食べるときの器を工夫することでも、食べ過ぎを防ぐことができます。
ごはん茶わんを一回り小さくすれば、自然にご飯の量を減らすことができます。同じ分量のご飯も、小さめの茶わんに入れればたっぷりあるように感じます。また、少し重い茶わんにすれば、ずっと持ち続けるのが辛くなるので、茶わんをテーブルに置く回数が増え、ゆっくり食べることにつながります。ほかにも仕切りの付いたプレート型の食器を使うという方法もあります。肉などの主菜と、野菜などの副菜、ご飯を決められた仕切りに合わせて盛りつけることで、バランスよい食事にすることができます。
早くやせたいという焦りから、夕食を抜いたり、極端な食事療法を行ったりすると、かえってやせにくくなったりリバウンドしたりしてしまいます。特に、たんぱく質が不足すると、筋肉が落ちて基礎代謝が低下してしまいます。体重を落とすときは、ただやみくもに減らすのではなく、担当医や管理栄養士に相談して、焦らず健康的に行うことが大切です。
食べ物の誘惑を避ける工夫
糖尿病の予防や治療で大切なことは、「余分なものを食べ過ぎない」ことです。きっと頭でわかっている人は多いと思いますが、実行するのは容易ではありません。というのも、私たちの周りには「お菓子が目の前に!」「飲食店からいい匂い!」「食卓に食べ物が残っている......」「食べ放題の店」など、"おいしい誘惑"が至る所にあるため、ついその誘惑に負けてしまう時があるのです。食べ過ぎる傾向がある人は、こういった誘惑に弱く、摂食中枢が刺激されやすいことが知られています。まずは誘惑そのものを減らすような工夫が必要です。
しかし、目の前に食べたいものがあるのに我慢すると、精神的ストレスがたまるので、「目の前にお菓子を置きっぱなしにしない」ことが大切です。戸棚の奥、開けにくい缶、手が届きにくい場所、などに置くほかに、「本当に食べたい時だけ食べる」などの張り紙をすることも有効です。残った物をもったいないからと食べないようにするには「自分の分を食べ終わったらすぐに食器を洗う」などの対策がおすすめです。自分なりのおいしい誘惑に負けない対策を練ってみてはいかがでしょうか。
夕食の時間に注意
遅い時間に夕食を食べるのは、エネルギーを消費しきれなかったり、脂肪が蓄積しやすかったりするなどの理由から、肥満を招きやすいといわれています。さらに、夜遅く食べると、血糖値が上がりやすくなります。夕食は早めにとり、遅くなる場合は軽めに済ませるようにしましょう。
夕食を早めに食べたせいで、夜おなかがすいてしまったときは、「早く寝る」ことがいちばんの対処法です。また、「風呂に入る」「歯を磨く」「ストレッチなどの軽い運動をする」などで気分を変えるのもよいでしょう。それでも我慢できなければ、「野菜スティック」「野菜スープ」「ところてん」「ヨーグルト」など、エネルギーの少ないものを少し食べるだけにしましょう。
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