見直しに携わった経験があります。男女別に定められていた制服を性別に関係なく選択できる制服へと変えたのです。

生物学的に男性として生まれながら、「せいべつないです」と自らを形容し、「自分らしくいること」の大切さをSNSなどで発信し続けている井手上さん。フォロワーは約40万人を超え、その美しさとアイデンティティーの示し方が若者からの支持を集めています。

ジェンダーの多様性がなかなか学校の先生に理解してもらえなかった葛藤、自分自身も「校則は変えられないもの」だと思っていたことなど、学生時代の経験をお聞きしました。

(名古屋拠点放送局 制作部 ディレクター 立野真央)



男女別だった高校の制服 自由にしたら…
16歳の井手上さん

井手上さんは島根県にある隠岐諸島の海士町(あまちょう)の出身。
小さな島で高校卒業まで暮らしてきました。
高校時代、生まれ持った性別に違和感を覚えている友達がいたことをきっかけに、校則見直しに取り組み始めたといいます。


入学当時は詰め襟の制服を着ていた井手上さん。
2年がかりの活動の末、去年、井手上さんが高校3年生のときに見直しが実現。「男性用」「女性用」とされていた制服が「タイプ1」「タイプ2」という名前に変わり、男女関係なく選択できるようになりました。
井手上さんが3年生のときには、スカートスタイルでも登校できるようになったのです。


「先生は毎日スカートで学校に来られますか?」
17歳の井手上さん

井手上さんが校則見直しに取り組んだきっかけは、同じ高校に通うトランスジェンダーの友人に制服についての悩みを相談されたことでした。

「私の友達に生物学的には女の子に生まれたけど、男の子になりたいっていう子がいて。『どうしてもスカートを履いて学校生活を送るのが嫌だ』という話を聞いたのが、校則を変えたいと思ったきっかけでした」


井手上さんは友人と協力して実際に校則を変えるために動き始めました。しかし、校則を変えたいという思いは当初、なかなか先生に届かなかったといいます。

「『校則は生徒の8割が承認すれば変えられる』という決まりだったので、『まずはみんなにアンケート取ってみよう』とか、そういうことから校則の見直しを働きかけました。でも、やっぱり先生とぶつかり合うところがすごくあって……。“時代の価値観”みたいなものにぶつかったと感じたんです。いま、学校の中で性別に違和感を持っている子や、そういった悩みを抱えている子はすごく多いじゃないですか。でも、先生たちが生きてきた時代には、そういう人たちはすごくマイノリティーとされていた。だから、その違和感がなかなか理解できない、男女別の制服を着たくないという気持ちがわからないという先生がすごく多かったです」




井手上さんは一方的に意見を伝えるだけでなく、先生たちにどうやったらわかってもらえるか考えながら対話を続けていきました。

「『男女別の制服が嫌だという感覚がわからない』と言われてしまい“生徒のための学校じゃないの?”ってすごく思いました。でも、先生側の気持ちも考えたら確かにそうだなと思って。違和感を持っている人たちが周りにいなければ、そういう気持ちはわからないなとも思ったんです。 それで、『わからない』と言っていた先生が心も体も男性の先生だったので、『先生、スカートで廊下歩けますか?恥ずかしくないですか?』という伝え方をしました。そしたら先生方も『それは恥ずかしい』と。だから、『毎日この子(トランスジェンダーの友人)はそういう気持ちで学校に来ているんです。勉強しに来ているのに、すごく周りの視線を気にして、生きづらい環境で、毎日戦っているんです』と伝えました。そしたら理解してくれたんです」


中学時代は「校則を変えられる」なんて思ってもみなかった


自身の言葉で学校側に意思を伝え、先生からも理解を得て、校則見直しにつなげることができた井手上さん。
しかし、中学時代は「校則を変えられる」とは全く思っていなかったと振り返ります。

「私は生物学的には男の子で生まれましたけど、昔から髪が長いほうが落ち着きましたし、かわいいものやキラキラしたものが好きだったんです。 中学校のときバレーボール部だったんですけど、髪の毛が伸びたのでしばろうと思って。女の子に『肩に髪がつく子はしばれ』とか言うじゃないですか。私も髪が伸びてきたのでしばったら、先生から『しばるな』ってすごく言われたんです。私の中で大事にしていたかわいいものやキラキラしていたものを、潰された気持ちになったんですよね。個性を潰されたというか。“え?そんなことが駄目なの?”という衝撃がありました。

でも、中学時代は性別に違和感を持っている子は学校で自分1人だけだったので、周りに打ち明けることもできませんでした。だからそれを先生に言って、どうにかなるなんて全く思ってなかったんです。“校則を変えよう”っていう概念さえも全く持っていませんでした。 高校生になって相談できる子たちが増えて、友達から『校則変えたいんだよね』って相談を受けて、『じゃあ一緒に頑張ってみる?』という感じで頑張ったら、本当に変わったんです


「声をあげること」「対話すること」の大切さ
井手上さんが17歳のときに投稿したツイート

井手上さんは校則の見直しを通じて「声をあげること」「先生たちと向き合い、対話すること」の大切さを感じたそうです。「校則を変えた」という結果だけでなく、その過程での経験がとても意味のあるものだったといいます。

「何かを変えなければ改善されないことって、校則だけじゃなく、たくさんあるじゃないですか。何か一歩を踏み出すとなったとき、それぞれの時代の価値観を1回ぶつけあうのはどこかで必要になるのかなって思いました。いま思っても、先生たちと対話したあの経験はすごく良かったなと思います」


これからの子どもたちのためにも「校則は見直していってほしい」


最後に井手上さんに、これからの校則見直しがどうなってほしいか尋ねました。

「私は校則って本当に大事なことだと思っています。
私はすごく性別で悩んできました。組織の中で生きづらかったというのがあって“校則がこうなればいいのに”と言いたかったんだけど、やっぱりマイノリティーとされているから、声をあげづらかったんです。今、それがどんどん改善されているかと言われれば、やっぱりマイノリティーはまだマイノリティーとされているんですよね。だから、ジェンダー平等が本当に実現するのは10年後、20年後だと思っています。

でも、10年後、20年後に実現するために、制服もそうですけど、今の小学生だったり中学生だったりが“女の子はスカートで男の子はズボン”ではなくて“自分が好きな服を着る”。そういう価値観を子どものときから持っていれば、その子どもたちが大人になったときに、その次の子どもたちにもつながるじゃないですか。

子どもたちが組織の中で生きやすくなる上で、校則を見直す、考え直す、改善するのはすごくすばらしいことだと思います。そういう学校がどんどん増えていって、10年後20年後にはもっと明るい未来になってることを私は強く願っています」


次の世代の子どもたちのために、と力強く凛とした言葉で語ってくださった井手上さん。
「この校則、変かも」と思ったら誰もが声を上げて変えられる時代の兆しを感じると同時に、そんな社会を早く作らねばならないと感じるインタビューでした。



関連番組
ナビゲーション「校則は“変えられる”時代へ」
2021年10月22日放送(中部7県)
【全国放送が決まりました】 〔BS1〕11月18日(木) 午前0:10~0:35  ※水曜深夜


このテーマについて、皆さんのご意見や体験談を募集しています。
「実際に校則を改革した」「自分たちの学校の校則を改革したい」など、こちらの投稿フォームから声をお寄せください。


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2021年10月21日

“校則が厳しい学校”の改革日記①|発足!ルールメイキング委員会

東京・渋谷から電車を乗り継ぎ2時間ちょっと。

JR両毛線の無人駅「山前駅」を降りて、さらに車で10分。

民家を抜けると、畑の向こうに青空に映える白い校舎が見えてきた。栃木県立足利清風高等学校だ。

ずらりとならんだママチャリ。

校内に響く、部活に励む生徒たちの声。

なぜか5分ほど進んでいる時計塔。

妙な懐かしさと、“清風”の名のとおり爽やかな空気がただようこの学校で、きょうから“校則見直し”の活動が始まる……私は期待と緊張、いや、ほとんどがワクワクした気持ちで、飛び上がりそうだった。

これはNHKのディレクターである私が、この春から足利清風高校で行われる校則見直しの活動にボランティアで参加しながら記録していく、日記のようなシリーズです。どんな風に校則が変わっていくのか(変わらないのか)。生徒や先生の皆さんにどんな変化や成長が起きるのか。足利清風高校・ルールメイキング委員会の奮闘の日々をつづっていきます。

(報道局 社会番組部 ディレクター 藤田盛資)



「藤田さんも応募しませんか」
栃木県立 足利清風高等学校

それは取材相手の社交辞令だったかも知れない。ただ、私は本気で飛びついてしまった。

私はクローズアップ現代+で“校則改革”をテーマに去年2月から取材を続けていた。その日は教育フィールドで20年の歴史がある「認定NPO法人カタリバ」が取り組む“みんなのルールメイキングプロジェクト”について担当者から話を聞いていた。

ディレクターの藤田です 活動は主にオンラインで行っています

全国から「校則を見直したい」という学校を募集。生徒と教員が話し合いながら校則を考えていく活動をサポートする。教育研究者や哲学者、ワークショップデザイナー、弁護士など多彩な人材が基本プログラムを考え、NPOから“コーディネーター”と呼ばれる支援者が各学校に入り、お手伝いする仕組みだ。経済産業省の「未来の教室」実証事業にも選ばれ、ことしは全国11の中学高校、さらには福井県や広島県など自治体単位で参加しているところもある。

2020年度参加校の広島県・安田女子中学高等学校

去年の参加校の生徒からは「人生で一番成長した」「変えられないと思っていたものを、変えられた」などの感想が寄せられていて、ぜひ取材したいと思っていた私。
そんなとき担当者から、突然、こんな誘い文句をささやかれたのだ。

「いま、コーディネーターをやってくれる人を一般募集しているんです。藤田さんもよかったらどうですか」

高校生の成長を間近で見てみたい。取材者だからと距離を置くのではなく、課題解決に一緒に取り組んでみたい。何よりも新しいことに挑んでみたい――。

社会人になって初めて履歴書を書き、面接を受けた。

[ 検討の結果、藤田様にコーディネーターとして参画いただき… ]

今年5月、メールで届いた十数年ぶりの合格通知。

上司の了解をもらい、業務時間外のボランティアで活動する日々が始まった。社会人11年目。仕事に慣れてきたものの少し行き詰まりを感じていた私にとっても、大きな挑戦だ。


