NHKスペシャル

シリーズ東日本大震災 "帰宅困難 1400万人"の警告

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3月11日。震度5強の東京で発生した「帰宅困難」。JRをはじめすべての鉄道がストップし、およそ1400万人が帰宅できない事態に直面した。自宅を目指して一斉に動き出した人と車が主要道路を埋め尽くす様を見て、国や専門家は驚がくした。なぜか。国の中央防災会議がまとめた首都直下地震の対策に、災害時の原則が明記してある。「動いてはいけない」。東京が震度6強の揺れに襲われれば、火災や倒壊した建物があちこちで道路をふさぐ。そこへ自宅を目指す人たちが一斉に動き出せば“人と車の壁”で緊急車両が立ち往生し、移動する人たち自身も被災するリスクが高まる。3月に起きた“帰宅困難”は皮肉にも、多くの人にこの原則が周知されていないことを証明する形となったのだ。一方で、震災直後に行われた調査に4割の人が「家族の無事を確かめるために帰る」と答えた現実もある。「防災の原則」と「家族を思う感情」の折り合いをどうつけるか。そして首都直下地震にどう備えるか。
 番組では「帰宅困難」の未公開映像と新たな証言を発掘し、地震後すぐに「帰宅する危険」を徹底的に洗い出す。