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【出演者インタビュー】サヘル・ローズさん「大きな愛情を受けて育つ子がいる一方で、そういう"温かさ"を知らない子もいるんです」

2015年06月01日(月)

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6月2日放送(6月9日再放送)
シリーズ 戦後70年
第3回 家なき子たちの戦後 ―戦争孤児から虐待まで―
にご出演されたサヘル・ローズさんにメッセージをいただきました。


《サヘル・ローズさんプロフィール》
女優、タレント。
イラン生まれ。4歳のときに両親を亡くし、孤児院で育つ。その後、養母に引き取られ、8歳の時に2人で来日。


――第3回は“児童養護”がテーマです。様々な事情で親と暮らせない子どもたちを、日本はどう社会で育てようとしてきたのか、その歴史を見ていきましたが、収録ではどのようなことを感じましたか。

日本には社会的養護を必要とする子どもたちが4万6000人もいます。そのことをきっと多くの方が知らないと思うんです。たとえ同じ日に生まれたとしても、ある子は誕生日ケーキを買ってもらったり、親に手を握ってもらったりしながら愛情を受けて育つ一方で、そういう“温かさ”を知らない子もいる。子どもは生まれてくる環境を選べないのに……。すごく「差」を感じました。
日本は経済成長を遂げて、物質的に豊かになりましたが、その影では子どもたちに寂しい思いをさせ続けています。ここは先進国の日本ですよね。それなのにまだ多くの子どもたちに目が行き届いていない。そして、働き手の数も少ない。きっとそれは、そこで生活をする子どもたちとどう向き合えばいいのかわからない大人たちがたくさんいるからだと思うんですよ。どうしても線を引いてしまっているじゃないですか。「この子たちは普通の子とは違う」と。でも、何も変わらない「普通の子」なんですよ。壁を作ったり偏見を持ったりするのは良くないと改めて思いました。


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【出演者インタビュー】鈴木和樹さん「困窮者を自己責任だと放っておく社会でいいのか」

2015年04月22日(水)

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4月2日放送(4月9日再放送)
スタート“新”セーフティーネット
第3回 私たちにできる 地域づくり
ご出演の鈴木和樹さんにメッセージをいただきました。


《鈴木和樹さんプロフィール》
NPO法人 POPOLO(ポポロ)事務局長。主な活動内容は、生活・労働の相談、一時的な宿泊の提供(ポポロハウス)など。他に、POPOLOが中心となって、「フードバンク」という食糧支援も行っている。新制度の開始によって、任意事業である「一時生活支援事業」を静岡県内の7市(富士・三島・沼津・富士宮・藤枝・島田・掛川)と共同で行う。


――3回目は、生活困窮者自立支援法の可能性と課題を改めて整理し、私たち社会に求められることは何か、具体的に何が出来るのか話し合いました。収録を通してどのようなことを考えましたか。

この問題を考えるときには両輪が必要だと思っていて、ひとつは「地域の方々が関わろうとする力」。他人事だと思ったり、私には関係ないと言ったりするのではなく、自分もいつそういう状況になるかわからないわけですから、私に何かできることはないかと関わろうとする意識が地域に必要だと思います。それと同時に、困った状態になった方が「支援を受け入れる力」も必要で、そのふたつが揃わないと難しいのかなと思いますね。僕らNPOはその両輪が合わさるように橋渡しをしています。

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【出演者インタビュー】宮本太郎さん「地域を支えるためには"お互い様力"が求められる」

2015年04月22日(水)

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4月2日放送(4月9日再放送)
スタート“新”セーフティーネット
第3回 私たちにできる 地域づくり
ご出演の宮本太郎さんにメッセージをいただきました。


《宮本太郎さんプロフィール》
中央大学法学部教授


――3回目は、生活困窮者自立支援法の可能性と課題を改めて整理し、私たち社会に求められることは何か、具体的に何が出来るのか話し合いました。収録を通してどのようなことを考えましたか。

「始まっちゃったな」というのが率直なところですね。思い起こせば2010年の終わりころから生活困窮者自立支制度づくりに加わってきました。実現できればいいなと真剣に話し合ってはきましたけど、当初は難しいだろうなとも思っていたんですね。それがこうして実際に施行されることになった背景には、きっと我々が思っていた以上に社会の中で困窮層が増えてきて、地域の活力が減じてきてしまっているところがあるのだと思います。その他にもいろいろな事情が兼ね合わさって制度がスタートしたということなんですね。
番組ではうまくいっていないところの話もいろいろと出てきましたが、それはやむを得ないところもあります。つまり、全く新しい制度なので、自治体にとっては未体験のことなんです。しかし、雇用と福祉の連携など、その未体験ゾーンをなんとかくぐり抜けてもらわないと元気のいい自治体はできない。回避は許されないゾーンなんですね。もちろん当初から予測されていた通り問題は山積です。しかし、ひとつひとつ構築していく。その第一歩が踏み出されたんじゃないかというふうに思います。そういう意味では手応えを感じたというのが正直なところですね。

