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浜松中区 ポルトガル語教室 “Sementinha"(小さな種)子どもたちに誇りを!

NHK静岡 シリーズ「だもんで、浜松市。」 
  • 2023年12月07日

NHK静岡放送局の番組キャラクター、ダモンデおばさんとお伝えするシリーズ「だもんで、浜松市。」浜松市には、多くのブラジル人が住んでいて、日本で育つ子どもたちも少なくありません。そんな子どもたちに母国、ブラジルへの誇りを持ってもらおうとちょっと変わったポルトガル語の授業が行われています。どんな授業なんでしょうか。

文化を忘れないよう

授業が行われているのは、浜松市の浜松学院大学。教室を立ち上げた1人、日系3世の柳澤クリスティーナさんです。ふだんは中学校などで教員をしています。

柳澤さんは、ボランティアで日本で暮らす子どもたちにポルトガル語を教えています。参加するのは未就学児から小学生まで。ブラジルの文化を忘れないよういろんな工夫をしているそうです。

願いは小さな種を咲かせること

教室の名前は「セメンチーニャ」。ポルトガル語で「小さな種」という意味です。

部屋の飾りにも種や花があしらわれ、どんな環境でも強く育ち、いろんな花を咲かせてほしい
という願いを込めているといいます。

(柳澤さん)
「自分たちの文化、ブラジルの文化を子どもたちに伝えたいという保護者の気持ちを見ると、やっぱりなんとかしなければいけないと思いました」

ブラジルのリズムで

日本でも有名な童話「おおきなかぶ」の歌を歌い始めた柳澤さん。

子どもたちそれぞれに役を割り振り、みんなで参加。歌を通じて子どもたちにポルトガル語の語感やリズムを母国と同じように感じて欲しいと考えています。

子どもたちで「おおきなかぶ」を引っ張ります

この教室は柳澤さんが呼びかけて保護者たちと5年前に設立。

ポルトガル語を話す親たちと日本語を話すことが多い子どもたちの間で、コミュニケーションが難しくなっていると感じたことがきっかけだったといいます。

(柳澤さん)
「私ずっと教育の現場で活動しているんですけど、その時に親とのコミュニケーションの問題を抱えている子供を見てきました。なので、ポルトガル語を親から受け継ぐ継承語として残し、親子の関係を維持してもらいたい」

母国に誇りを

母国に誇りを持ってもらいたいと、ある取り組みが行われています。 

子どもたちは日本社会でマイノリティーと感じていることから、ポルトガル語を学ぶ日本の大学生を招集。ポルトガル語は日本でも受け入れられていると知って欲しいそうです。国籍にとらわれず自然と触れあいます。

日本語だけでなくポルトガル語も使える、いわゆる「二刀流」に誇りをもって生きてもらいたいと考えています。

(柳澤さん)
「学生たちがポルトガル語を学んでいることを話してくれると、子どもたちは『日本人にもポルトガル語を話したいという気持ちがあるんだ。ポルトガル語・日本語の両方でやっていけるんだ』という自信に繋がって欲しい」

楽しそうな子どもたち、きょうの授業はどうだった?

(参加した子どもの保護者)
「私の娘は保育園に入っていますが、そこでは日本の文化が取り入れられていてブラジルの文化に触れることはありません。この教室に参加することで、ブラジル文化に触れることができます」

日本で暮らし続ける子どもたち。柳澤さんは困難に立ち向かうためにも、みずからのアイデンティティーをしっかり持って欲しいと考えています。

(柳澤さん)
「国籍ブラジルとか日本とかっていうことにはとらわれずに、2つの自分が大切なものだよということと、自分は両方話せてすばらしいと伝えたい。子供たちには自分のアイデンティティーを隠さないよう伝えていくことが一番大切ですね」

アイデンティティーをしっかり見つめるって大事ですね。自分らしさを大切にみんな頑張ってください!!

ニュース番組「たっぷり静岡」
12月5日(火)~8日(金)
▽生きがいはプロレスのマスク!
▽巨大防潮堤を生かした津波避難訓練
▽伝統工芸を未来に!たくみの技術を学生へ
▽兼業・副業OK!自分らしい人生へ
▽目指せ世界一!ピーナツバター
▽文化などのルーツを大切に!ポルトガル語教室 など

地域番組「たっぷり静岡+ だもんで、浜松市天竜区。」
12月8日(金)(午後7時半~)

ラムネにガムにあめ、昔懐かしいお菓子が棚いっぱいに並ぶ山あいの街の駄菓子屋さん。そこに集まる子どもたちに密着し、いまどきのリアルな会話や遊びをご紹介します。
森林面積が9割という天竜区は、かつては9万人が暮らしていたほど林業が盛んでした。今も毎朝鉄を打つ鍛冶屋さん、山で採れたこんにゃくを練る女性たち、昔も今も、森とともに生きる人たちの暮らしを、「音」を通してお伝えします。
年に一度、山あいのまちが燃え上がる「綱引き合戦」。隣り合う長野県の地区と、「領土」をかけて戦います。外から働きに来ている若者の力も借りながら、地区の人たちが一丸となって取り組む様子をドキュメントします。果たして勝負の行方は・・・!?
5つの地区からなる浜松市天竜区、その全ての地区をたっぷり紹介します。

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  • 木村友

    静岡局 記者

    木村友

    2021年入局
    2023年から浜松支局

    大学時代はブラジルに留学

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