「うちの校則、ちょっと厳しすぎるかも…」 教師歴28年 ベテラン先生の本音


そんな私の個人的な挑戦はちっぽけなことで、学校にとってはもっと重大な挑戦だと、すぐに知ることになった。

私がコーディネーターとして参加することになった栃木県立足利清風高校。普通科・商業科・情報処理科があり536人が通う。進学する生徒は7割、就職する生徒は3割。いわゆる地域の“中堅校”だ。

「うちの学校の校則は、私も厳しすぎるなと思っています」

生徒指導部長、つまり校則を取り締まるトップである教師歴28年の小瀧智美先生は、最初の打ち合わせで率直な気持ちを教えてくれた。足利清風高校は15年前に商業高と女子高が統合して生まれた。現在の校則は商業高の校則がベースになっているそうだが、すぐに就職する生徒が多かったこと、そして“ちょっとやんちゃな生徒が多かった”こともあり、ほかの高校と比べても校則が厳しく、それが現在も続いているというのだ。

足利清風高校の代表的な校則
・下着の色は白かベージュ
・ツーブロック(奇抜な髪型)禁止
・おだんごや編み込みは禁止
・前髪は眉毛にかかる程度まで
・セーターは4月以降着用禁止(セーター姿での登下校も禁止)
・スカートはひざまずいて地面につく長さ
・地毛が明るい、くせ毛のものは「地毛申請書」を写真付きで提出
・校内の自動販売機は、授業間の10分休憩では購入禁止
・スマートフォンは校内で使用禁止。登校したら担任に預ける

数えてみると約90項目あった。確かに厳しそうだ。特に髪型などの外見のルールは細かく決められている。何のためにある校則なのか、小瀧先生に理由を尋ねた。

・下着の色は、女子のシャツから透けて見えて犯罪に巻き込まれないように
・おだんごやツーブロックは“おしゃれ”にあたり、学業には必要ないから
・服装の規定は、卒業後すぐ就職しても苦労しないようにマナーを学ぶため
・地毛申請は、生徒が染髪してきたときの指導でトラブルが起きないように
・自動販売機の購入時間制限は、過去に授業に遅刻した生徒がいたため



コロナ禍で変貌する社会 校則見直しの決断へ
教師歴28年 小瀧智美先生

理由を聞いて納得する部分もあるが、多様性が重んじられる現代には合わない部分もあるのではないか。思い切って小瀧先生に聞いてみると「実は私も違和感を持ちながら指導していたんです」と、本音を明かしてくれた。

生徒指導部長 小瀧智美教諭:
「人権上よくない校則もあると思っています。世間では“ブラック校則”なんて言われていますが、その校則がありますからね。例えば下着については、わざわざ色を指定しなくても、そんなに派手な下着はつけてこないと思います。髪型も“おだんごのほうが涼しい”という生徒の話も分かります。でも…私は生徒指導部長という立場だし、こういうルールだと決まっている以上、指導しないといけない。先生たちの中には“校則をゆるくすると学校が荒れる”という考えを持っている人もいて、簡単には変えられない。ずっと葛藤してきました」


校則を見直すうえでの“壁”。それは教育現場が経験してきた苦い歴史にある。

校則が全国的に厳しくなったのは1980年代、校内暴力が吹き荒れた時代とされる。教員が生徒から殴られる事件が相次ぎ、“ツッパリ”が社会現象と化した。そうした事態を沈静化させるため、“服装の乱れは心の乱れ”として校則で厳しく取り締まるようになっていった。

1980年代の“中学生”

窓ガラスを割って盗んだバイクで走り出すようなことは減った現代でも、校則で細かく生徒を管理する傾向は続いた。

ルーズソックス、腰パン、携帯電話…新たな文化が生まれるたびに新たな校則が定められ、制限は増した。荻上チキ氏らが2018年に実施した調査では「下着の色の指定」「整髪料の使用禁止」など多くの項目で、若い世代ほど経験者が多いことが分かっている。 (「ブラック校則をなくそう!プロジェクト」より)
2017年、大阪府立高校の元女子生徒が「髪の毛が生まれつき茶色いのに学校から黒く染めるよう強要され不登校になった」と主張し、府に220万円余りの賠償を求めた訴訟が注目され、校則を見直す機運が高まったが、教員の中にはかつての苦い記憶から校則を変えることに抵抗がある人も少なくないという。

足利清風高校でも“校則を見直す必要はない”と考える先生はいるそうだ。それでも小瀧先生が校則見直しに踏み切ったのには、3つ理由があった。

ひとつは学校評価アンケートの声だ。生徒や保護者向けに毎年アンケートを行っているが、生徒指導の項目は「時代に合っていない」「昭和のようだ」と厳しい評価が寄せられていた。“開かれた学校”を掲げる現代の教育現場において、こうした声は見過ごせなかった。

そしてコロナ禍。オンライン化が急速に進むなど社会情勢が目まぐるしく変化する一方で、学校は“昭和のまま”でよいのか。突然の一斉休校で学校活動が長期間ストップする中、いやおうなしに考えさせられたという。

最後に背中を押したのが、このプロジェクトとの出会いだった。オンラインが当たり前になったことで忙しい先生たちも勉強会への参加が比較的容易になったなか、目にとまったこのプロジェクト。オンライン説明会に顔を出してみると、同じ思いを持つ教員が大勢いることを知り、さらに“校則見直しの活動が生徒の成長につながる”という考え方に触れて「やってみる価値がある」と感じたという。

小瀧智美教諭:
「生徒どうしが自分たちのルールについて語り合ったり、先生に意見をぶつけたり。分からないときは外部の専門家を訪ねたり。そうしてルールを作り上げる過程は、まさに今の教育に求められている“主体的に行動できる生徒”を育てることだと思ったんです。清風高校の生徒は“いい子”が多いんですが、自分から意見を言う子は少ないと感じていました。それは私たちが厳しい校則で押さえつけて、何も言えない雰囲気にしてきたことも原因かもしれません。そんな学校を変えて、生徒も成長できるなら…」


先輩教師たちが築いてきた歴史、自身の28年のキャリア……立ち止まって見つめ直すことは容易ではなかったと思うが、小瀧先生は決断した。


違和感はひとりだけじゃなかった


小瀧先生の孤軍奮闘の日々が始まった。

同じ思いを持っている教員はいないか、まずは仲間を探した。
「実は私も違和感があった…」
「まさか小瀧先生がそんな風に思っていたとは…」
若い教員から初めて本音を打ち明けられた。振り返れば教員どうしで校則について話す機会さえあまり持っていなかった。生徒指導部長である小瀧先生に遠慮したこともあったかもしれない。ひとりひとりに声をかけ、4人の仲間が見つかった。

生徒側には“風紀委員会”のメンバーに声をかけた。ふだんはルールを守るよう呼びかける側の生徒たちだからこそ、思うところがあるのではと考えた。強制ではなかったが、14人が加わってくれた。

NPOから派遣されるコーディネーターとして、NPO職員の古野香織さんとボランティアの私。ことし6月、ついに足利清風高校・ルールメイキング委員会が立ち上がったのだった。



ふだんは“教師と生徒”という関係だが、ここでは対等に、横に座る。

「まずは、どんな校則を見直したいか、書き出してみましょう」

私たちコーディネーターからの投げかけには、生徒も先生も同じように考え、語り合う。



最初はぎこちない生徒たちだったが、「先生の前だからって遠慮しなくていい。変だなと思う校則は率直に書いてほしい」という言葉で、“ここはそういう場なんだ”と思い切ってくれた。



「前髪が眉毛にかからない程度だと、ぱっつんしかできなくて困る…」
「ポニーテールはいいけど、おだんごはダメって、線引きが分からない」
「見た目でコンプレックスがあったとしても、今の校則だと隠せない」
「社会人になったらメークするのがマナーなのに、なぜ高校生はダメなのか」
「商業科がある高校なのにアルバイトのハードルが高くて、仕事の経験がつめない」


せきを切ったように出てきた検討項目は数十に及んだ。
“なかなか意見を言わない”と思われていた生徒たち。実は“意見を言う場がない”だけだったのかもしれないと気づかされた。


「先生も怖いし、勇気がいる」


初日の活動の最後。全員で車座となった。

「どんな思いで参加したのか」「何を大切に活動したいか」。

これから1年かけて校則を見直していくうえで、全員の思いを共有しようとした。

「自分も納得いかない校則があります。それを変えることで、自分だけでなく生徒みんなが楽しい学校生活が送れるようにしたいです」
2年生の針ヶ谷侑大さんはバスケット部に所属しながら合間をぬって参加。周囲の声も背負って活動したいと語った。

「校則は“校則だからしかたない”と、変えられないものだと思っていました。でも、それを変えられるのなら挑戦してみたいと参加しました」
1年生の石山茶那さんは、この場を通じて自分も成長したいと願っていた。

小瀧先生の順番がきた。

直前の生徒たちの言葉を受け止めるように、少し沈黙した小瀧先生。

……語られたのは、生徒に弱みをさらけ出すことをいとわない言葉だった。

小瀧智美教諭:
「生徒の中で校則に疑問や不満がある人はいっぱいいるだろうなと、私が生徒指導部長を任された4年前から、ずっと思っていました。でもみんなに不満があっても、私を含め学校側は“校則を変えるなんてダメに決まっている”みたいに頭から否定して、何もみんなのことを受け入れてこなかったこともあっただろうなと、反省しています。学校の何かを変えるのは先生もすごく勇気がいることなんです。勇気がいるし、もし何か変わったとき、例えば学校が荒れたりしないか、すごく怖い。それは絶対に嫌だと思ったから、不満があるだろうなと思いつつ、その場をやり過ごしてきた自分がいたかなと思っています。だからこそ今回、こうしてみんなと集まって語り合う機会を与えてもらえて、すごくありがたいです」


かつては、違和感があっても“校則だから”と諦めていた生徒や先生たち。そんな校則を、本当に変えられるかもしれない……その希望と、成し遂げたいという強い思いを、皆が持つことになった一日だった。



6月から本格始動したルールメイキング委員会。あれから毎週、放課後に集まって2時間近い活動を重ねている。全校生徒にアンケート調査をしたり、全校集会で呼びかけたり。校則はどのような経緯で生まれたのか、他校はどうなっているのか調べるなど活動は多岐にわたる。私もオンラインを中心に参加し、ひとりの33歳・社会人として一緒に考え悩む、充実した日々を送っている。

