2022年03月11日 (金)
震災11年は故郷・福島から【大谷昌弘】
東日本大震災から11年です。
きょう、3月11日に放送される、追悼の催しなどをお伝えするラジオ番組で、
福島県双葉町からの中継を担当します。
今回中継する双葉町は、東京電力福島第一原発が立地しています。
原発事故から11年が経とうとする今も人が住むことはできず、
全住民の避難が続く唯一の自治体ですが、
ことし6月をめどに住民の帰還を始めることを目指しています。
福島県いわき市出身の私は、震災当時19歳。
東京で大学生活を送っていました。
発災直後、家族と連絡がつかず、無事かどうか怖かったこと。
原発事故後、私が住んでいた東京の6畳ほどのアパートに家族全員が一時的に避難してきたこと。
東京で地元の野菜販売の手伝いをした際、放射線のことで心ない言葉をかけられ、悲しさとやり場のない悔しさをおぼえたこと…
当たり前だったものが突然当たり前ではなくなる。
毎年3月11日が近づくと、当時の思いや光景がよみがえってきます。
去年の12月から今年の1月にかけては、福島第一原発の視察や双葉町へ足を運び、
現状を見たり、話を聞いたりしてきました。
足を運ぶ中で、故郷を離れなければいけなかった同級生や後輩、
大学生の頃に出会った双葉高校の当時の高校生たちなど、
関わってきた人たちの顔が思い浮かびました。
放送では、離れた場所で故郷を想う人たちや
未だに避難が続く人たちの思いや生活に気持ちを寄せて、お伝えしたいと思います。
長引くコロナ禍やロシアのウクライナ侵攻のニュースなどで、
心が落ち着かない日々が続いている方が多いと思いますが、
よろしければラジオに耳を傾けていただければ幸いです。
●東日本大震災 追悼中継「あの日を胸に」
3月11日(金) 午後2時5分 ~ 2時55分
ラジオ第1 全国放送