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【高知ユナイテッド】J1相手にまたも大金星!

スポーツキャスター佐藤好が見たホームゲーム
  • 2023年07月13日

サッカー日本一を争う天皇杯の3回戦が12日、高知市で行われ、JFLの高知ユナイテッドがJ1の横浜FCを相手に大金星を挙げた。
2回戦のガンバ大阪戦に続いてJ1のチームに勝ち、Jリーグ勢以外で唯一ベスト16に食い込んだ。勝利を引き寄せたのは何だったのか。会場で取材した体感を伝える。
(高知放送局 スポーツキャスター 佐藤好)

試合前から高まる熱気

決戦の舞台は高知市の県立春野総合運動公園陸上競技場。
試合開始の3時間前から行われたのは、横断幕の掲示だった。アウェー横浜FCのサポーターも遠方からはるばる訪れ、大きな幕を広げてゴール裏を一気に青色に染めた。

すでに戦いは始まっている。
相手を黒潮のごとく飲み込みたい高知ユナイテッドのサポーターは、負けじと圧倒的な数の幕を取り付け、誇らしげな顔で試合開始を待った。

試合前の様子 会場の外もにぎわっていた

土佐っ子魂!鳴子で応援しゆうきね!

高知ユナイテッドのサポーターを見ると、何やら変わった形の応援グッズを持っている人が多数いた。高知の夏には欠かせない、鳴子だった。

チームが公式で出している応援グッズで、手軽に持ち運べて高知らしさが出せるうえ、音で選手を鼓舞できると、大変人気だという。

試合中も拍手とともにカチカチと鳴子の軽快な音が響き渡り、会場を「よさこい祭り」のごとく彩った。

勝利を後押し 3000人超のサポーター

試合は一進一退の攻防で、高知ユナイテッドも相手陣内で攻撃を重ねるなど、格上相手でも劣勢にならなかった。

前半36分、チームの要でキャプテンの金井冬土選手が負傷するアクシデントに見舞われた。
スタンドには心配そうな表情を浮かべるサポーター。「金井選手頑張れー!」と叫ぶ子ども。
金井選手は立ち上がれず、担架で運ばれていった。場内には少し不穏な空気が流れた。

しかし、スコアレスドローで迎えた後半11分、試合が動いた。

相手のパスをカットし、キーパーの頭上を越えるミドルシュートで先制点を奪ったのは、負傷した金井選手に代わって入った、高野裕維選手だった。

ベンチスタートとなったこの日。試合を見ていて、相手キーパーが前に出てきがちだったのがわかっていたと言う。
訪れたチャンスで、起用に応える値千金の先制点を決めた。

場内には割れんばかりの歓声。響き渡る鳴子の音。抱き合って喜ぶ人。飛び跳ねすぎて体勢を崩す人。すでに泣き崩れる人。

間違いなく、このとき空気が変わった。「これはいける」と、圧倒的に高知ユナイテッドの空気になった。3000人を超えるサポーターが、勝てる空気をつくった。

J1相手にふたたび大金星 会場は歓喜と涙

終盤は横浜FCの猛攻を受けながらも、ディフェンダーやキーパー上田樹選手の活躍で、守りきった。

好セーブが光るたびに会場のボルテージは上がっていった。
ゴール裏では地元・明徳義塾高校の生徒たちで結成された応援団が全身を使って選手を鼓舞し、自然に周りの人たちが巻き込まれていった。あんなに気合いの入った「アゲアゲホイホイ」は高校野球の会場でも見たことがない。

90分が経過し表示されたアディショナルタイムは、5分。会場にはどよめきが起こった。

長い。長すぎる。
ハイプレスで走り続けた選手たちにはかなりの疲労の色が見てとれた。
サポーターは皆、スマートフォンや時計をちらちらと見ながら祈り続けた。私も同じだった。この時は試合内容など頭に入らなかった人も多かっただろう。

そして、試合終了のホイッスル。

場内は歓喜に包まれた。先制点を決めた時以上に、大勢の人が涙を流して抱き合っていた。
みんな、泣き、笑いながら、「最高!」「ありがとう!」と叫んでいた。「高知の誇り」「歴史が変わった」そんな声も聞こえた。

試合終了後も歓喜が止まらない会場周辺

2戦連続でJ1を破る快挙となったが、前回と異なるのが、ホームアドバンテージだった。
今回は選手のそばに地元・高知で応援するサポーターが大勢ついていた。場内の大声援が、勝てる空気感が、選手を後押ししたことは間違いないだろう。

ピッチにいる11人に加え、「背番号12(=サポーター)」も一緒につかんだ勝利だった。

快進撃が続く高知ユナイテッド。
次は8月2日に、今回と同じ高知市の春野総合運動公園陸上競技場で、ベスト8をかけてJ1の川崎フロンターレと対戦する。

地元・高知の大声援を受けて、再び歴史を塗り替えることを期待したい。

  • 佐藤 好

    高知放送局スポーツキャスター

    佐藤 好

    昨シーズンまでは岩手県でいわてグルージャ盛岡を取材。全国のさまざまなチームがぶつかり、波乱が巻き起こる天皇杯、毎年楽しみにしています!

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