浜松浜北区 遠州綿紬プロデュース大高旭さん「浜松の自慢って言ってもらえるように」
- 2023年12月04日
番組やニュースで地域のディープな魅力を掘り下げる「だもんで」シリーズ。今度は浜松市にお邪魔します。訪ねたディープスポットの1つが、浜松市浜北区にある“遠州綿紬”のお店。江戸時代から繊維産業が盛んだった浜松市。織機の開発がいまの自動車や楽器などの産業豊かな街となった原点になっているそう。そのひとつでカラフルで温かみのある生地“遠州綿紬”を広めようとしている大高旭さんは、「遠州綿紬が浜松の自慢って言ってもらえるようにしたい」と話しました。
番組はNHKプラスでもご覧いただけます
「だもんでシリーズ」は、12月8日午後7時半~「たっぷり静岡+」で浜松市天竜区を深掘りします。年に一度、山あいのまちが燃え上がる「綱引き合戦」などをドキュメント。果たして勝負の行方は・・・!?
番組は放送後、NHKプラスで2週間まで見逃し配信をしています!(配信は12月22日(金)7:55 までです)
ものづくりのアナログ感に感動
どうして遠州綿紬のお店を?
24歳の時に生地の問屋をしていた父が体調崩して名古屋から戻ってきました。当時、会社は、中国から仕入れた布製品を売っていましたが、そこには魅力を感じられなかったんです。そのなかで、細々とやっていた事業だった遠州綿紬を見たときに懐かしく感じたし、こんな生地が残っているんだって、珍しくも新しくも感じました。興味が湧いて作っているところをみさせてもらったら、かっこいい!って鳥肌が立ちました。職人さんが織機を使って生地を作る、ものづくりの現場のアナログ感に「こんなものが残っていたんだ」って感動しました。それから、浜松が産地なのに地元の人もこういう生地が浜松で織られているって知らないことにギャップがあって、知ってほしいなと思うようになりました。生地だけだとなかなか多くの人によさを伝えられないので手にとりやすいスリッパやバックなどの製品を作り、お店を始めたんです。
昔から続いてきた“ぬくもり”の虜に
遠州綿紬の魅力って?
あるだけで存在感があるし、生地の存在が美しいと20代の時に思ったし、なにより職人さんのものづくりにしびれました。もし仮にいま若手のデザイナーが生み出したとして同じようには感じないと思います。昔から続いてきたからこそのぬくもりがあって、織機も使って1日に生産できるメーター数も少ないし、織機の音や空気も含めて織りあがった存在に僕は虜になってしまった。当時、「残そうよ」って旗屋さんに泣きながら、言っていました。旗屋さんは「何言ってるの」って感じだったし、いろんな人に「今さら?」ってよく言われました。だけど、歴史や文化を学んでいくうちにやっぱり魅力や可能性に感じて、これを多くの人に伝えたいなと思ったし、いまももっと広めていきたいと思っています。
残していける環境整えたい
これからの目標は?
みんなが遠州綿紬って浜松の自慢だよねって言ってもらえるようにしたい、けどそこにいくまでまだまだやることはあるのかなと思っています。旗屋さんは祖父の代は1000何百軒あって、2000年ごろは50軒、いまは数軒。高齢化などで業界全体が縮小しています。どう残していくかってなったときに作る方の仕事の確保、若手への後継、環境の整備をすごく意識するようになってきました。職人さんたちと話しながら廃業した旗屋さんの織機を集めてひとつの工場をつくるなど環境を整えていきたいと考えています。お店もファクトリーショップみたいに生地を作っているところが見えて、職人さんたちも作っているのが誇りに思える職場環境にしていきたいです。そしてここで働きたいって人が自然に出てきて、遠州綿紬を使ったものが自然発生的にできる環境をつくっていきたいです。自分たちの身近にある工芸をなんとかよくしていきたいです。
浜松が好き
浜松のどこが好き?
大きな田舎みたいなところが好きです。田舎すぎず、都会すぎず、ちょうどいいサイズ感。人があたたくて歴史や文化がそういうのを大事にする考え方がある街だから好きです。
シリーズ「だもんで、浜松市。」
テレビとWEBで浜松市の魅力をたっぷりとお伝えします。
ニュース番組「たっぷり静岡」
12月5日(火)~8日(金)
▽生きがいはプロレスのマスク!
▽巨大防潮堤を生かした津波避難訓練
▽伝統工芸を未来に!たくみの技術を学生へ
▽兼業・副業OK!自分らしい人生へ
▽目指せ世界一!ピーナツバター
▽文化などのルーツを大切に!ポルトガル語教室 など
地域番組「たっぷり静岡+ だもんで、浜松市天竜区。」
12月8日(金)(午後7時半~)
ラムネにガムにあめ、昔懐かしいお菓子が棚いっぱいに並ぶ山あいの街の駄菓子屋さん。そこに集まる子どもたちに密着し、いまどきのリアルな会話や遊びをご紹介します。
森林面積が9割という天竜区は、かつては9万人が暮らしていたほど林業が盛んでした。今も毎朝鉄を打つ鍛冶屋さん、山で採れたこんにゃくを練る女性たち、昔も今も、森とともに生きる人たちの暮らしを、「音」を通してお伝えします。
年に一度、山あいのまちが燃え上がる「綱引き合戦」。隣り合う長野県の地区と、「領土」をかけて戦います。外から働きに来ている若者の力も借りながら、地区の人たちが一丸となって取り組む様子をドキュメントします。果たして勝負の行方は・・・!?
5つの地区からなる浜松市天竜区、その全ての地区をたっぷり紹介します。
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