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メディアの動き 2024年02月14日 (水)

【メディアの動き】横浜で日韓女性記者交流会,メディアのジェンダー課題を議論

 日本と韓国のメディアで働く女性記者の交流会が1月20日,日本新聞博物館(横浜市)で開かれた。あわせて約50人が参加し,メディアのジェンダー課題について議論が交わされた。

 交流会は,「韓国女性記者協会」が2023年10月,日本の報道機関で働く女性記者をソウルに招いたことがきっかけで実現した。同協会は1961年,女性記者クラブとして発足。現在は韓国メディア33社に在籍する約1,600人の会員から成り,リーダー養成の研修を行うほか,各社の管理職や役員の女性比率を公表し,報道機関で働く女性の地位向上をめざしている。

 交流会ではキム・ギョンヒ会長(韓国SBS)が活動内容を報告すると,日本側の参加者からは運営資金や入会基準について質問が相次いだ。日本では女性記者の公式なネットワークはないため,「作ってみてはどうか」という意見もあがった。また韓国側からは「日本ではジェンダー関連の報道をどのように発信しているのか」と質問が寄せられ,女性がリーダーシップをとることやキャンペーンなどで継続的に報道していくことの意義について現状が報告された。

 同協会の訪日は今回が初。交流会のほか,朝日新聞東京本社を視察し,女性管理職登用に向けた独自のプログラムについて説明を受けた。

 日韓女性記者交流会を主催した神奈川新聞の秋山理砂統合編集局長は,「メディアのジェンダー平等を考えるうえで日韓の課題は似ていて,ともに学び合うことは意味がある。この交流会が,日韓メディアのジェンダー平等の取り組みを前進させていくきっかけになるとうれしい」と話している。