この記事を書いている10月は、中間テストの期間で小休止中。生徒のみんなの顔が見られず少しさみしい。今日まで、数え切れないほどの出来事や変化があった。不定期になるが、この場を借りて少しずつ報告していきたい。校則見直しを通じて、学校や生徒はどう成長していくのか。一緒に見守っていただけたらと願う。

このテーマについて、皆さんのご意見や体験談を募集しています。
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2021年10月15日

校則違反で「イエローカード」「スタンプラリー」? “カード指導”の実態とは

「イエローカード」
「レベルアップカード」
「スタンプラリー」


実はこれ、岐阜県内の県立高校で、身だしなみなどの校則に違反した際に、生徒指導に使われているカードの名前。
通称“カード指導”――カードを使って生徒指導を行うことから、こう呼ばれています。
なぜ“カード指導”をしているのか、学校に直接聞いてみました。

(岐阜放送局 記者 吉川 裕基)


「校則違反、“イエローカード”です」
高校生の頃“カード指導”を受けた女性

私に“カード指導”の存在を教えてくれたのは、取材で出会った岐阜県の23歳の女性でした。

「あのカードの存在で、私は3年間ビクビクしながら過ごすことになりました……」

女性がカード指導に直面したのは7年前、高校1年生のとき。県内の県立高校に進学し、高校生活はおしゃれも楽しみたいと制服の着方をあれこれ試していたころでした。

いつも通りの休み時間。
いつもと同じように廊下で友人と話していたとき……

突然、背後から制服のブレザーをめくりあげられたのです。

驚いて振り返ると、厳しい指導で知られる女性教員が腰のあたりを眺めて言いました。

「校則違反。“イエローカード”です」

その日、女性はスカートを少し折って短めに着用していました。校則違反を指摘されたことへの後ろめたい気持ちはある一方、大勢の生徒がみている中での出来事に強い恥じらいを感じたと言います。

「あれは“公開処刑”でした。その場の生徒みんなが“あの子、カード切られている…”って見られるのが嫌だった。“自分は悪い生徒だ…”って自分のことを責めました。あの日以来、先生の目を気にしてビクビクしながら高校生活を過ごしました」


複数の教員に“はんこ巡り”
5つのはんこ枠がある“イエローカード”(女性の証言を元に作成)

教員から渡された“イエローカード”は、女性に追い打ちをかけました。

カードには5つのはんこ枠がありました。
「担任」
「副担任」
「学年主任」
「生徒指導部の教員」
「部活動の顧問」


服装を直し、これらの教員のもとを尋ねて指導を受け、はんこをもらう仕組みです。

カードを受け取ってはんこ巡りを始めた女性。

「次から気をつけてね~」

担任からは軽い口調の注意で済みました。

しかし、部活動の顧問は違いました。

「2年生にも3年生にもイエローカードをもらった人がいないのに、1年生のあなたが何しているの!」

厳しい叱責を受けた女性は、「おしゃれを楽しみたい」という気持ちを持つことがどうしてダメなのか、どの教員も教えてくれなかったことに疑問を抱き続けてきました。
当時は何も言い出せませんでしたが、卒業後、各地で校則の見直しが進んでいることを知り、この“カード指導”はおかしいという思いが強くなりました。

「なんで、ここまで徹底した生徒指導を受けなければいけなかったのか。もう少し自分の考えを聞いてほしかったです。生徒のことを思っているようには思えませんでした」


“カード指導”はいまも約3割の学校で…
情報公開請求で取り寄せた“イエローカード”

女性が高校を卒業して5年。
いまでも、カード指導は存在するのでしょうか。
実態を調べようと、女性の証言をもとに岐阜県教育委員会に情報公開請求を行いました。

「イエローカード」「スタンプラリー」「レベルアップカード」…
呼び方はさまざまですが、いまでも県立高校63校のうち20校で行われていました。



多くの高校で、生徒自身が5人以上の教員を回って、身だしなみのチェックを受け、はんこをもらうための枠が設けられていました。
中には、1週間続けて授業のたびに指導を受けるという高校や反省文を書かせる高校もありました。

“カード指導”目的は「指導の統一をはかる」
筆者

高校ではなぜ、“カード指導”を行っているのか。岐阜県内の20校すべてに取材しました。

取材の中で、複数の教員が関わることで指導の偏りを無くしたいという意識に加え、地域の住民や企業などからの目が気になるといった意見に多く接しました。

“カード指導”行う学校の声

“カード指導”はいつごろから行われるようになったのかを聞くと、平成20年以降に広まっていったという回答が多くを占めました。
学校での体罰が問題視される中、生徒たちに校則を守ってもらう有効な手段として、広まったのではないかという意見も多くありました。

「身だしなみの指導=“カード指導”はやりすぎでは?」
関西外国語大学 新井 肇 教授

ただ、複数の教員から何度も同じ指導を受け、生徒に負担を強いる指導への違和感は私の中で残り続けました。
そこで、生徒指導に詳しい関西外国語大学の新井肇教授に話を聞きました。

新井教授:
「身だしなみの指導は、社会一般ではモラルやマナーにあたるもので、それに“カード指導”という罰則とも受け止められる指導は、やりすぎだと思う。生徒指導は、ひとりひとりの人格を尊重して、個性を伸ばしながら社会で活躍するための能力を養うもの。画一的な指導で本当にその能力が身につけられるのか」


モラルやマナーは、人によって価値観が異なります。だからこそ、そこに教育の機会があると言います。

新井教授:
「画一的な指導をすると、モラルやマナーに対して、考える機会を生徒や教員ともに失ってしまいかねない。教員は忙しいので、画一的に指導したいという気持ちもわかるが、生徒に本質的な理解を促すのであれば、個別に向き合って話し合うことが必要だ。生徒から納得がいかないという声が上がっているのであれば、生徒や保護者と、この指導が本当に必要なのか話し合うべきだ」


“カード指導”を廃止した高校も
“カード指導”を行っていない学校の声

“カード指導”を実施していない高校にも話を聞きました。
すると、令和2年度から「廃止した」という高校が、少なくとも3校あることがわかりました。 廃止の理由をまとめたものが上記です。新井教授の指摘がうかがえます。

“カード指導”は本当に必要なのか。もっといい方法はないのか。
校則そのものの見直しを進める一方で、生徒指導のあり方について、あなたはどう思いますか?

このテーマについて、皆さんのご意見や体験談を募集しています。
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※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

クロ現+
2021年9月17日

「トランスジェンダーで制服が耐えられない」「オンラインなのに制服」…寄せられた30件の声

9月9日放送のクローズアップ現代+放送後、こちらの投稿フォームに1週間で31件のご意見が寄せられました。お送りくださった方々に感謝いたします。
その中には、現役生徒や教員、保護者の立場から“校則がつらい”という切実で多様な声や、“ルールだから黙って従う”という校則の風潮が現在の社会課題の要因になっているのではという指摘まで、ハッとさせられるご意見ばかりでした。その一部をご紹介いたします。
※いただいたご意見・情報は趣旨を変えずに一部表現を修正させていただくことがあります。
(「#その校則必要ですか」プロジェクト ディレクター 藤田盛資)

9月9日放送 クローズアップ現代+「その校則、必要ですか?」
テキストダイジェスト版はこちら


トランスジェンダーの私には、性別ごとの制服が耐えられなかった


3月まで在籍していた中学校は、性別ごとの制服がありました。トランスジェンダーである私はそれに耐えきれず、一時通学ができなくなりました。去年、全校生徒の意思決定機関である生徒総会で性別に関係なく制服を選択できるようにする案を提出。たくさんの質問や意見をもらった上で、賛成多数で可決。教員によると、以前より「男女別」になっているものに問題意識があったり、解決しようと取り組んだりする生徒は増えており、トランスジェンダーに限らず、自分の着たい制服を着ている生徒は増えたそうです。髪型や身だしなみ、制服の規定、特にそれが性別ごとに分けられている場合、それは本当に必要ですか?生徒に人権教育をする前に、まずは学校が自ら考えてみてほしいです。
(10代・女性)

ご本人が改正案を出したことで賛否さまざまな意見に向き合うことになり、精神的な負担も大きかったのではと想像しました。32歳の私自身、中学生のときには性的マイノリティーの存在を知らず過ごしてきましたが、当事者の方々が声を上げたことで課題がみえてきた今、当たり前と思われた“制服”のあり方を考え直すときがきているように感じました。


“ポニーテールがホウキみたいだね”

高校1年生の時こと。元々茶髪で、外で活動する部活で髪が焼け、さらに明るい髪色になってました。服装頭髪チェックで先生に個別で呼び出されると「髪色が明るい・傷んでるから染めたのか」と言われ、最終的には「ポニーテールがホウキみたいだね」と言われました。 コンプレックスである髪色を注意され、心無い言葉を聞いてその先生への信頼が無くなり、卒業までその先生との関わりを避けました。
(20代・女性)

“校則でコンプレックスが隠せずつらい”という声を、これまでの取材でも多く聞きました。服装や頭髪のチェックの際、多くの生徒や教員の前でひとりひとり確認し、違反した場合はみんなの前で指摘される「公開処刑」とも言われる状況もあるそうです。この女性の声から、指導の域を超えて生徒を傷つける可能性はないか、見つめ直す必要もあるように思えました。


“ルールだから”でいいのか? 教員も違和感


元教員です。教員には校則に疑問を感じず従ってきた「優等生」が多いと感じます。校則の意味や意義を聞くと、「ルールはルールです」と答える同僚たちに囲まれた職員室のなかで、生徒の疑問や不満に正面から向き合い続けましたが、こちらの心が折れてしまいました。
(40代・男性)

大阪府の教員です。まさしく今生徒会の風紀委員を中心に髪型の校則を変えているところです。社会では清潔感を出すツーブロックが校則では奇抜な髪型になっています。ポニーテールも禁止でしたが、なぜ 禁止されたのかを調べると「女子がうなじを見せるのは良くない」という理由でした。生徒の自治力を育むために、生徒同士で話し合わせ、生徒会が全生徒や教職員に校則改正をプレゼンしています。ただ何でもOKするのではなく子どもたちで新しい校則を作っています。もっと早くこうしていればよかったと、ひしと感じています。
(40代・女性)

