文研ブログ

おススメの1本 2019年05月23日 (木)

#187 "モンスター"を止めるのは誰だ!?

メディア研究部(メディア動向)大髙 崇


“モンスター”井上尚弥の試合、見ました?
ボクシング世界戦、ボッコボコに殴り倒して2ラウンドKO勝ち。強すぎ!
試合前は「最強の対戦相手!」とのふれこみでしたが、「あれ? 相手の選手、弱くね?」と思ってしまうほどの完勝でした。
井上選手、強くて、男前で、礼儀正しくて……、


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という思いとともに……、心の中は、正直……、

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……の日曜でありました。

そんなことはどうでもいいとして(^^;)
試合終わってさっそく、やっぱり、動画がたくさんインターネットにアップされてます。
いわゆる違法アップロードですね。
放送局など「権利者」の側からすると、相当な予算を投じて制作・放送した番組が、次々と無断でアップロードされてしまう状態は、当然放置できません。
そのため、放送局では常々、違法アップロードの番組動画を見つけては、サイトの運営者などに「削除要請」をしています。
私もかつて、この業務の担当でしたが、なにせ相手はインターネットの大海原。自局の番組をすべて探し出すのはとても無理! 大量の動画を見続けて、目がカッサカサになるのがわかります。それでも、ざっくりですが、1日で百件以上の違法動画を見つけることもしばしばありました。
ですが、このあとが、けっこう手間暇がかかるんです。
そのサイトの運営者に対し、削除してほしい動画のアドレスを一つずつコピペして(つまりコピペ百回!)、削除を依頼するメッセージを送ります。削除要請対応のフォーマットがしっかりしているサイトならある程度は楽なのですが、「ここ、メッセージ送って大丈夫なの?」とヒヤヒヤしてしまうサイトも、もちろんたくさんあります。。。

で、削除要請の仕事が終わった頃には、いつもこう。

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まさに、
モンスターにボッコボコにされた気分。

……今年の国会でも海賊版サイト対策の法案提出が見送りになりました。なかなかいいパンチが当たらないこのモンスター、KOされる日は来るのでしょうか。

私も一員の文研・メディア動向グループでは、海賊版サイト問題など、メディアと著作権に関する動向や研究論文を逐次発表しています。以下のリンクよりぜひご覧ください!

◎海賊版サイトや違法ダウンロード関連の記事
「放送研究と調査」2018年9月号
『調査研究ノート 海賊版サイトは"ブロッキングすべき"か』
「放送研究と調査」2019年4月号
(メディア・フォーカス)違法ダウンロード「全著作物に拡大」,文化審議会が報告書』

◎メディアと著作権関連の記事
「放送研究と調査」2018年8月号
『“著作権70年時代”と放送アーカイブ活用(前編)~深刻化する「権利者不明問題」~』
「放送研究と調査」2018年9月号
『“著作権70年時代”と放送アーカイブ活用(後編)~大量著作物利用への道」~』
 「放送研究と調査」2019年4月号
(メディア・フォーカス)ベストセラー『君たちはどう生きるか』,ドラマ化で著者遺族が出版社に抗議』