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放送博物館 2016年09月30日 (金)

#46 企画展「NHKアナウンサーヒストリー~ことばへの飽くなき挑戦~」へどうぞ!

放送博物館 和田源二

「JOAK、JOAK、こちらは東京放送局であります。」1925(大正14)年3月22日、東京・芝浦の仮放送所から京田武男アナウンサーの第一声が発せられてから91年。アナウンサーは放送の伝え手として常に最前線に立ってきました。NHK放送博物館では6月14日(火)から、NHKアナウンサーの歴史をたどる企画展NHKアナウンサーヒストリー~ことばへの飽くなき挑戦~」を開催しています。

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展示は、アナウンサーが全く新しい職業だった黎明期の試行錯誤の跡に始まり、「名アナウンサーの時代」と呼ばれるラジオ興隆期、テレビ初期のアナウンサーのテレビアナウンス研究、多様化する番組で活躍したアナウンサー群、アナウンスを時代の要請に応えるものとするため仕事のあり方を見直してきた跡と、それぞれの時代を追いながら映像・文献資料・アナウンサーゆかりの品などで構成しています。また、会場中央には1964年東京オリンピックの実況録音集、聖火入場のテレビ・ラジオの実況コメントの比較など、「ことば」を生業とするアナウンサーが何をどんなことばで伝えてきたのかに的を絞っています。

ラジオ時代の展示で最もボリューム感のあるのは、不世出の名アナウンサーと呼ばれた和田信賢関連の展示です。ヘルシンキ・オリンピック実況で現地に入りパリで客死した和田から届いた最後の手紙、太平洋戦争中、千島列島北部の日本軍最前線基地の様子をリポートした際の和田の日記などです。和田の死後NHKは「和田賞」を制定し、放送番組の向上に功績のあった職員や出演者を毎年表彰していました。1954年の第2回で授賞したのが1942年同期入局で、のちに紅白歌合戦の司会などで活躍した高橋圭三と宮田輝の2人です。実はこの企画展が始まった後で、この時高橋圭三に贈られた記念の盾が、高橋が設立し今も放送界に人材を送り続けている圭三プロダクションの事務所で見つかり、寄贈を受けることが出来ました。授賞した2人が盾を持ち並んで撮影した貴重な写真も寄贈して下さいました。

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このほか、鈴木健二・後藤美代子・山川静夫・加賀美幸子・山根基世といったアナウンサーが、テレビ時代の多様な番組において新しい表現に挑み放送の発展に寄与してきた歩みを、映像やゆかりの品で振り返っています。また、時代に応じ仕事のあり方を見直してきたアナウンス室の取り組み、ことばによる表現を磨くための日頃の研鑽の様子もご紹介しています。

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来館されたお客様からは、「この展示を見たかったから放送博物館に来た」「展示内容がバラエティーに富んでいて見応えがある」「時間がなく全てを見られなかったのでもう一度来る」「アナウンサーの歴史はNHKの歴史そのものだということが良くわかった」など、スタッフにお褒めのことばを寄せて下さいました。
このようにご好評を頂いたため、当初9月までの開催予定を12月まで延長することに致しました。 企画展「NHKアナウンサーヒストリー~ことばへの飽くなき挑戦~」は、12月18日(日)まで引き続き開催致します。是非お立ち寄り下さい。

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NHK放送博物館

休館日 :月曜日(月曜日が祝日・振替休日の場合は火曜日休館)、年末年始
入場料 :無料
開館時間:午前9時30分~午後4時30分
所在地 :〒105-0002 東京都港区愛宕2-1-1  
TEL  : 03-5400-6900

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