先生たちへの取材では「生徒に説明がつかないルールは指導していてつらい」という声をよく伺います。自分たちの生徒指導に納得できず離職したという教員の方もいました。校則は、生徒の成長と安全を願ってのルールかと思いますが、そうした理念に立ち返り、先生にとっても納得いくものになってほしいと、2人の先生方の声から考えさせられました。


“娘が怖がっている…”“息子が絶望している…” 保護者がみた校則

娘は、皆の服装がそろっている教室の雰囲気を怖がり学校に行けない日が続いています。コロナ禍で休校でも「オンラインは制服」は必要のない締めつけに思えます。そろっていることのメリットは学校が管理しやすいからではないか、その延長には管理しやすい社会人を望むいまの社会があるのだと思えてしかたないです。子どもは敏感に感じ取っています。この先、周りに合わせることに慣れ切ったあと、働く人の権利・女性の権利が守られない社会のレールに乗せられるのだろうということを。人間はそれぞれ異なる特質を持って生まれていることにもっと敬意を払う学校に、社会になってほしいと思います。
(50代・女性)

息子が中学校入学するにあたり、入学説明会で「なんで制服は男子はズボン、女子はスカートって決まっているのか?」「なぜ靴の色は白、靴下も白、下着も白と決まっているのか?」等々質問して、「きまりだから」と言われて、怒りと絶望にうちひしがれていました。私は今までそういうものと思っていたことにハッとさせられました。息子は学校が窮屈で息苦しさを感じ、なんとか不登校にはならないながらも、遅刻多数で登校しています。ホームページに載っていた中学3年のサヤさんと全く同じような考えです。
(40代・女性)

現代の子どもたちは幼い頃から多様性を学んでいるからこそ、校則・制服についての大人が気づかない問題に気づいているのかもしれないと感じたご意見。現在の校則改革の波は、こうした子どもたちの違和感が広がっていることが要因なのかもしれません。大人が“大切だ”と伝えてきた価値観を“決まりだから”と否定する矛盾に、私自身も向き合う必要があるように思えました。


“いつのまにか、管理されなければ何もできない大人に…”


昭和30年代に群馬県で中学生活を送った高齢者です。当時のほうが現在より先進的で生徒の自主性が尊重されていました。校則も動議が提出されると生徒総会で話し合い改正していました。教師も時々意見を挟む程度で見守ってくれました。現在は学校が管理するための校則に変わってしまいました。何時の間にか管理されなければ何もできない大人が増え、子どもも管理されなければ問題を起こすことが増えてきました。教師もまた厳しい管理を受けています。社会全体が校則に限らず真剣に生き方を考え直す時なのではないでしょうか。
(70代以上・女性)

校則(学校)といえば、昔のほうが厳しく、現代のほうがゆるやか…というイメージをもたれる方もいるかと思いますが、“真逆だ”という指摘。なぜそうなっていったのか?その先にどんな社会が待っているのか?校則問題を学校の課題に押しとどめず、もっと広い意味で考える必要があると気づかされたご意見でした。


寄せられたご意見からは、校則の問題に真剣に向き合っている思いがにじんでいました。「校則はだいたい中学1年から高校3年まで、6年ほどの短いルールだから、そのぐらい我慢すればいい」という意見も伺いますが、こうした切実な声を聞くたびに、見過ごしてよい問題ではないと感じます。子どもたちの“いまの学校生活”にとっても、成長した先の“未来の社会”にとっても、大きな影響を与えるテーマだと気づかされました。改めて、ご意見を寄せてくださった皆さま、ありがとうございました。
取材班は引き続き、皆さんの声を募集しています。


※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

クロ現+
2021年9月9日

”学校の常識”って正しい? 現役教員と考える校則改革

「髪が明るい場合は地毛申請書を提出」「下着の色は白かベージュ」…
いま、こうした校則に対する見直しの動きが全国で始まっています。
取材を進めると、生徒主体で校則改革を進めようと議論をはじめた現場に出会う一方で、「簡単に変えるべきではない」という根強い意見に生徒や教員が苦労しながら議論を進める場面にも出会いました。実際に校則の見直しが進む中で、学校現場にいる当事者たちはどう考えているのでしょうか。
岐阜県で現役の教員として勤めながら、校則や制服の見直しに向け国に対しても働きかけを行い注目を集める、西村祐二さんに話を聞きました。

(「#その校則必要ですか?」取材班)


“一見、うまくいっているように見えても…” 校則を理由とした不登校も


西村祐二さん
岐阜県の県立高校に勤める教員。
今年3月、「制服を強制しないこと」や「校則の全国調査」を求めて、インターネット上で集めた約1万9000人分の署名を文部科学省に提出するなど、現役教員の立場から校則についての議論を広く呼びかけている。


――校則の取材をしていると、ツーブロックの髪型が禁止だったり、下着の色は白かベージュだったりと「ちょっと厳しいな」と感じることがありました。一方で、なぜこうした校則があるのか尋ねると、防犯上のリスクなど学校なりの理由があると教えてくれました。現場の先生から見て、今の校則はどう映っていますか?

西村さん:
1980年代の校内暴力が頻発した時代に、校則を厳しくすることで当時はうまくおさまった。それが今も続いているのかなとみています。次第に先生たちや地域の人たちも「これが当たり前」になってしまうと、今さら緩めることのメリットを感じられないですし、リスクを負ってまで校則を自由にするような動きはなかなか起きにくいんですよね。

ただ、一見うまくいっているように見えても、生徒たちは窮屈さを感じていて、不登校など思ってもない形でマイナスの影響が出ているとも感じます。「この校則なんで?おかしくない?」というたくさんの小さな疑問が積み重なると学校に対する不信感が生まれます。いまの時代だったら、校則を緩めたって荒れないかもしれないのに、締めつけだけ残っている。なにか負の影響が出ていないか、改めてみていかなければと思います。



西村さんにリモートで取材(2021年9月)


――実際に、校則といった学校の決まりが何らかの要因となって不登校となる子どもは年に5500人以上という国の調査結果もあります。取材の中でも「制限がありすぎて刑務所にいるみたいだ」と話す生徒もいて、考えさせられました。

西村さん:
実は僕が最初に赴任したのは定時制高校で、中学校時代に締めつけられたことで学校に通えなかったという生徒もたくさんいました。だから、服装を始めとしたあらゆることで“素の生徒”を認めようという方針で、本当に自由を認めていたんですよね。そうするとみんな学校に通えるようになる。

学校って単に勉強する場所じゃなくて、「安心して生活できる場所」でもありますよね。「みんなが制服を着ていないと居心地が悪い」みたいなことよりも、誰かを傷つけない限りは「ぎりぎりまで自由が認められる」ほうがいいんじゃないかと僕は思います。


「学校におしゃれは必要ない」 学校の常識、それホント?



――校則に関してよく耳にするのが「学校におしゃれは必要ない」という言葉です。「確かに変な校則だけど、おしゃれに当たるからダメかな」と生徒が発言する場面もあって、西村さんのおっしゃる「安心して生活できる場所としての学校かどうか」よりも「学業に必要かどうか」に頭を悩ませるケースも多いように感じます。

西村さん:
”おしゃれ”は象徴的な事例ですよね。教員は「学校はおしゃれをするところじゃないから、おしゃれはダメ」と言いますが、自分たちがおしゃれをして学校に来ていますよね。 「先生かわいい」と言われたりして(笑)

そういう意味では学校の身だしなみに関しては、実は主役は教員になっていて、生徒たちの気持ちが実感できていない気がします。逆に考えたら、おしゃれは授業や勉強と関係ないからこそ、別にしてもいいというふうにも考えられますよね。


“生徒に会える、それより大事なことはない…” 価値観を変えたコロナ禍



西村さん:
僕自身、校則や制服について考え直すきっかけとなったのが、新型コロナウィルスの感染拡大でした。生徒たちが生活に不安を抱える中で、ちょっとしたことでも学校に足が向かなくなることを考えたときに、命があって健康な状態で生徒が学校に来られること以外に大事なことはない、と気づいたんです。

「コロナが不安で床屋にいけない」という生徒もいるかもしれません。それなのに「お前ちょっと髪の毛が長いぞ」と言ったら、生徒はその言葉に傷つき、すごく苦痛に感じるのではないか。一人ひとりがどう感じるか生徒の心に寄り添って考えた時に、こうした指導が生徒の負担になることを僕自身すごく実感しましたし、多くの教員にとってもそうだったと思います。考えてみると、学校に生徒が来られること以外は、本当にささいなことですよね。

岐阜県ではコロナ対策として「洗濯しやすい服装での登校」を認めるガイドラインが教育委員会から出されました。勤務する学校でもこれを受けて、「制服にはこだわらなくていい」という話になって、結果的に身だしなみ検査もなくなりました。教員の中でも「必ずしも制服にこだわる必要はないよね」というふうに意識が変わってきたようです。1年ぐらいそういう運用でやってきて、いまはコロナが明けたあとの服装をどうするか議論が始まっています。まだ最終的な結論は出ていませんが、コロナ禍があったのとなかったのでは結論は変わっただろうなと思います。


ルールで防ぐのではなく 事例ごとに考えることこそが“教育の瞬間”


――コロナ禍がきっかけで、学校空間はどうあるべきなのか先生たち自身が考える機会になったんですね。

西村さん:
いまは生徒も「きょうは制服にするか、どうするか」を自分で選択して学校に来ています。教室の中で誰からも服装を強制されない状態で授業を受けていて、お互いの選択に対して口を出さない。すごく心地が良いですよね。本当にちょっとしたことだけど、新型コロナがきっかけで一気に進んだことです。

生徒の服装に関して、いままで学校は何かが起こることを想定して、だいぶ手前で、予防線を張っていたのかもしれないなと思います。例えば、うちの学校でも制服以外の服装もOKとなったあと、短いショートパンツの部屋着姿で登校してきた生徒がいました。なんの悪気もなく学校に来たと思うんですけど、「その服装は周りからしたらちょっと目のやり場に困るし、学校にはふさわしくないかもしれないよ」と話しました。生徒もそこで初めて、「あ!」と気付いて「ごめんなさい」と言ってくれました。

声をかけて、「周りの気持ちに目を向けていたか」問いかけたり、「なぜその服装が良くないと教員が考えるのか」を教員と生徒がきちんと会話できれば、それこそが”教育の瞬間”ですよね。学校はもっともっと最小限の規定でまわしていけるし、校則というルールを設けて一律に防ごうとするのではなくて、1つ1つ事例ごとに話をするほうがよっぽど教育的なんじゃないかと感じています。


よりよい校則へ 求められる“ガイドライン”と“情報公開”


今年3月、西村さんたちは文部科学省に校則の全国調査を求めて署名を提出

――西村さんは国に対して署名を届けるなどもされています。これから校則がよりよい形になるには、どんなことが大切だと思われますか?

