『らんまん』万太郎が寿恵子の名を刻んだ スエコザサとは?
- 2023年09月29日
連続テレビ小説『らんまん』最終週タイトルは「スエコザサ」。最終回の物語を締めくくるのにふさわしい植物だと感じましたが、どんな植物なのかご紹介します!
※ドラマのネタバレを含みますので、ぜひドラマを見てから、こちらの記事をご覧ください。
(高知放送局 広報担当・菅菜々美)
このスエコザサについて、高知県立牧野植物園に話を聞きました。
スエコザサ とは?
高さが1~2mになるイネ科の多年草で、葉の表面に白い毛が生え、縁が裏側に巻き込むのが特徴です。
1927年、牧野富太郎博士が65歳のときに仙台市で発見し、研究生活を支えてくれた妻・壽衞(すえ)への感謝を込めて、学名“Sasa suwekoana” 和名スエコザサと命名しました。
闘病中だった壽衞は、発表を前に54歳で死去しましたが、博士が妻にささげたうたがあります。
「家守りし妻の恵やわが学び 世の中のあらん限りやスエコ笹」
『らんまん』の中では?
『らんまん』最終週。
渋谷にあった寿恵子(浜辺美波)の店は高値で売れ、その資金をつぎ込んで、練馬に広大な土地を手に入れます。そこに大きな屋敷を構えた槙野家。しかし寿恵子は具合を悪くしていました。万太郎(神木隆之介)は看病をしながら、「日本全国の草花を載せた図鑑を完成させる」という寿恵子との約束を何としても果たすため、日々研究に取り組みます。
そんな中、北海道での記念式典で講演の帰り、仙台に立ち寄った万太郎は、小さなササの群生を見つけます。
「のう。初めまして」
このササを新種のササを図鑑に加えるため、万太郎は植物画を描きます。
「面白いササじゃ。葉の縁が巻いちゅうき、葉が波打って。おかげで光によう映える。葉の表面には白い毛が生えちゅうけんど、その細い毛が光に透けてきれいじゃった」
そして、3206種を載せた図鑑『槙野日本植物図鑑』がついに完成。万太郎は寿恵子に、ページをめくって見せます。最後のページを飾ったのは「スエコザサ」。最後に加えた新種のササに、寿恵子の名を刻みました。
寿恵子に今までの感謝の気持ちを伝え、寿恵子を抱きしめる万太郎。
「寿恵ちゃん、愛しちゅう」
「博士のまなざし」動画はこちら
NHK高知放送局では、「博士のまなざし」として、牧野博士ゆかりの草花や品などを映像で紹介しています。「スエコザサ」の映像はこちらです。
万太郎が寿恵子に、必ず完成させると約束した図鑑。最終回でついに完成しましたね。私は、図鑑に書かれていた謝辞の名前と、1つ1つの植物が印象的でした。
謝辞に書かれていた、名前の数々。万太郎の人生が万太郎1人で歩んできたものではなく、幼少期からたくさんの方たちに支えられ、影響を受けてきたことが伝わりました。
また、図鑑に掲載されていた植物を見て、1つ1つの植物に万太郎の思い出がつまっているようで、半年間の『らんまん』の物語を思い出しながら、ドラマを見ることができました。
半年間掲載してきた植物の記事、ぜひ『らんまん』の物語を思い出しながら、下記の「あわせて読みたい」よりぜひご覧ください。
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