文研ブログ

調査あれこれ 2019年05月24日 (金)

#188 日本人で宗教を信仰している人は何%? 増えてるの減ってるの?

世論調査部(社会調査)小林利行


「ふだん信仰している宗教がありますか」
みなさんがこんな質問をされたらどう答えますか?

NHKが去年10月から11月にかけて行った「宗教」に関する世論調査(全国の18歳以上対象)の結果によると、「仏教」と答えた人が31%、「神道」が3%などと、何らかの宗教を信仰していると答えた人は合わせて36%になりました。

この調査は2008年にも実施しているのですが、何らかの宗教を信仰していると答えた人の割合は、この10年でほとんど変化していません。

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宗教に関する意識や行動は、10年ぐらいではあまり変わらないのかなと思って他の質問をみてみると、むしろこの結果が例外で、他の多くの数字は増加したり減少したりしているのです。

例えば、信仰心があるかどうかを尋ねた質問では、信仰心が「ある」という人が2008年は33%でしたが、去年は26%に減っています。

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では、仏教や神道など、何らかの宗教を信仰している人に限ってみるとどうなるでしょうか。
(①のグラフで、緑や赤などのカラフルな部分の人を100%として考えるということです)

「何らかの宗教を信仰している」と答えた人の中で、信仰心「あり」と答えた人は2008年は65%でした。しかし、去年は53%に減っているのです。

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つまり、「何らかの宗教を信仰している」と答えた人の中でも、信仰心を持つ人が少なくなっていて、最近では約半数になっているということです。

私は宗教学の専門家ではないので詳しく解説できないのですが、日本人にとって宗教を信仰するということは何を意味するのかということを考えさせられる結果ではないでしょうか。

実は、この調査は20年前にも行っていて、多くの質問で過去20年間(3回分)の比較が可能です。
ここで紹介した以外にも、「へえ~」と思える結果がたくさんあります。

例えば、「人に知られなくても悪いことをすれば必ずむくいがあると思うか」という質問があります。
20年前には74%の人が「そう思う」と答えていましたが、去年は何%だったと思いますか?
多くなったのか少なくなったのか? その変化はどの程度なのか?

気になる方は『放送研究と調査』4月号をご覧ください。

※ブログ内では、選択肢をある程度まとめて示しているグラフもあります。