西村さん:
最近、いろいろな教員と話をすると、実は今までどおりの校則がいいと思っている教員は2~3割で、5~6割の教員は揺れていたりするのかなと思います。教育的であるとか、教員だったらこうすべきだとか、今までの価値観に引っ張られすぎているところもあるのかもしれません。

だからこそ、国で議論がはじまっている今、校則の議論をしていくための指針となる全国一律のガイドラインを作ってほしいと思っています。例えば、人権侵害を侵すような規定はダメとか、健康を害するような規定はダメとか、あまり意見が割れないところだけでも構いません。大きな指針ができると、生徒を交えて議論するときにも何もよりどころがない中で議論するよりは話しやすいですよね。



署名提出後の会見の様子(今年3月)


それから、学校が校則を公開していくことも大切です。実際に岐阜県でやっていることですが、教員自身が校則を考えるいい機会になりました。本当にこの校則は必要なのか、公開を前に教員同士で検討しますよね。そして、学校の校則とその校則を設ける理由を公開して外に出していくと決めたら、そこが議論の起爆剤になるはずです。 校則改革はすぐに進むものではなくて、これから数十年かけてすすめていくことです。公開してもあまり注目されないかもしれませんが、本当はもっといろんな人にも知ってもらい、“外からちゃちゃ”をいれてほしいです。学校は教員だけのものではなく、地域全体のものですよね。学校だけで話し合うのではなく、地域も交えて議論していけると、学校だって肩の荷が下りると思います。


関連番組
2021年9月9日(木)放送
クローズアップ現代プラス
「その校則、必要ですか? 密着!改革の最前線」

※放送から1週間後までは見逃し配信もご覧になれます

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クロ現+
2021年9月8日

“私がわがままなの…?”校則や制服に悩み不登校に・・・中学生からの告白

「私は現在中学3年生で、校則や学校の構造・風潮が原因で不登校になりました」

ことし7月、私たちのもとに中学3年生の生徒から、切実なメッセージが届きました。中学1年の終わりから2年近く不登校が続いているという、関西地方に暮らすサヤさん(仮名)。強い憤りを冷静な文体で訴えてくる文章を、私は何度も何度も読み返しました。
勇気を持って声を上げてくれたサヤさん。かけがえのない中学校での学びを、校則が原因で絶たれたというサヤさんの声、ぜひ聞いて下さい。
(報道局 社会番組部 ディレクター 藤田盛資)

番組に届いたメッセージ “私がおかしい?私がわがまま?”

中学3年生のサヤさん(仮名)

サヤさんからのメッセージは、私たちが開設した投稿フォームに寄せられました。

“私は現在中学3年生で、校則や学校の構造・風潮が原因で不登校になりました。
変えたいと思う校則、書ききれないほどありますが、先生に何度問いかけても、「気持ちは分からんでもないけど中学生が服装や髪型、持ち物を縛られるのは当たり前、規制されて当たり前」というような態度で返されます。
私がおかしいのか、私がわがままなのかと思い、何度も酷く悩みました。”

「今どんな思いで過ごしているのか」「どんな校則、どんな学校なら通いたいと思えるのか」…私はサヤさんにお願いし、オンラインで3時間近くお話を伺いました。


――貴重なメッセージを送ってくれて、本当にありがとうございました。

サヤさん:
私の個人的な体験や主観の話しかできませんが、「校則おかしい」「しんどい」「なんで制服ってこうなの?」と思っている生徒がいるという事実を知ってもらえたらなと思いました。
むしろ、こうした機会をありがとうございます。


「学校がしんどい」 違和感の背景に校則や制服

オンラインで約3時間、サヤさんに話を聞きました


――サヤさんは「校則が原因で不登校になった」と書いてくれていたけど、どうして校則がつらく感じるようになったのですか?

サヤさん:
もともと私は、小学校の頃は学級委員をやるような、仕切ることが好きなタイプでした。中学に入っても勉強のことや友だち・先生との人間関係とかに悩んだことはありませんでした。

「学校しんどいな」って思うようになったのは中1の2学期から。だんだん、朝起きて制服着て学校までの通学路がすごくつらくなって。最初は自分でも理由が分からなくて。学校に行きたくない、いづらいのは何でなのか、考えると“校則”や“制服”にいきつきました。


私たちに送ってくれたサヤさんの校則についての考えが凝縮された文章の一部を、本人の許可を得て以下に転載します。

“変えたいと思う校則、書ききれないほどありますが、特に分かりやすいものだと、髪型の規定、それも男女で分けられているというものです。
私の学校では、男子は髪は耳にかからないように切るなど、校則によって短髪しか認められていません。対して女子は髪の毛を伸ばすことが出来る、これは分かりやすい性別による差別だと思います。 髪の毛を伸ばすことは男子はダメで女子はOK、女子は良いとされているのだから、男子にだけ短髪を強制することの合理的な理由はないと思います。
このようにとても合理的とは言えない理由で、とても合理的とは言えない性差をつけて人の髪型まで縛る権限が、本当に学校にあるのでしょうか。この校則があることで男子で髪が長い、あるいは伸ばしたい人や、LGBTQ+、この問題に関しては特にトランスジェンダーの生徒などがあぶれてしまうことになってしまいます”


サヤさんは中学校に入ってから、LGBTQ+など性的マイノリティーの存在について学び、男女の区分だけでは単純に分けられないこと、多様な立場の人たちがいることを学びました。それまでいわゆる“女の子らしい”格好が好きでしたが、パンツスタイルも好きになり、「女性」ではなく「人」としてありたいと考えるようになったといいます。

しかし、サヤさんの学校では、女子は髪を伸ばせますが「男子は耳にかからない短髪」「女子はスカートのみ、男子はスラックスのみ」などと性差がはっきりある校則でした。
また髪型以外にも夏は半袖しか認められず、気温の低い日や冷房で寒いときもカーディガンなどを羽織ることさえ認められていません。次第に、「校則」は誰かを苦しめたり、人権を踏みにじったりしているのではないかと感じるようになったと教えてくれました。


合理的と思えない校則…“議論さえ許されない”雰囲気にがく然


“不合理の象徴”と感じる制服を着るのがつらくなり、午後だけの登校や休むことも増えるようになったサヤさん。そこに追い打ちをかけたのが、校則についての議論に正面から向き合ってくれない先生の態度だったといいます。


サヤさん: なんかおかしいな、矛盾してるよなって思って、先生に聞いても、微妙な反応というか。「分からなくもないけど、こういうものだし」という反応で。

私は「もう制服だとしんどくて、自分のしたい格好だと居心地がいいんです」と話をしたんですけど、取り合ってもらえませんでした。もう思い切って「みんなに同じ格好させて、管理しやすいようにして、秩序を守っていることの方が、ルールを守る方が大事なんですか?」って先生に聞いたら、返ってきたのは「先生“個人”としては中学生がピアスしていようがメイクしていようが気にならないけど、なんか“先生”だと気になる」と。「えーっ」てなりました。

「人に迷惑をかけずに心地よく過ごすことより、ルールを守ることが大切って言うのも分かるけど、ルールが何かも考えないで、ただただ守らせることが大事なんですか」って聞いたりしたんですけど、先生が途中で相づちを打ちながら「聞いてるよ、賛同はしてないけど」と言ってきて、何その念押し!って思ったり。


――かなり踏み込んだ、勇気のいる質問だったのに、ちゃんと受け止めてくれているようには感じられなかったんですね。

サヤさん:
次の週に親と担任の先生と面談があったんですけど、そのときに担任から「“制服アレルギー”みたいになってるな」って言われて。その表現にもすごくひっかかって。
私は色々考えて言葉にしたのに。ちゃんと“おかしい、矛盾してる”っていう理屈もあるのに、担任には伝わらなかったようで。意味もなく制服にこだわっているわけじゃないのにな…って思いました。



――“ラベリング”というか、単純化されるもどかしさがありますね。

サヤさん:
私も制服を全面的に否定したいわけじゃなくて、着たい人は着たらいいと思うんです。同時に着たくない人や着れない人は着ないという選択肢もあってほしいなと思って。それって本来あるはずだなって考えて調べたら、弁護士の方の発信にはっとしました。
「そもそも憲法には自己決定権、自分が自分のことを決める権利は、他の人の人権を侵害しない限り認められる」という内容が書いてあったんです※。だから、それ以上に縛るべきことってあるのかなって思いました。

(※憲法第十三条「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」)

本来なら“基本は自由である”っていうのがあって、それを規制するならちゃんとした理由や効果、規制される側の同意が必要なはずなのに、学校はそうじゃないという意見もあって、共感しました。縛られて当たり前、多少理不尽でもそれが普通で、それがいやで制服を着たくないってなったら、それなりの理由が必要なのが現状なんです。「それって本当は逆じゃない?」と思います。


校則を変えたい!と動こうとするも……

校則を問題提起するため、サヤさんは自分の意見やデータ、専門家の意見などをメモに残していました


サヤさん:
1回、校則を問題提起するために、原稿用紙にわーっと思っていることや理屈やデータを書いて印刷して、先生や校長に配ったら見て見ぬふりできなくなるんじゃないかと、意地悪いことを考えて計画したことがあるんです。

けど、論理立てて構成を組むとかやったことなかったし、生徒側の視点だけじゃ厳しいかと思い、先生にも誰か協力してほしいと思ったんですね。今までも“子どもが言ってることだから”って軽く流されることを何度か経験してきたから、それはイヤで。

ひとり信頼している国語の先生がいて、あの先生なら頼めるかなって、口説き落とすための文章も書いたりしたんですけど……先生、めちゃくちゃ忙しいんですね。

ある授業中の雑談で「きのう夜10時まで学校にいて~」とか言ってて、朝は7時半にはいるのに。別の日には「一時期忙しすぎてお菓子ばかり食べてたら栄養失調になった」とか笑ってて。その先生すごく真面目で、ただでさえ忙しいのにこれも加わったら絶対負担になるなと思って……結局やめました。

