ページの本文へ

静岡WEB特集

  1. NHK静岡
  2. 静岡WEB特集
  3. 浜松から世界へ!目指せ「世界一」のピーナッツバター

浜松から世界へ!目指せ「世界一」のピーナッツバター

12月6日(水)放送「しず♡LOVE」浜松市西区
  • 2023年12月17日

 

「たっぷり静岡」で毎週水曜日に放送しているコーナー「しずラブ」。
12/6(水)の放送では、本多キャスターが、浜松市西区に行ってきました!

”幻の落花生”とも言われる「遠州小落花」。
この落花生を栽培し、「世界一のピーナッツバター」作りを目指す方に
会いに行きました。

☆記事の最後には期間限定で動画も公開☆

浜松産のピーナッツバターを探しに・・・!

 

まず向かったのは浜松市内のスーパー。
この時期になると店頭に浜松産のピーナッツバターが並ぶそうなんです。

 

それがこちら。浜松の落花生で作られたピーナッツバター。
地元の人は毎年楽しみにしているようです。
年間1万5000本のピーナッツバターが販売されますが、すぐに完売するほど人気だとか。

ピーナッツバター製造の現場へ

浜松市西区で製造しているということで早速向かいました。

 

浜松市出身、ピーナッツバターメーカーの杉山孝尚(すぎやま たかひさ)さんです。

杉山さんが作っているのは、「遠州小落花」という品種の落花生。
今年の収穫は終わったということで収穫したものを見せていただきました。

 

一般的なサイズの落花生と比べてみると…

左が遠州小落花 右が一般的な落花生
本多

全然違う!!

小ぶりで油分が多いのが特徴という遠州小落花。食べてみると・・・。

 

本多

甘い!!噛めば噛むほどうまみがすごいです。
こんな小さい粒の中に詰まってますね。

100年前に”世界一”になったという「遠州小落花」

杉山さんが遠州小落花の存在を知ったのはおよそ10年前。
当時、アメリカに住んでいた杉山さんですが、たまたま新聞で、あるピーナッツに関する特集記事を目にしました。

杉山さん

1904年のアメリカルイジアナ州でやったセントルイス万博で、
「遠州」っていう文字が見えたんですね。
遠州の落花生が世界で一番とったっていうのが出てて、「えっ!」と思って。

ピーナッツバターに注目したのは外国の文化に対する驚きが理由でした。

言葉も違えばいろんな国から来るじゃないですか。
そういう差に関係なく、ピーナッツバターみんな好きだった。
日本でいう醤油とか味噌みたいな感じでどこの家にもあったんですよ。
ピーナッツバターが、
僕がアメリカで刺激を受けたアメリカンカルチャーの一つだったんですね。

その世界で一番の豆がここにあってそれでピーナッツバターを作れば
めちゃくちゃ面白いんじゃないかなって思ったんですよ。
世界が変わると思って。

世界一を目指すピーナッツバター製造の現場!

世界一になったことがあるという、遠州小落花で作るピーナッツバター。
製造の様子を見せていただきました。

 

まずは豆の焙煎です。殻を取った落花生をこの窯で焙煎します。

 

本多

なんだかコインランドリーみたいですね。

浅く煎れば滑らかな舌触りに、
深く煎れば香りが豊かになるそうです。作りたい味に合わせ調節しています。

 

焙煎が終わったら、豆を広げて熱を取ります。

 

薄皮を取る機械にかけます。この機械は精米機を改造したもの。
地元浜松の町工場に協力してもらったそうです。

杉山さん

この町モノづくりの町なので、ねじ1本から作ってくれる職人さんがいるんですよ。そういう人たちに本当に助けてもらって。

薄皮の渋みも落花生本来の味わい。
どのくらい削ってそのくらい残すかも細かく調整しています。

最後はいよいよ、ペースト状にしていきます。
ここに、ピーナッツバター作りのこだわりがあります。

 

収穫した落花生。よく見ると大きさが異なります。
実は杉山さんは、花が咲くタイミングを調節して
大中小と落花生の実の大きさを3種類に作り分けています。
小さいものは、濃厚で甘く、
大きいものは、油が多く滑らかな舌触りになります。

杉山さん

これは、ピーナッツバターを僕たちが作る1番のこだわりなんですよ。
どれも欠いちゃいけなくて。

3つの大きさのピーナッツをブレンドして味を調節しています。
配合は毎年変えているのでその年ごとの味があります。

杉山さんのピーナッツバターにはピーナッツしか使いません。
油分が豊富な遠州小落花は機械にかけてすりつぶすだけでなめらかになるんです。

 

 

本多

すごい!こんなきれいなペーストになるんだ!!

出来立てのピーナッツバター、いただきました!

本多

ピーナッツバターのイメージが全く違う! 
なんかもう、落花生をそのまま食べてるみたいな。
落花生そのものの甘みがあります。

杉山さんはこれからも栽培や加工の仕方を毎年試行錯誤しながら、
遠州小落花を後世につなげたいと話します。

杉山さん

この落花生っていうのを次の世代にバトンタッチして、
次の子たちがこれで新しいものを表現してほしい。
それを自分は見たいなっていうのはあります。
ピーナッツバターは僕がやったものだから、
違う形になってもいいと思うんすよね。
次の世代にバトンタッチするのは自分の使命かなって思うから。

杉山さんは、地元のこどもたちにもこの遠州小落花を知ってもらおうと
学校で植木鉢で栽培してもらう活動も行っています。
今年育てた分が無事に収穫出来ました。
ピーナッツバターに加工して子供たちに届けるそうです!!!
 

杉山さんの挑戦はまだまだ続きます!!

★放送動画はこちら<期間限定で公開>★

  • 本多葵

    静岡局 キャスター

    本多葵

    磐田市出身。「ひるしず」キャスター、「たっぷり静岡」リポーター。
    今年は人生で一番走った1年でした。

ページトップに戻る