【糖尿病治療を徹底解説】食事や運動、薬、生活習慣を改善する最新治療法

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食で健康づくり 運動の健康効果 糖尿病 視力や見え方の異常 排尿がおかしい しびれがある 腎臓 足・脚

治療の第一歩は生活の改善

糖尿病の食事療法
糖尿病の運動療法

糖尿病治療の第一歩は、食事や運動など生活習慣の改善から始めます。それでも血糖値が十分下がらないようなら、薬による治療を行います。

糖尿病の食事療法のポイントは、食べ過ぎない(特に清涼飲料水や菓子類などの単純糖質)、食品の種類を多くする、3食規則正しくとる、糖分の吸収をゆるやかにする食物繊維を多くとる、などがあげられます。
糖尿病の運動療法は、ウォーキングなどの有酸素運動を1日20分から60分、できれば毎日行います。スクワットなどの筋力トレーニングを合わせて行うと、より効果が期待できます。
こういった食事と運動による生活改善で肥満が解消できれば、インスリン抵抗性が弱まって、血糖値が下がります。

IoTで生活改善を推進!スマートフォンを使った最新の糖尿病治療

IoTで生活改善を推進!スマートフォンを使った最新の糖尿病治療

IoTとは身のまわりのもとインターネットをつなげる仕組みのことです。糖尿病治療の領域でも歩数計や体重計、血圧計をインターネットにつなげて、治療に生かそうという試みが始まっています。そのひとつ、2018年1月から開始されているのが、国立国際医療研究センターが中心になって行っている「IoTを活用した糖尿病の重症化予防法を目指した研究・PRISM-J(プリズム・ジェイ)」です。
「日常的にスマートフォンを使用している人」「HbA1cが6.0%以上8.9%以下の2型糖尿病の人」「20歳以上75歳未満」などが参加の条件ですが、現在全国およそ260の医療機関の協力を得て、最終的には2000人の糖尿病患者が参加する予定です。

糖尿病の最新治療をアプリで
糖尿病の最新治療をアプリで

参加者のスマートフォンに専用のアプリがインストールされ、通信機能を持つ歩数計や体重計、血圧計が貸し出されます。機器から得られた歩数や体重・血圧などのデータは参加者のスマートフォンへと送信されます。
また、同じ情報はインターネットを介して医療機関へと送られて医師や栄養士が確認することもできます。

参加者が受診したときに、医師は記録されたデータを確認。細かなデータに基づいて、食事や運動、そして薬の量などを具体的なアドバイスできるといいます。

そしてIoTを活用すれば、手軽に運動や体重などの記録ができて患者本人の負担も軽減することができます。こうした取り組みが、どれだけ糖尿病治療に役立つのか、PRISM-Jの結果がでるのは2022年の予定。
多忙で生活改善が中断しがちな働き盛りの世代の患者に対してのIoTの効果は大きいのではないかと期待されています。

薬による治療 糖尿病ののみ薬

薬による治療 糖尿病ののみ薬
糖尿病の新しい薬SGLT2阻害薬

生活改善をしても、血糖コントロールが十分できない場合には、薬による治療も行います。糖尿病の薬には、のみ薬と注射薬があります。

のみ薬は7種類に分かれ、どの薬にも血糖値を下げる効果がありますが、下げる仕組みはさまざまです。
ビグアナイド薬とチアゾリジン薬は、インスリン抵抗性を改善して、インスリンの効きをよくする働きがあります。肥満がある糖尿病の人によく使われる薬です。

スルホニル尿素薬、速効型インスリン分泌促進薬、DPP-4阻害薬は、すい臓からのインスリン分泌を促進する薬です。これらの薬は、インスリン分泌低下がみられる糖尿病の人によく使われます。
α-グルコシダーゼ阻害薬は、小腸で炭水化物がブドウ糖などに分解されるスピードを遅くして血糖値の急な上昇を抑えます。

SGLT2阻害薬は、最も新しいのみ薬で、ほかの薬とは異なり腎臓に作用する薬です。血液中のブドウ糖を尿の中に多量に排出させることで血糖値を下げます。

注射薬による治療 インスリン製剤

インスリン製剤

糖尿病の薬には自分で打つ注射薬(皮下注射)もあります。その多くはインスリン製剤で、すい臓のインスリン分泌の低下を補います。
自己免疫疾患などが原因で起こる1型糖尿病は、多くの場合、診断された時点でインスリンが分泌されていないため、最初からインスリン製剤が不可欠です。2型糖尿病は、インスリン分泌が徐々に低下するため、病気がかなり進行した段階でインスリン製剤を開始することが一般的です。

インスリン製剤は、すぐに効くものや緩やかに効くものがあり、たとえばインスリン分泌がすごく低下していれば、両者を組み合わせて1日4-5回の注射をしたり、インスリンのポンプを装着して機械でプログラムした量のインスリンを注入する方法もあります。

注射薬による治療 GLP-1受容体作動薬

インスリン製剤以外の注射薬として新しく登場したのがGLP-1受容体作動薬です。この注射薬(皮下注射)は、すい臓のインスリン分泌を促進する働きがありますが、DPP-4阻害薬とほぼ同じ仕組みなので、低血糖を起こしにくいことが特長です。
GLP-1受容体作動薬の効果は、DPP-4阻害薬より強く、血糖値がかなり高い人などにも使用されます。食欲を抑える作用もあるため、体重を落としたい人にも向いています。

糖尿病の薬による低血糖に注意

低血糖の主な症状

糖尿病は、血糖値が高くなる病気なので、薬で血糖値を下げますが、薬が効き過ぎて血糖値が低くなり過ぎることがあります。この状態を低血糖といいます。
低血糖になると、まず空腹感、脱力感、冷や汗、ふるえ、動悸などの症状が現れます。血糖値がさらに下がると、頭痛、吐き気、目のかすみ、集中力低下なども起こります。もっとひどくなると、意識障害、けいれんなどに至ります。

インスリン分泌を促進する薬のうち、速効型インスリン分泌促進薬とスルホニル尿素薬は低血糖を起こしやすい薬です。DPP-4阻害薬は食後など血糖値が高くなるときにおもに作用するため、低血糖を起こしにくい薬です。
また、インスリン製剤は、のみ薬以上に「低血糖」に注意しなければなりません。インスリン治療をしている人は、すい臓のインスリン分泌が低下しているため、インスリン製剤が血糖値を特に大きく左右しますが、血糖値が低くてもインスリンは効いてしまうからです。

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