静岡浜松副業で教師やカメラマン! 人生もっと生き生き多様な可能性広がる

ＮＨＫ静岡　シリーズ「だもんで、浜松市。」

2023年12月07日

“ダモンデおばさん”と一緒に地域のディープな魅力をお伝えする「だもんで」シリーズ。静岡県浜松市を掘り下げます。今回のテーマは「副業」！その生き方は、自分の生きがいupだけではなく、社会の課題も解決するかも！新しい働き方とその波及効果を取材しました！※動画は文末にあります。

趣味が副業に

こんにちは！何をしているの？

カメラマンとして写真を撮っています！

天気も良くて気持ちいいわねー！

こちら、松井一貴さん。趣味で自分の子どもの写真を撮っていたら、どんどんカメラの世界に引き込まれたそうよ。

身の回りの人だけじゃなくて、いろんな人に僕の写真で喜んでもらいたいなという思いが増えていって、それで副業になっていきました

そう、実は松井さん、カメラマンは副業なんです。主に週末に依頼を受けているのよね。
平日は、別の顔！

本業は市内の自動車部品メーカーで、製品を作る設備の電気の設計などを行っているんですって。カメラとは全く違う仕事よね。ビックリしちゃった！
同僚は松井さんの副業をどう思っているのかしら。

**「趣味を仕事に変えることができているし、それを両立もできているところがいいかなと思っています」**

松井さんは、自分が作ったプログラムが思っていた通り動いた時に、とってもやりがいを感じるんですって！副業を始めてからは、さらに自分らしく生き生きと生活できるようになったそうよ。

本業も、好きなパソコンを使った仕事ということで、自分らしく仕事できているのかなと思いますし、カメラの方も、カメラ自体も好きですし、喜んでくれる方がいるということは、とてもうれしいことですので、どちらも自分にとって大事な、自分らしく働くことにつながるものだと思います

ほんと、カメラマンの時も、職場でも、生き生きとしてるって感じだわ

去年4月に副業OKに　企業の狙いは？

松井さんが勤める自動車部品メーカーでは、2022年4月から「働き方改革」の一環として副業や兼業を認めたそうです。

人事部長さん、働き方改革って、働く時間を短くすることがメインになっていると思うけど、なんで副業が働き方改革につながるのですか？

世の中が大きく変化していく中で、働き方をとにかく柔軟にしたい、多様にしたい、というのが一番最初の大きな目的です。一人一人が、”やりがい”だとか、”働きがい”っていうのを感じるのは、働く時間が多いか少ないかだけではなくて、自分がやってみたいということに挑戦できることっていうのも多分必要なんじゃないかと。いろんなものに挑戦してもらって、それが結果的に会社にも反映されてくればいいなと考えてます。

副業は全く別の顔？

この制度を使って副業している社員は10人なんですって。松井さん以外にもう1人、お話を伺ってみましょう！

市川香織さん！「ソーシャルリレーションズグループ」っていう部署で会社の取り組みを外の人に発信したり逆に社外での取り組みを社内にフィードバックしたり。本業も忙しそうだけれど、、、どんな副業を？

キーンコーンカーンコーン

市川さんの副業は、なんと、高校の先生！。週に2回、木曜日と金曜日の午前中に、世界史を教えているそうよ。
もともと大学卒業後は、教師をしていたんだけど、子どもたちに指導を重ねるうちに『自分も社会を知らないと！』と思って、思い切って民間企業に転職。ただ、教師として子どもたちの成長を見守りたいという思いはずっと消えなくて、市川さんの母校でもある、この高校に相談して、副業として教師に戻ったんですって。もう、驚き！

ねぇねぇ、市川先生って、どんな先生？

**「授業が本当に楽しくて。全然時間が感じられないんですよ。本当にあっという間に終わってしまいます」**

「先生って1つの授業をやるのに、準備の時間がめっちゃほしいと思うんですけど、ほかの所で働きながら、授業の準備とかもやっていて、時間の使い方がすごいなと思います」

民間企業で働きながら教師としての授業の準備もあるなんて、フル回転じゃない？！大丈夫？

教室の中で子どもたちと関わるというところが、自身の会社に戻ってのチーム運営ですとか、メンバーに接する接し方ですとか、そういったところにも生かせているかなと思います。大変さは当然あります。ですが、私自身が決めたことでやるしかないと思ってます

2つの仕事を持つとなると責任も増えて、大変よね。2人が勤める会社では、副業の労働時間もきちんと報告してもらって、働き過ぎにならないように総労働時間を管理しているそうよ！大切よね。

市川さんの同僚は、本業と副業（教師）の働き方をどう思っているのかしら？

「今まで副業してる方って出会ったことがないので。どういう風に働いているか、間近で見られるのはすごくうれしいですし、自分自身が今後キャリアを積んでいく上で、1つ選択肢が、頭の中でできたなって、すごくいいきっかけになってると思っています」

「何か目標に向かっていく姿とかを見るにあたって、自分だったら何ができるのかなとか、何がやってみたいかなという考えるきっかけをもらえているなと思います」

市川さんが働く学校にとっても新しい効果が期待されているみたいよ！校長先生に聞いてみました！

広く外で活躍をする立場で、さまざまな視点から生徒にたくさんの価値観とか、多様性の在り方っていうのを教えていただけるとありがたいかなと強く思っています。もう1つは学校として、これから教員不足がどんどん深刻になっていくと思われる中で、さまざまなキャリアを持った方々に、授業を受け持っていただくということは、とてもありがたいことかなと思っているところです。（オイスカ浜松国際高校　鬼石貞治校長）

なるほど。教員不足の1つの解決策になるかも。いろんな働き方が、社会問題の解決にもつながっていくのね！

市川さん、復業して、何か良いことありましたか？

両方いくつか複数の仕事を持つっていうのは、それぞれの仕事に生かせることや良い点が多いんじゃないかなって感じてます。違う仕事を違う時間にしていると、自分自身が持っているもう片方の仕事の大切さとか、そのやりがいっていうものが見えてくるんですね。それぞれの仕事の楽しさは、より見いだせるようになったかなって思っています。