校則を変えるには、きっと先生を巻き込んで、先生の意見を変えて、校長先生や教頭先生にお願いして…というふうになると思うんですが、そもそも今の私は不登校傾向にあって、勉強のことも不安だしメンタルもすり切れてる。元気いっぱいのときだったら先生と掛け合ったり動いたり、もっとできたかもしれないけど、今の私にはすごく難しい。でかい壁を感じますね。


救いとなったのは“SNS” 多様な意見の存在を知る


サヤさん:
校則のことを考えると、私ひとりだけの問題なのか、私がわがままなだけなのかとひどく悩むようになりました。でもSNSで調べてみると、同じように考えている人がいっぱいいることに気づいたんです。中には、学校の先生で「制服を着ない自由」を呼びかけ署名活動をしている人もいて、ひとりじゃないんだ、間違ってないんだと救われました。

不登校になって、「自分どうする、将来」ってなったんですけど、調べてみると意外といろいろな選択肢があるなって気づきました。来年は高校ですが、全日制以外にも通信制もあるし、東京の世田谷区には校則のない中学校もあったし(※世田谷区立桜丘中学校)。社会ってそんなに狭くないんだって、分かってよかったです。


――自分の力でそれに気づけるのはすごいですね。いっぱい調べたんですね。

サヤさん:
中学生にとっての社会は、基本は学校と家しかないんです。学校に居場所がなかったら全部終わりなんだなって思いました。私の場合は、SNSでいろいろなことを言う大人がいると知れてよかった。居場所ってここだけじゃないんだ、合わなかったら変えればいいと思えるようになりました。だから高校は楽しみです。中学校は、諦めます。



インタビューの最後に、どんな学校なら通いたいと思えるのか伺いました。

“校則を変える仕組みで今あるのは生徒総会くらいだけど、それも形だけで、議論できる雰囲気は全く無かった。校則を話し合う進め方や、共有すべき大前提など、全ての公立学校で手続きを明記してほしい。おかしいことはおかしいと話し合える場所があってほしい”


今回、サヤさんから話を聞く中で感じたのは、令和の時代の中学生らしい、現代的な人権感覚や多様性が当たり前のように備わっていること。だからこそ大人が見過ごしてきた校則や制服の矛盾に気付き、納得できずに苦しんだ気持ちが伝わってきました。
サヤさんの言葉を胸に刻み、さらに取材し、伝えていきたいと思います。


関連番組
2021年9月9日放送
クローズアップ現代プラス
「その校則、必要ですか? 密着!改革の最前線」

※放送から1週間後までは見逃し配信もご覧になれます

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クロ現+
2020年3月2日

校則 先生たちの本音

理不尽な校則や指導、いわゆるブラック校則に対する声が多く寄せられる中で、私たち取材班が本音を知りたいと考えていたのが先生たちです。

匿名の座談会という一定の条件のもとで取材に応じてくれた現役の高校教師たちが語った校則問題とは…。

(ネットワーク報道部 校則問題取材班)


入試まっただ中の先月(2月)はじめ。東京・渋谷のNHK放送センターに各地の高校に勤務する20~60代までの男性・女性教師5人が集まりました。



管理職もいれば、教師になってまだ数年という若い先生もいます。

校則は必要です。でも…
先生たちにさっそく質問を投げかけました。

『そもそも校則は必要か?』
○か×で尋ねました。

すると、全員が「○」と回答。



(B先生)
「やっぱり校則がなかったら、学校の中が無秩序になってしまう」

(C校長)
「学校は集団生活の場。守らなくてはいけない校則は絶対ある」
「校則は生徒を守るためのものでもある」との考え方を示してくれた先生もいます」


(E教頭)
「派手な格好をしてくる生徒がいると、それがいいということで校内に伝染してしまう。ある程度のところで校則を守らせないと、落ち着いた学習環境を補償できなくなる」

学校にとってメリットを挙げてくれたのは北海道の公立高校に勤務するA先生。就職を目指す生徒にとっては、規律を守れることが企業へのアピールにもなるというのです。

(A先生)
「校則を守ることは学校のイメージを守ること。学校のイメージがだめになった瞬間に、地域のどこからも相手にされなくなる。だから子どもたちにしっかり校則を教えないといけない」

説明できない!悩める先生も
うーん。どれももっともな意見。

けれどもこの数年、校則や指導によって精神的・肉体的苦痛を訴える声が徐々に目立つようになり、去年8月には、改善を求める6万人の署名が文部科学省に提出される動きもありました。

生徒や学校生活のための校則なのに、どうしてこんな声が各地であがるんでしょうか?

いわゆるブラック校則の問題が指摘されていることを踏まえて話を聞いてみると、先生自身も違和感や疑問を感じることがあるそうです。



(D先生)
「うちの学校では、男子ツーブロックがだめなのだが、なぜだめか聞かれてもわからない…」

少し戸惑いながらも話してくれたのは生徒たちと年齢が近い20代のD先生。 生徒指導を担当しています。

校則について生徒を納得させられるだけの説明がなかなかできないと本音をのぞかせました。

(D先生)
「髪を結ぶ位置がなぜ耳より上にあげてはいけないのかと女子生徒が言ったことがあるが、基準やだめな理由がよくわからない」

校則の必要性を認めつつも、なくしていくのがいいと考えているそうです。同じ女性のB先生も生徒指導のかたわら、本音では校則に違和感を覚えるといいます。

(B先生)
「スカートの丈はひざ丈の位置と決まっているのに、厳しく指導していない一方で 頭髪には厳しい。不思議だなと思いながらすごしている」

かつて、髪型が校則に違反したと指導した生徒から「なぜだめなのか?」と質問され「校則で決まっているから」としか答えられなかったB先生。生徒の問いに答えられなかった当時の苦しい思いを明かしてくれました。

(B先生)
「生徒は納得しなかったので、つらかった。校則は生徒を守るためのものなのに、その逆をいっていると思う」

言うは易し 行うは難し
座談会は後半に入り、初対面の先生たちも少しずつ打ち解けた雰囲気となり、議論が熱を帯びてきました。



校則の根拠や存在意義をうまく説明できないといった声が相次ぎ、議論は理不尽な校則は見直すべきという流れに…。

(E教頭)
「わからないようなルールは変えたほうがいい」

(C校長)
「現状とかけ離れている校則は考え直したほうがいい」

ただ、実際には“言うは易く行うは難し”。

先生たちの本音とは裏腹に現状では校則を変えることは簡単ではないようです。

C校長は、保護者からのさまざまな要望に応えながら判断を迫られる難しさを教えてくれました。

(C校長)
「校則が厳しすぎるという親と反対にもう少し厳しくやってという親がいる。うまくバランスをとっていかないといけない」

さらに、業務の多様化で先生自身の忙しさが以前と比べて増していると指摘する人も。

(E教頭)
「従来の授業や部活動などに加え近ごろは交通安全や情報教育など、○○教育というものが増えている。生徒との時間が取れなくなってくるので、信頼関係もうまく築けない。だから、校則の見直しもうまく進まないと思う」

さらに子どもたちの教育は家庭と両輪で進めていくものなのに、それがなくなっていることも原因の一つと指摘しました。

(E教頭)
「服装指導は家庭でやっていればいいと思うが、それを全部学校に委ねてくるので、ルールを細かく決めたほうが楽になる。だから、『校則問題』も起きてくる」

みずから声を上げられる力を
先生たちの本音に対し、「必要性を感じているなら変えればいいじゃないか」という声が聞こえてきそうですが、一筋縄ではいかないようです。

議論の最終版、先生たちからは校則を巡る問題に注目が集まる今こそ、教師も立ち止まって 考えるよい機会にしようという意見が上がりました。



(C校長)
「学校のルールを見直す好機なのではないかと思う。実際に、女子生徒の制服にズボンを導入したり、ポロシャツをOKにしたりしてきましたから」

生徒からも声を上げて欲しい、というD先生の話にはみなさんうなずいていました。

(D先生)
「生徒から校則見直しの声があがって、確かにと思ったものには、応援します」

(E教頭)
「ただ『校則が嫌だから変えてくれ』というのは、議論ではないし、無責任。具体例をあげながら、こう変えてほしいと、話を持ってきてほしい」

これまでの取材で紹介したように女子生徒の黒タイツ着用を認めてもらおうと、生徒が声をあげてみずからアンケートをしたり保護者やOBを巻き込んで議論したりした末に校則を変えたという岐阜県の公立高校のケースもあります。

生徒自身が校則をどう変えたいのか、なぜ変えたいのかをよく考えることが大切というE教頭の意見もわかります。

SNSの普及でより意見を広く伝えやすくなっているからこそ、子どもたちには進んで声を上げて欲しいとの激励もありました。



(A先生)
「これは違うとか、もっとよくしていこうと思った時に、声をあげてアクションを起こす力は絶対に必要だと思う。言われた事にただ従うのではなく、行動を起こせるような人材を育てていくのも自分の役目だと思います」



約2時間にわたって白熱した議論が展開された座談会。ご紹介したのはその一部ですが、参加してくれた先生たちは生徒や保護者、社会と向き合って悩みながら校則のあり方を考えていることがわかりました。

あなたの身近な学校で校則に理不尽さや疑問を感じているなら、先生がどのように考えているか率直に聞いてみることが、問題を解決する第一歩となるのではないでしょうか。

校則について、生徒や保護者の皆さん、そして教師の皆さんの、本音のご意見を聞かせてください。下にコメントするか、 ご意見募集ページから お寄せください。

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クロ現+
2020年2月10日

外出ダメ! “4時禁ルール”に賛否 見直しの動きへ

皆さん、“4時禁(よじきん)ルール”って聞いたことありますか?岐阜県内の小中学校の中に、子どもたちが早く下校しても午後4時ごろまで外出しないよう指導しているケースがあり、それが子どもたちや学校関係者の間で“4時禁ルール”と呼ばれているんです。

このルールを巡って賛否両論の議論が起こり、見直しの動きへと発展しました。

“4時禁ルール”とは
“4時禁ルール”は、授業が昼までに終わり子どもたちが下校した際、
▼小学生は午後3時まで
▼中学生は午後4時まで
などと自宅から外出しないよう求めるものです。

