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浜名湖花博 デザイナー小倉珠子さん ”花の一生"を見て欲しい

静岡県浜松市出身のガーデンデザイナーが手がけた新庭園がお目見え!込められた思いに迫ります!
  • 2024年03月28日

浜名湖花博2024が開幕しました!
はままつフラワーパーク会場に、新たにお目見えした庭園「はなのはら」。浜松市出身のランドスケープ&ガーデンデザイナー・小倉珠子さんが手がけました。一見、花が少ない?と感じる庭。そこにはある”思い”が隠れています。小倉さんが伝える、新しい花の楽しみ方を伺いました!

野原のような自然な風景を表現

「はなのはら」は、花が咲く時期が異なる宿根草球根を組み合わせて植えることで、季節によって移り変わる野原のような風景を表現しています。優しく咲く花々にそよぐ風やきらめく光を感じる庭、だそうで、名称のひらがなが表すとおり、柔らかいイメージが伝わってきます。

開幕時には、柔らかい白や青色をベースにした水仙などが咲き、早春の爽やかさを感じさせてくれました。

いろんな季節に咲くものを、バリエーションを豊かに入れているんですね。パッと見て、お花が少ないと思っても、ぜひ近くで見ていただくと次に待っているお花のつぼみがあったり、土が盛り上がって芽吹くところが見られたりします(小倉珠子さん)

大学で造園を学びイギリス留学も

大学時代

庭に花がいっぱいという家庭で育った小倉さん。東京の大学で造園を学んだあと、ガーデンデザインの道を極めるためにイギリスに留学しました。

イギリス留学時代

帰国後は、全国各地の公共の場や個人宅など、様々な空間のデザインを手がけています。フラワーパークで人気の動物の形をした立体の園芸も小倉さんの作品です。

自分がデザインしたものをいろんな人が見てくれて楽しんでくれるというのは、すごくやりがいがあるなあって思います(小倉珠子さん)

花にも「わび・さび」

小倉さんは「はなのはら」を通して「花の一生」を感じて欲しいと考えています。咲き誇る時期の美しさだけではなく、土の中での準備、芽吹き。そして、花を咲かせて枯れるまでのすべてを楽しんでほしいそうです。

今までは皆さん、花だけを見てますよね。花が華やかな時期だけを花として見て、それ以外の時は花だと思わないって言うのかな。私たちも「わび・さび」って表現したりしますよね。木なんかだと「紅葉」を楽しむ心がもともと日本人にはあるんですけれども、どうしても花ってそういうところから外れちゃっていたんじゃないかなと思うんです。(小倉珠子さん)

土の中から芽吹いて花が咲いて、そして花が終わって、花がらになっているものがあったりっていう、そういった花のわび・さびというか、いろんな植物の命の営みっていうのを見ていていただけたらと思います(小倉珠子さん)

20年前の花博 花の楽しみ方が変化

20年前の浜名湖花博

20年前にいまの浜名湖ガーデンパークで開催された花博でも、小倉さんは一部の庭のデザインなどに携わっていました。小倉さんは、当時とは、花や庭に対する考え方が大きく違っていると感じています。

20年前っていうのは、華やかさを楽しむっていう感じだと思うんですよ。ですけれども、今はやっぱり華やかさだけじゃなく、生活の中で、どうやってその生き物とか植物とかっていうのが、どういうかかわりがあるのかとかなんかそういうところに踏み込むっていう感じなのかな(小倉珠子さん)

虫が好む植物もたくさん植えられているそうです。チョウが飛んできたりミツバチがミツを吸いに来たり。小倉さんは、怖がらずに、虫との共存も花の楽しみ方の1つとして提案しています。

そして、小倉さんの思いがこもったこの庭園のおすすめの時間帯は夕どきだそうです。逆光の中で花がひときわ輝き、浮かび上がるそうです。

小倉珠子さん

いろんな植物がリレーのように入れ代わり立ち代わり出てきますので、皆さんぜひ期間中、何度も足を運んでいただいて、はなのはらの様子をご覧いただきたいなと思います(小倉珠子さん)

浜名湖花博のはままつフラワーパーク会場は、6月16日まで開かれています。

お話を伺った日は曇りの天気でしっとりとした花の様子を楽しませていただきました。これから温かくなると、次々と色の異なる花が咲いて様子がまったく変わってくるそうです。それぞれの植物の営みも、そして庭全体の変化も楽しみですね!!!

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  • 牧本真由美

    静岡局 記者

    牧本真由美

    2002年 NHK入局
    社会部・報道局遊軍など
    トレラン大好き
    2歳児子育て奮闘中

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