静岡・浜名湖花博 “緑の魔術師” 石原和幸氏の庭園がお目見え!
- 2024年04月12日
静岡県浜松市で開幕中の「浜名湖花博2024」。絶対見逃せない庭園があります!
それは、エリザベス女王が直々に“緑の魔術師”と呼んで絶賛した、庭園デザイナーの石原和幸さんが手がけた庭「汽水園」。世界で活躍する石原さんに「汽水園」の見どころを聞きました!庭園に込めた思いも、必見ですょ!
春らんまん!
すでにスタートしている「はままつフラワーパーク」会場に続いて、4月6日、「浜名湖ガーデンパーク」会場も開幕しました。初日から大勢の人が訪れ、色とりどりの花が出迎えています!
注目の庭があります!
そんな中、落ち着いた雰囲気ながら、ひときわ注目を集めている庭がありました。
この庭をデザインしたのは、世界で活躍する庭園デザイナーの石原和幸さん。取材をお願いしていた3月下旬のある日、あいにくの雨もようで、私は、残念だなぁ、と思っていたのですが・・・
雨の中、岩をひょいひょいと駆け上り、足早に、そしてパワフルに庭を整えていきます。
私が「あいにくの雨で・・・」と言うと、ビックリするほどの笑顔で!
雨はめっちゃ嬉しいです!植えたばっかりだから。植物がいま水を欲しがってるんですよ。それに、石が濡れたりすると、まぁ!って、お庭は少し湿ったぐらいが綺麗ですので。
世界で活躍する庭園デザイナー
石原さんのフィールドは日本にとどまりません。世界で活躍しています。国際ガーデニングイベントの最高峰の1つ「チェルシーフラワーショー」では12回の金賞を受賞し、エリザベス女王から“緑の魔術師”とたたえられました。
新庭園の「汽水園」
今回の花博で手がけた庭の名前は「汽水園」。会場近くの浜名湖が、淡水と海水が混ざり合う汽水湖であることにちなんで名付けられました。その庭の特徴は?
岩を積み上げて、↑富士山から流れる湧き水を表現。↓手前は駿河湾です。
これはまさにですね、静岡をそのまま表現してるんです。静岡県をギュッと縮めたようなお庭になっていまして。富士山の山がここの向こうにあると思ってください。妄想です!富士山の山から水が湧き出てきて、海に流れ込んで・・・
その隣にあるのは、砂利で作られた浜名湖。凹凸で表現した波紋の中央には弁天島が浮かんでいます。
もう静岡は素敵なところ!もうもう静岡には、僕、日本一素敵な風景がたくさんあると感じているので。僕は逆に日本をギューッと縮めたのが静岡じゃないかな。それをもっとぎゅっと縮めたのがこちらの庭園になっているんです!
和庭園なのに、+花
石原さんの庭は大型の石やこけがふんだんに使われた和庭園です。その中に、鮮やかな花々が植えられているのが特徴です。その種類は50以上。季節ごとに移り変わる様子が楽しめます。
基本的に固定概念をなくすというのは僕のテーマでありまして。和庭園だから花はだめだよとか、洋庭園だから松はだめだよじゃなくて。桜が咲いたり、もみじが芽が出てきたり、さるすべりがあったりとか。一年中花が楽しめるお庭になってます!
“被爆2世” 僕の使命は・・・
石原さんが花を扱うのはある特別な思いがあります。
石原さんは長崎県出身です。両親が市内で被爆した被爆2世なんです。そのため石原さんは、平和な世の中にするために自分は何ができるのか、いつも考えているそうです。
そのヒントをくれたのは、幼いころの両親との思い出だそうです。「花が持つ力」を教えてくれたといいます。
僕の小さい頃は、両親が『学校に花を持って行きなさいよ』って言って、畑に咲いた花を切ってですね、学校に持って行って、先生の花瓶にいつも生けてたんですね。そしたら、先生が本当に喜んでくれたんです。
父から戦争のこととか被爆した時のこととか聞いてるんですけども、僕は園芸家として何ができるかなって思った時に、とにかく花で笑顔にすること、それが僕の使命だと思っていますので。とにかく花と緑で皆さんを笑顔にしたい。
ぜひ、家でも!
石原さんの思いと静岡の魅力をたっぷり詰め込んだこの庭。石原さんはここで感じたアイデアを家に持ち帰って欲しいと考えています。
家庭、家と庭で家庭と書きますよね。庭があると、「お父さん今度何植える?」とか会話が弾むじゃないですか。庭があると、やっぱ家族が笑顔にあふれますし、家族が笑顔になると地域も笑顔になって。みんなが笑顔になると、争い事も少しはなくなるかな、と思っています。これを見て、花と緑にあふれた生活を真似していただければなと思います。
【取材後記】
庭も素敵ですが、とにかく、パワフル!な石原さんに魅了されました。取材時間はわずか30分。花が大好きで、みんなにも花を好きになって欲しい、花を楽しんで欲しい、そして、幸せを感じて欲しい、という、気持ちが伝わってきて、取材をしていてとっても明るい気持ちになりました。ぜひ、庭園を見て、石原さんの思いとそのパワーを感じてみてください!(記者 牧本真由美)
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