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【出演者インタビュー】後藤千恵解説委員「困窮はふとしたきっかけで誰もが陥る可能性がある」

2015年04月09日(木)

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4月1日放送(4月8日再放送)
スタート“新”セーフティーネット
第2回 声を上げられない困窮者たち
に出演した後藤千恵解説委員に話を聞きました。

 

――第2回では、“声を上げられない困窮者”をどう相談につなげるのか、地域の民生委員の力を借りて人海戦術によって困窮者の掘り起しを進めている高知市の事例を紹介しながら考えていきました。収録を終えてどのような感想を持ちましたか。

民生委員の方は本当に重要な役割を担ってくださっているんですけども、その方々もいま高齢化して大変な状況なんですね。今回の制度によって、ワンストップで相談を持ち込める窓口が全国に作られたわけですから、民生委員の方々に活用していただくとともに、近所の方々や地域で活動しているNPO団体等の人たち、新聞や郵便を配達する人たちなども含めて、地域の誰もがちょっと気になるご近所さんに目を向けて相談窓口に情報を伝えたり、民生委員の方につないだり、ということができるようになればいいなと思いますね。困っている人ほど、社会から孤立しがちで自分からSOSを出せずにいることが多い。そうした人たちを救うには、行政の力だけでは限界があります。地域の力、社会の力でこの制度を支えていかなければならないと思います。
 

 

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【出演者インタビュー】後藤千恵解説委員「地域の連携で安心して働ける場を」

2015年04月09日(木)

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3月31日放送(4月7日再放送)
スタート“新”セーフティーネット
第1回 生活困窮者をどう救う?
に出演した後藤千恵解説委員に話を聞きました。



――4月から生活困窮者支援の新しい制度「生活困窮者自立支援法」が施行されます。番組ではこの新たなセーフティーネットによってどんな人たちが救われるのか、生活困窮者が自立につながる道のりを見ていきました。収録を通してどのようなことが伝わってほしいと思いますか。

この制度の新しい点は、「生活困窮者というのはどのような人たちなのか」、対象をあえて定義しなかったところです。困っている人は“すべて”受け止めますという、これまでにない制度、新たな挑戦なんですね。でも、本当にそれが機能していくかどうかは、それぞれの自治体に新たに作られる相談窓口の力量にかかっています。すべての人の相談や困りごとにきちんと向き合い、寄り添い、それぞれに合った支援メニューをそろえていけるかが問われることになります。
 

 

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インタビュールポ「貧困の現場から」⑤

2015年04月02日(木)

【“自己責任”の正体とは】
くらしさいけんパーソナルサポートセンター(PS)の支援を受けて、社会との繋がりを取り戻したAさんとBさん家族。しかし、家庭内の不和という新たな課題に悩まされている。現在の生活について、母親Aさんと息子Bさんにそれぞれ話を伺った。


Q.支援を受けた後の家庭の変化を教えてください。
Aさん:金銭的にはだいぶ楽になりました。ですが、長男から「働け」と罵倒されるのが辛いです。実際、物価が上がったり介護保険料の支払いなどもあるので老後は心配です。いつになったら楽になるんやろう・・・


Q.Bさんは仕事が決まったそうですね、おめでとうございます。
Bさん:障害者の就労支援センターを通して、スーパーの品出しの仕事を紹介されました。現在、見習いとしてすでに働いています。10年ぶりの仕事なので不安の方が90%という感じですが、今回は障害者雇用枠なので安心感もあります。これで生きていける実感が少し持てました。

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センターには通ってくる若者達の書き初めが飾られていたり(右側)、 ギターがあったりします(左下)。

【出演者インタビュー】金子貴俊さん「たとえ制度がなくても周りの人を気にかけられたら」

2015年04月01日(水)

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4月1日放送(4月8日再放送)
スタート“新”セーフティーネット
第2回 声を上げられない困窮者たち
にご出演された金子貴俊さんにメッセージをいただきました。

 

《金子貴俊さんプロフィール》

俳優。これまではテレビなどの報道でしか
日本の「貧困」や「生活困窮」を感じたことがなかった。

 

 

 

