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静岡浜松 小さな車に大きな愛 集落支える“便利屋 猿ちゃん”

NHK静岡 シリーズ「だもんで、浜松市。」
  • 2023年12月05日

 「ごめんください、猿ちゃんです。」
浜松市春野地区の玄関先に響く声。
声の主は、頼まれたものを市場や店で仕入れて一軒一軒届ける“便利屋 猿ちゃん”です。

NHKプラスでもご覧いただけます

番組は放送後、NHKプラスで2週間まで見逃し配信をしています!(配信は12月22日(金)7:55 までです)

画像をクリックすると見逃し配信が見られます(12月22日(金) 午後7:55 まで)

買い物困難者が多い春野地区

(画像提供:天竜区観光協会)

山深い地に集落が分散する春野地区。
かつて林業で栄えたこの地域、80歳を超えたお年寄りが多く住んでいますが、車の運転が難しいため買い物が難しい人も多いのです。

春野地区専門の便利屋

 そんな人々に食べ物や日用品を届けているのが、“便利屋 猿ちゃん”こと、猿田光里(みつさと)さん(78)。
週6日100軒の家々を回り、毎夕、翌日に訪ねるお宅に電話をかけて必要な品物を聞き取っています。
 

仕入れをする日には朝4時半に浜松市中区の自宅を出発、
市場で仕入れをしてから1時間以上かけて春野地区まで車でやってきます。

  

猿田さんが届ける品物は春野地区の人々の暮らしを支えています。

猿田さんが届けるモノ

猿田さんの相棒は小さな車。入り組んだ山道に必須です。

小さな車に品物をぎっしり詰め、狭い山道をスイスイと進む猿田さん。
届けているのは物だけではありません。

“店頭”での会話もみんなの楽しみ

「近々、この町で祭りがあってね。でも屋台を引く子どもが一人もおらんのよ。」
「それは寂しいね。」

 買い物のときになにげなく交わされる会話。一人暮らしのお年寄りも多い春野地区では、週に1回、訪ねて来てくれる猿田さんとの会話を心待ちにしている人も多くいます。
この会話は見守り活動にもなっており、これまで家で倒れていたお年寄りを7回救護しました。

便利屋を始めたきっかけ

 春野地区にとって欠かせない存在となっている猿田さん。地区と深く関わるようになったのは28年前、50歳のときでした。浜松の自動車部品会社で営業マンとして働いていた猿田さんは休みの日に渓流釣りに訪れていた春野に2軒目の家を購入しました。
家族が住む浜松と春野の家を行き来する2拠点生活を始めたとき、目にした光景に衝撃を受けたといいます。
それは小さな身体に大きなリュックサックを背負って、買い出しに出かけるお年寄りたちの姿でした。
「 地元の人に聞いたら車を持っている人はいいが、ない人はこうやって歩いて買い物に行くんだよって。リュックで1週間分を買ってまた家まで歩いて戻ってくるんだよっていうのを聞いたもんですから。浜松の街では見たことのない光景でびっくりした。」

青い帽子が猿ちゃんのトレードマーク

 そこで、定年を迎えた60歳の年に始めたのが
“便利屋 猿ちゃん”でした。
「自分でできる範囲はしれているけれども、ささいなことだけどちょっと困ってるから届けてほしいとか、ちょっとこれ持ってきてほしいとか、あるいはこういうものを買ってきてほしいというのがね。 その少しでも手助けになればと思って。」

“便利屋猿ちゃん”を続ける理由

  地区の隅々までくまなく回る猿田さんの移動販売は、燃料費がかかるために儲けはほとんどないといいます。そして週6日、浜松の自宅から通うことも決してたやすいことではありません。
 

 それでもなぜ続けるのか、取材の最後に尋ねました。
「やっぱり『よく来てくれたね。ありがとうね。』っていうその言葉ですよね。 結局そこに尽きちゃうね。
 ありがとうねっていう感謝のことばを言われるとやっぱりやってよかったなと。
なんでできるのかってよく聞かれるのだけど、自分でできる形でみんなのためになるんだったら続けていきたいなと思って。難しい事はあまり考えずにやってるのですけどね。」

 猿ちゃんが登場する番組の予告はこちらから!

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