文研ブログ

2016年12月16日

放送ヒストリー 2016年12月16日 (金)

#58 『NHK年鑑2016』を発行しました!

メディア研究部(メディア史研究) 三矢惠子

今回は、ブログに初登場、『NHK年鑑』の紹介です。
2015年度の動きをまとめた『2016』版を11月11日に発行し、今週13日から、その中のNHKに関連した情報をこのホームページ上で公開しています。

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『NHK年鑑2016』

『NHK年鑑』はその名のとおり、1年に1度発行する、NHKを中心とした放送界の動きを記録した刊行物です。
とても歴史が長く、1931年に『ラヂオ年鑑』として創刊されて以来、名称はテレビ放送の始まった翌年の1954年に『NHK年鑑』に変えていますが、戦時中と終戦直後の3年間(1944~1946年)を休刊したほかは毎年発行して、NHKの歩みを記録し続けています。
(1944~1946年の内容も1947年版でまとめて掲載しています。)

 
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『ラヂオ年鑑』の創刊号


私は、1年前に編集に携わるようになりましたが、掲載している内容や執筆・編集の工程の全容を知って、あらためて『NHK年鑑』の資料価値の高さを感じています。

 ◇歴史が長いことは、すでに述べた通りです。
 ◇これ1冊で放送、技術、経営、その他、NHKのことが何でもわかります。
 ◇「番組解説」というこの本でしかわからない情報があります。

最新刊『年鑑2016』の「番組解説」では、テレビ(地上、衛星)とラジオの定時番組約650、特集番組約300、合わせて1000に近い番組について、放送日時、波、番組の内容、出演者等を紹介しています。
定時番組については、その番組の第1回の放送年月日が記録されています。番組が終了した場合は最終放送日も記録しています。この情報は、ほかでは見ることはできません。

「番組解説」からは、例えば「『きょうの料理』の初回放送日は1957年11月4日、『きょうの料理ビギナーズ』は、『きょうの料理』放送50年を記念して2007年4月2日から始まったこと」などがわかります。

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(校正段階の「番組解説」)

『年鑑2016』では、「放送90年」と「戦後70年」の節目にあたって放送した番組を一覧表にまとめて、「放送界の動き」に掲載しました。

外部の研究者や番組批評家の方などからは、「過去の番組や放送のことを調べるのにいつも使っている」という声をいただきます。
こうした資料が何十年か先の研究に役立つのかもしれないと思うと、ちょっとわくわくします。