毎日適用されているわけではなく、教員が、研修や研究授業などのために元々の授業を昼までに終わらせ児童や生徒を下校させた時で、岐阜県内の公立の小中学校では、多い学校で月に1回程度あるということです。

“4時禁ルール”は、校則などで明文化されているケースは少なく、各学校が口頭で指導しているということです。

しかし、そのルールに違反すると個室で指導したり、反省文を提出させたりする学校もあるということが子どもたちへの取材で分かってきました。 実際に指導を受けたという中学3年の女子生徒は「先生が納得いく内容になるまで 反省文の書き直しをさせられることもある」と話していました。

また、中学2年の男子生徒は「ふだんは部活動で忙しく早く帰れる時くらいは 自由に過ごしたい。先生におかしいと伝えても“ルールは守るべきだ”と言われて それ以上なにも言えない」と話していました。

岐阜県内のすべての教育委員会を取材したところ県内42市町村のうち36の市町村から、「4時禁ルールを指導している学校がある」との回答を得ました。

ルールに賛否の声が
岐阜県内で塾を経営する男性が、子どもたちや保護者に行ったアンケートをとったところ、保護者からは「なぜ4時なのか明確な理由が分からない」とか「早く帰ってきて外に遊びに行ってしまうより、“4時禁ルール“はあった方がいい」などさまざまな意見が寄せられていました。

しかし男性は、議論が十分ではないことが問題だと指摘します。「教師に抗議した生徒もいるが『決まりだから』とか、『ルールを破るつもりなのか』と言われて議論になっていない。  しっかりとした議論や自由な意見を言える場を作ってほしい」などとして、指導の見直しを求め、インターネット上で署名活動を行っています。

専門家は「行き過ぎ」

名古屋大学 内田良准教授

学校の安全管理に詳しい名古屋大学の内田良准教授は、「先生たちが本来責任を負わなくてもいい学校外のことまで責任を負わされている。放課後は本来は自由な時間で学校が管理するのは行き過ぎた行為ではないか」と指摘しています。

なぜ?4時禁?
“4時禁ルール”を指導し続けるのには、学校側にも言い分があるようです。 指導の理由について各教育委員会は、それぞれの学校の判断だとした上で、 「両親が仕事で不在の家庭が多く教員も研修などがありトラブルに対応できない」や 「一部の子どもは研究授業に参加しているので 不公平が生じるため」などと答えています。

そのほか、 「ふだんは授業をしているから」「本来学校にいる時間なので家庭で学習して過ごすべき」などの声もありました。

ルールの見直しへ
廃止の署名活動も始まり、岐阜県教育委員会は2月に入って
・一律に外出を禁止すること
・反省文を書かせるなどの指導
これらをただちに取りやめることを岐阜県内各自治体の教育委員会に伝えていたことが分かりました。



岐阜県教育委員会学校安全課は、NHKの取材に対し「学校での指導が教育目的を達成するための合理的な範囲を超えていないか、子どもや保護者などから広く意見を聞いて議論した上で指導を見直してほしい」と話しています。

皆さんは、このルールについてどうお感じになったでしょうか。

校則について、生徒や保護者の皆さん、そして教師の皆さんの、本音のご意見を聞かせてください。下にコメントするか、 ご意見募集ページから お寄せください。

※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

2020年2月10日

「ブラック校則をなくそう!」寄せられた6万人の署名

2017年、大阪府立高校の女子生徒が「生まれつきの髪が茶色いのに黒く染めるよう強要され不登校になった」として損害賠償を求めた裁判がありました。その裁判がきっかけになって立ち上がったのが「ブラック校則をなくそう!」プロジェクト。髪の毛を強制的に黒く染めさせるなど、一般社会から見て“理不尽”と思える校則を「ブラック校則」と呼んで、その問題に取り組む活動です。

活動を行っている団体には1000件を超える体験談が寄せられていて、大きな動きになっています。
生徒や親からの悲痛な声


団体に寄せられた体験談です。
団体のメンバーで、評論家の荻上チキさんは、「多くの人達がこれは理不尽だと思っていて、なんとかしてほしいと思っていることが読み取れる」と言います。

生徒だけではありません。子どもの様子を心配する保護者からの声もありました。




荻上チキさん

荻上チキさん
「多くの人たちが安心して学校に通えるための校則であったはずが、その校則が多くの人たちにとってストレスフルなもので、そのストレスに耐えられない人たちは、むしろ学校からドロップアウトしていくというような、構図になってしまっていると思うんです。」


厳しい指導が不登校の原因になった人も
校則をめぐる厳しい指導が原因で不登校になったという、山本龍仁郎さん(19歳)。 怒られた時のつらさは、今も忘れられないと言います。

山本さんが不登校になったきっかけは、中学1年生の時。身だしなみについて指導されたことでした。通っていた学校では、毎月、全校集会の場で、髪型や靴紐の色などのチェックが行われていました。山本さんは、わずかに髪の毛が耳にかかっているだけで、教師から何度も叱責されました。

山本龍仁郎さん
「耳に髪の毛が1mmでもかかっていたとしたら、その場に立たされて結構怒鳴られますね。怒られると言うより怒鳴られる。」


時には、壇上に立たされ、他の生徒の前で謝るよう強要されることもあったそうです。 次第に学校に行くのが怖くなり、家に引きこもるようになっていきました。

山本龍仁郎さん
「つらいというか、耐えきれなくて。これが3年間続くんだと思ったら無理やなって。そこで一気に挫折というか。折れちゃいました自分の中の何かが。行く気はあるのに、学校のせいで学校に行けないっていう。なんか複雑な気持ちと葛藤と。なんですかね。悔しかったですね。」


山本さんの通っていた中学校はNHKの取材に対し、「身だしなみの乱れは生活の乱れにも繋がる。生徒を追い込むような指導はなかったはずだ」と答えています。

教育現場の改善を求める署名は6万人あまりに
去年8月、理不尽な校則の問題に取り組む「ブラック校則をなくそう!」プロジェクトが、記者会見を開きました。プロジェクトに賛同する6万人余りの署名を文部科学省に提出。教育現場の改革を訴えました。


教育現場の改善を求める署名

要望書では、精神的・身体的な被害を訴えるほどの指導の把握と早急な対応、黒染め指導の廃止、セクハラにつながる下着などのチェックの廃止、校則違反者に対する過重な指導の廃止などを求めています。

校則について、生徒や保護者の皆さん、そして教師の皆さんの、本音のご意見を聞かせてください。下にコメントするか、 ご意見募集ページから お寄せください。

※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

2020年2月10日

生徒に配慮するための“地毛届” でも実態は…

くせ毛や髪の色などの特徴を学校に届け出る“地毛届”。生まれつきの個性なのに行き過ぎた指導をしてしまわないようにするために導入する学校があります。

しかし、愛知県教育委員会が(1月)、届け出の表現の中に人権に配慮が欠けているものもあるとして、全校に届け出内容の見直しを指導することを決めました。実態はどうなっているのか、取材しました。

(NHK名古屋放送局 藤谷萌絵記者)


4分の1で届け出
まず、どれだけの学校で“地毛届”の届け出を実施しているのか。NHK名古屋放送局は、愛知県に情報公開請求を行い、全日制の県立高校147校の校則を調べました。

その結果、多くの高校で髪の毛を染めたり、パーマをかけたりすることを禁止していて、全体の4分の1にあたる38校で、誤って頭髪の指導をしないようにという理由で くせ毛や髪の色が黒くない生徒に地毛の特徴を書類で届け出る決まりがあることがわかりました。

議論になってきた「頭髪指導」
染髪に関しては「生徒が規律ある生活を送るため」として脱色やパーマを禁止する学校は、これまでも多くありました。しかし、生まれつき髪の色が明るかったり、くせ毛だったりする生徒もいるため、「頭髪指導」のあり方を見直す動きも出ていました。



きっかけは、2017年、大阪で起きた裁判です。府立高校の女子生徒が「生まれつきの髪が茶色いのに黒く染めるよう強要され不登校になった」として損害賠償を求め、多くの学校で校則の見直しの動きが活発になりました。

“黒髪の直毛”は普通?
それでも今も愛知県では、4分の1の学校で頭髪に関する校則がありました。県教育委員会が問題視したのは、その届け出に記載されている表現。いったいどう書いてあったのか、中身を調べてみました。すると「黒色でなく、薄い」や「普通」か「天然パーマ」かを選ばせるなど「黒髪の直毛」を標準とするような文言がある高校がありました。



県教育委員会は外国人など多様なルーツを持つ子どもや、髪の毛にコンプレックスを抱える子どもなどへの配慮が欠ける表現もあるとして(1月)、すべての高校に対し地毛の届け出について、人権に配慮する内容に改めるよう指導することを決めました。 県教育委員会は、「頭髪に関する校則は合理的な範囲で定められていると考えているが 地毛の届け出の内容や運用が人権に配慮したものとなるよう見直しを指導して参ります」とコメントしています。

愛知県は東京に次いで全国で2番目に多い外国人が暮らしています。さまざまなルーツを持った子どもたちも増えるなか、地毛届だけでなく、頭髪をめぐる指導そのものを見直す時期に来ていると感じます。

すでに多くの方から頭髪についてのルールについてコメントを寄せて頂いています。校則の問題について調査をしている団体「ブラック校則をなくそう!プロジェクト」のアンケートによると、6人に1人が高校時代に「黒髪指導」を経験したとの結果が出ています。なぜ、なくならないのか、下にコメントするか、 ご意見募集ページ から お寄せください。

※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

2020年2月10日

126文字が問いかける 「校則ってなに?」

校則をめぐるたくさんのコメントをいただき、各学校や地域でいろいろな考え方や議論が起きていることを感じます。

そもそも校則とか学校のルールとは何なのでしょうか?私たちは校則がないというある都内の高校を訪ねました。そこで出会ったのは「校則ってこういうことだよね」と思わせてくれる126文字の言葉でした。

126文字が問いかける 「校則ってなに?」(NHK NEWS WEB)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200207/k10012277011000.html
「校則を変える・見直す」動きは全国的に広がっていますが、実際に変えられたケースと変えられなかったケースがあるようです。皆さんの中にもそんな経験をされた方はいらっしゃいますか?その時、どのような価値観が焦点になったのでしょうか。ご意見や体験談をお寄せください。

