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【出演者インタビュー】後藤千恵解説委員「困窮はふとしたきっかけで誰もが陥る可能性がある」

2015年04月09日(木)

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4月1日放送(4月8日再放送)
スタート“新”セーフティーネット
第2回 声を上げられない困窮者たち
に出演した後藤千恵解説委員に話を聞きました。

 

――第2回では、“声を上げられない困窮者”をどう相談につなげるのか、地域の民生委員の力を借りて人海戦術によって困窮者の掘り起しを進めている高知市の事例を紹介しながら考えていきました。収録を終えてどのような感想を持ちましたか。

民生委員の方は本当に重要な役割を担ってくださっているんですけども、その方々もいま高齢化して大変な状況なんですね。今回の制度によって、ワンストップで相談を持ち込める窓口が全国に作られたわけですから、民生委員の方々に活用していただくとともに、近所の方々や地域で活動しているNPO団体等の人たち、新聞や郵便を配達する人たちなども含めて、地域の誰もがちょっと気になるご近所さんに目を向けて相談窓口に情報を伝えたり、民生委員の方につないだり、ということができるようになればいいなと思いますね。困っている人ほど、社会から孤立しがちで自分からSOSを出せずにいることが多い。そうした人たちを救うには、行政の力だけでは限界があります。地域の力、社会の力でこの制度を支えていかなければならないと思います。
 

 

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――番組の後半では、山梨県で食糧支援をしているNPOを紹介しました。新制度の支援メニューから食料支援は外れてしまい、予算が出ず、活動の危機に直面している現場を見て、どのように感じましたか。

山梨のNPOはただ食料品を配っているだけではなくて、孤立しがちな困窮者の方々を見つけ出し、相談にのり、行政に橋渡しする役割も担っています。自治体の中には相談事業の一部と位置付けて、支援を続けるところもあり、柔軟な制度の運用が求められていると思います。実は困っている人を直接、支援するだけでなく、困っている人を支援する人たちを支えていくことも、とても重要で、さらに力を入れなければならないと思います。もちろん、財政状況が大変、厳しいという現実はあります。行政のお金だけに頼るのではなく、寄付金など税金以外のもうひとつのお金の流れを大きく広げていくなどして、支える側の人たちが誇りを持って活動を継続できるような社会になればいいなと思います。


――「スタート“新”セーフティーネット」の放送を通して、視聴者の方にはどのようなことを感じてほしいですか。

生活困窮者というと、何か特別な人という感じがするかもしれませんが、実はそうではありません。日本では今、安定した雇用が減って、非正規雇用の人が4割近くに上っています。家族とのつながりも薄れ、家族のいる世帯よりも単身世帯のほうが多くなっています。仕事を失ったり、病気になったり、ストレスや介護等で急に働けなくなったり、ふとしたきっかけで生活に困窮する恐れのある人が実はとても多い社会になっているんです。いったんレールからはずれ、生活に困窮した人がこの社会から排除されてしまうことがないよう、社会全体で包み込んでいかなければなりません。そのためには、元気を失いかけた人が地域の中で居場所を見つけ、役割を見出し、持っている力を発揮し、再び自分の力で道を切り開くための地域の受け皿をたくさん作りだす必要があります。今回の制度は二つの目標を掲げています。一つは「困窮者の支援」、そしてもう一つが「地域づくり」です。地域づくりは一朝一夕にできるものではありません。支える人と支えられる人が分かれるのではなく、ともに支え合える地域を作っていけるかどうか、今回の新制度を生きたものにできるかどうかは、私たち一人一人の意識、力にかかっているように思います。
 

 

◆2015年4月特集「スタート“新”セーフティーネット」
本放送:夜8時00分~8時29分
再放送:午後1時5分~1時34分

2015年3月31日(火) 第1回 生活困窮者をどう救う?
2015年4月1日(水) 第2回 声を上げられない困窮者たち
2015年4月2日(木) 第3回 私たちにできる 地域づくり(生放送)


◆WEB連載
インタビュールポ「貧困の現場から」


◆関連情報
相談窓口や過去番組のダイジェストなど、貧困に関する情報があります:貧困

コメント

初めまして!私は59歳の男性で四国愛媛の四国中央市に今までの貯蓄を取り崩し、何とか生活してますが、もう貯蓄も底をつき、そこでお伺いたいのですが、私は6年前に脳梗塞をしまして左半身不随になり無職になり収入と言えば障害年金月約10万を支給されていますが、昨年、妻が亡くなり(両親・兄も死亡して)
世話をしてくれる人がいなくり、急遽障がい者施設サービス無し(厳密に言うとアパートのような所)で不便な生活をしており、施設に行くにもとても障害年金だけで入所出来る所はありません。要介護2ですが、持ち家が有るのですが息子が居住しているのですが一人息子では仕事上、時間的にも余裕がないので食事・洗濯その他の介護は出来ない状況です
身体障がい者2級で(肢体不自由)で働く意欲はあるが働く所が田舎ではありません。とりあえず食事は施設で用意してくれますが、この病がいつまで続くのか分かりません。妻が生きていれば生活に必要最低限のことはできてたのですが、180度生活が変わりこれからの未来を考えるとどうしていいか不安だらけです。右手一本でこのメールを打っています。歩行も困難、車椅子常用でなんとか生きています。いずれ貯蓄ももなくなると思うと夢や希望は健常者だった頃の事で障がい者となった今では何も出来ず生きてゆくのが苦しいだけです 何かアドバイス等あればご教授ください。よろしくお願いします。

投稿:コーチャン 2018年02月07日(水曜日) 12時38分