――第2回では、声を上げられない困窮者をどう相談につなげるのか、地域の民生委員の力を借りて人海戦術によって困窮者の掘り起しを進めている高知市の事例を紹介しながら考えていきました。収録を終えてどのような感想を持ちましたか。

VTRで紹介した民生委員の方の活動はとてもいいものだなと感じました。お仕事を引退された方は比較的時間に余裕のある場合もありますし、大きな力になると思いましたね。でも、それは必ずしも民生委員である必要はなくて、散歩をしていてよく顔を合わせる人に「こんにちは」と声をかけたりするだけでもつながりのきっかけになると思うんです。そういう意識を持っていただくというのもひとつの手かと思いますね。近所付き合いのなかから、「〇〇さん最近見ないけど、心配だな」というようなかたちで、たとえ制度がなくても気にかけることができたらいいなと思うんですよね。

 

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インタビュールポ「貧困の現場から」④

2015年04月01日(水)

【多重困難にどう向き合うか】
仕事での挫折をきっかけに引きこもり、社会との接点を失うなか気持ちさえもしぼんでいったBさん。他の2人の兄弟も同様に社会で挫折し、やる気を失っていたという。このままでは一家心中もありえた状況を、くらし再建パーソナルサポートセンター(PS)はどのように対応したのか。相談にあたった今井豊さんとセンターをまとめる白砂明子さんに話をうかがった。



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今井さん(左)と白砂さん(右)。ともに自立・就労支援のプロフェッショナルです。
 

Q.AさんとBさんの一家はどのような形で紹介されたのか。
今井さん:母親のAさんが、子ども達のうち誰か一人でも働いてもらいたいと、長男を連れて市役所の就労支援センターを訪ねたことがきっかけでした。年末に訪れたのですが、「このままでは年を越せるお金がない」と聞き、スタッフがPSを紹介してくれました。
 

Q.訪れた日からの相談内容を教えてください。
今井さん:それぞれ2人からこれまでの経緯を洗いざらい聞きました。その結果、非常に緊急性が高いと判断し、なるべく早い対応をしました。自宅を訪れ、家族全員と面談。その結果、子どもたちのうちBさんに軽度の知的障害の疑いがあることがわかりました。また、子ども名義で借りていた消費者金融は過払いしていることも判明しました。

インタビュールポ「貧困の現場から」③

2015年03月31日(火)

【ひきこもり10年、秘められた思い】
夫亡き後、一家を支えるために身を粉にして働いたAさん。心身共に限界まで達し、自ら命を絶とうとしていた。一方。そんな母の姿を引きこもっていた子ども達はどのように感じていたのだろうか。センターのスタッフに紹介してもらい、Aさんの三男、Bさんに会って話を聞くことができた。Bさんは現在、30歳。母と同じく小柄でほっそりとしている。私の目を見て、ひとつひとつの質問に丁寧に答えてくれる姿が印象的だった。


Q.Bさんが引きこもることになったきっかけは?
高校を卒業後、金属加工の会社に就職したが、3か月で辞めてしまったことから始まりました。資材を機械に入れる力仕事についていけず体力的にきつくなってしまいました。その後、短期バイトをしていたこともあったが、決定的になったのはスーパーのアルバイトでした。商品の品出しを担当しましたが、同じ失敗を繰り返すようになり・・・。


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仕事を探すため、身だしなみを整えようとスーツ姿のBさん。

【出演者インタビュー】金子貴俊さん「ワンストップ支援は生活困窮者の新たな一歩になる」

2015年03月30日(月)

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3月31日放送(4月7日再放送)
スタート“新”セーフティーネット
第1回 生活困窮者をどう救う?
にご出演された金子貴俊さんにメッセージをいただきました。

 

《金子貴俊さんプロフィール》

俳優。これまではテレビなどの報道でしか
日本の「貧困」や「生活困窮」を感じたことがなかった。

 

 

 

 

――4月から困窮者支援の新しい制度「生活困窮者自立支援法」が施行されます。番組ではこの新たなセーフティーネットによってどんな人たちが救われるのか、生活困窮者が自立につながる道のりを見ていきました。収録を通してどのようなことを感じましたか。

生活困窮に追い込まれている方の気持ちを考えると、この話は決して他人事にしてはけないと思いました。そういう状況だと、自信を失っていたり、心が傷ついていたりする場合もありますし、そのなかで生活環境を整えるというのはとてつもない労力なので、自分の力だけで立て直すのはすごく難しいと思うんです。そういう意味でも生活保護だけではなく、その一歩手前にワンストップの新しい制度ができたというのは、どのくらい大きな光になるのかはわかりませんけど、生活困窮者にとっての新たな一歩になるのかなと思います。

 

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