※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

2020年2月7日

生徒や教師、保護者…「三者協議」で校則を考える

「児童生徒の実情、保護者の考え方、地域の状況、社会の常識、時代の進展などを踏まえたものになっているか、絶えず積極的に見直さなければならない」

実はこれ、文部科学省が、“本来の校則のあり方”について記したものです。
具体的にどうやって見直していくのか。模索を始めた学校を取材しました。
生徒、学校、保護者で話し合い
和歌山県立粉河高校では、年に2回、生徒や教師、保護者が集まる「三者協議会」を開いてきました。それぞれの立場で、校則などへの意見を出し合い、全員が納得できるルール作りを目指しています。



私たちが取材をしたこの日、生徒から、体育祭で写真を撮るために携帯電話の使用を許可して欲しいという声があがりました。

これまで携帯電話の校内での使用は、授業の妨げにならないよう原則禁止されており、体育祭でも競技や応援に支障が出る懸念があると使用は認められていませんでした。

教師:「カメラを使いたい理由を教えてもらってもいい?」

生徒:「携帯に(写真を)入れられないから嫌です。先生が撮っても自分たちの携帯に入れられないから、意味がない。」

体育祭の思い出を残すために、使用時間を限定した上で撮影したいと、新たなルールを提案した生徒たち。

しかし、教師や保護者からは、懸念の声があがりました。

保護者:「30分って結構あっという間だし、そこでバシッとみんな回収できるかって、結構難しい面も出てくると思う。」

教師:「そこのルールが守れるかどうか。ここにいる子は ほとんどはウンウンってわかってくれてる子が多いと思うけど、中に『まぁええやん』っていう子がいたら怖い。」

みんなが納得できるルールを生徒が考える
どうすればルールを徹底できるのか。生徒たちにその仕組み作りが委ねられました。体育祭までの1か月。生徒会のメンバーは、連日、話し合いを続けました。



生徒会が考えたのは、体育祭当日、携帯電話を一度預かるというアイデア。撮影する時だけ生徒たちに返却することで、決められた時間以外は使えないようにするというものです。このアイデアは教師たちに認められ、生徒会は全校集会で、ルールを守るよう周知しました。

体育祭当日。撮影できる時間は30分。ルールを破る生徒はいませんでした。

生徒会長: 「何か月もかけてルールを考えて良かったなと思います。頑張ることにはちゃんと意味があって、みんなのことを信用するのも大事だなと思いました。」

生徒会の顧問教師は、学校の押しつけでないルール作りが、生徒の成長にも繋がっていると感じています。

生徒会顧問: 「生徒の要望はある意味リアルなものですし、教員の意見や違う角度からの保護者の意見がいろいろ重なることによって例えば生徒も気づかなかったものの考え方に気づくというのは自分が物事を判断する経験をしていく上で大事なんじゃないかなと思っています。」

校則を変えたくても変えられない学校がある一方で、今回ご紹介した学校のように議論を重ねたことで変えることができたケースもあります。「私たちはこうして校則を変えた」という経験、ありませんか?小さなルールや決まり、習慣でもかまいません。体験談をお寄せください。

※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

2020年1月31日

高校で“トイレに行くと罰則”に込められた意味

みなさんは学校のルールに理不尽さを感じたことはありますか?滋賀県の高校では、授業に集中してもらうという理由で、「トイレに行くと罰則を課す」という生理現象に対するペナルティーが 相次いで明らかになり、問題となりました。

なぜこんなルールが設けられていたのか、現場を取材しました。

(大津放送局記者 松本裕樹 / 大阪放送局記者 大久保彩捺)

“テスト中にトイレ”で1割減点


去年10月、滋賀県の県立高校で定期テスト中にトイレで席を立つと、「点数を1割減点する」という規則を設けていたことが明らかになりました。

試験に集中してもらうことが目的で、通知表の評価には影響しないよう1割の減点にとどめていたということですが、外部からの指摘を受けて、「生徒にトイレの我慢を強いることになり、人権上の配慮を欠いていた」としてこの高校は、ルールを廃止しました。
“欠席扱い”になる学校も
滋賀県内ではその後、彦根市にある私立高校でも同じ問題が明らかになりました。 この高校では校則で、定期テストの開始後25分が経過する前にトイレに行くと、 「欠席扱い」にしていました。

こちらも試験に集中してもらうことが目的で、補修や課題レポートを提出すれば 単位は取得できるという配慮はしていたものの、批判を受けてルールを廃止しました。
同様のルール、ほかの地域では
滋賀県の問題を受けて、大阪府教育庁は、同じようなケースがないか150の府立高校を対象に調査を行いました。

この結果、生徒がトイレなどで退出した場合は教室への入室を認めず、試験を終了させていた学校が4校あることがわかりました。4校では原則、退出する前の解答で採点を行い、体調不良などの理由がある場合は前回の試験の結果などを踏まえた見込みの点数をつけているということです。これについて学校側は、試験中に退出する生徒が続出しないよう、指導の一環として行っているなどと説明しているということです。

また、試験は受けさせるものの、トイレから戻ってきた後の解答については、学期末や年度末の成績を決める際の参考点にすると答えた学校が42校に上りました。一方、残りの104校は、試験を受けさせた上で、ほかの生徒と同様の採点を行っているということです。

また、神戸市では、5つの市立高校が、生徒がトイレなどで教室を退出した時点で 解答を終了したものとみなし、このうち一部の高校では教室に戻らせず、別室で待機させる対応をとっているということです。
行政側は
滋賀県教育委員会などでは、去年10月に各高校に対し、校則などの校内の決まりごとについて、人権への配慮を欠いたものがないか点検するよう文書や口頭で通達を出し、これまでのところ、ほかの高校では問題は見つかっていないということです。

また、大阪府教育庁は、これまで成績の付け方で著しく不利益な扱いを受けた生徒はいないということですが、試験を終了させていた4校については、生徒の意思や体調に配慮した対応を行うよう指導することにしています。


大阪府教育庁高等学校課教務グループ 香月孝治 首席指導主事

大阪府教育庁高等学校課教務グループの香月孝治(かつき・こうじ)首席指導主事は
「学校としては、決してトイレを我慢させようと 思っているわけではない。
 各校が生徒一人ひとりの状況に応じて対応しているので、違いがあるのだと思う」

 と話しています。

そのうえで、
「トイレを我慢しなければならないという思いを生徒が持つようなことがあってはならないので、そうではないということをきちんと生徒に伝えるとともに、ルールの中に盛り込む必要があるかどうか、これを機会に見直しを求めることにしている。少なくともトイレを我慢してまで試験を受け続ける生徒がいないよう指導していきたい」
と話しています。


大阪教育大学 島﨑英夫教授

学校教育に詳しい、大阪教育大学の島﨑英夫(しまざき・ひでお)教授は、
「暗記に偏っているところが多いからこそ、トイレに行ったりすることが問題になるのかもしれない。自分たちの学校に、あるいは、目の前の子どもたちにどんな試験をしたらよいのかをぜひ考え、子どもたちと一緒に変えていけばいいのではないか。この問題をきっかけに、試験のあり方を見直す時期にきているのではないか」
と話しています。
ルールは何のために
そもそも学校の決まりはどうやって決められるものなのか。文部科学省は、「校則」については「児童生徒が健全な学校生活を営み、より良く成長・発達していくため、各学校の責任と判断の下にそれぞれ定められる一定の決まり」と定義しています。校則のように明文化されていない決まりも含め、具体的な中身は各学校に任されています。

ただ、いったん決められると見直されることは少ないようで、トイレのルールを廃止した県立高校では、ルールができた経緯について、教員は誰も把握しておらず、なぜテストに集中させるためにトイレを我慢させなければならないのか疑問を感じながら「なんとなく」運用されてきたということです。
学校側には言い分も


一方、校則の意味を明確に話してくれた高校もあります。「テストでのトイレ」についてのルールを廃止した私立高校です。この高校では、実は「授業中のトイレ」については、 同じルールを継続しています。理由は「学級崩壊」を防ぐため。授業に集中できず途中で外に出て行ってしまう生徒が、少なからずいることから、少しでも集中する癖をつけてもらおうと、最低限50分の授業の半分は教室にいてほしいと25分の区切りを設けているということです。

大学受験を考えていない生徒にとって国語や数学などの通常の授業は、苦痛を感じるという意見もあるといいます。

高校では、調理師や保育士などの仕事に直結する体験型の授業も取り入れていて、こうした授業だと生徒は50分間真剣に聞きます。生徒と向き合いながら試行錯誤を続けているといいます。

「卒業後、社会に出れば、集団行動や集中するといった当たり前のルールが前提となる。そのときに困らないよう、あえて校則で縛ることで社会性を身につけてもらいたい」(私立校長)
学校の決まり 絶えず見直しを
私自身、水泳に明け暮れていた中学生のころ、プールの塩素で色素が抜けてしまい茶色くなった髪を、黒く染めるよう指導を受け、理不尽に感じた経験があります。

取材を通して、学校でのさまざまな決まりは何のためにあるのか、学校の実情に合わせて絶えず見直されていくことが大事だと感じました。


「こんな校則うちだけ?」「そもそもなんのために?」「なぜ変えられない?」 あなたは校則について疑問に感じたことはありませんか? このページでは「校則」について、様々な学校の取り組みや専門家のインタビューなどを掲載していく予定です。生徒や保護者の皆さん、そして教師の皆さんの、本音のご意見を聞かせてください。

※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。

2020年1月17日

黒タイツがダメ!? 校則とたたかった高校生たち

「黒いタイツを認めて欲しい」「ベージュはいいけど、黒はダメ」。岐阜県のある高校の校則を巡って、この冬、学校と生徒たちの間で論争が起きました。学校があるのは、冬の気温は氷点下になる山あいの町。なぜ、校則で色まで指定されているのか?生徒たちは、ベージュの何がイヤなの?そして、黒タイツは認められたのか…。校則を巡るたたかいの記録です。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191212/k10012210831000.html

「こんな校則うちだけ?」「そもそもなんのために?」「なぜ変えられない?」 あなたは校則について疑問に感じたことはありませんか? このページでは「校則」について、様々な学校の取り組みや専門家のインタビューなどを掲載していく予定です。生徒や保護者の皆さん、そして教師の皆さんの、本音のご意見を聞かせてください。

※コメントは編集部で内容を確認の上、掲載させていただきます。