肥満、喫煙、遺伝...糖尿病の発症リスクを知る。早期発見の検査も受けよう

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自分のリスクを把握しよう

糖尿病はありふれた病気です。自分が発症しても不思議ではありません。今は糖尿病と診断されていなくても、将来の発症リスクを把握しましょう。また、発症しても早期発見できるよう、糖尿病の検査を定期的に受けましょう。なお、糖尿病には1型と2型があり、生活習慣が大きく影響し中年以降に発症しやすい2型が糖尿病のおよそ90%を占めています。以下に示すのは2型糖尿病のリスクです。

糖尿病の原因

肥満が大きな原因

糖尿病の大きな原因、肥満

糖尿病は肥満が大きな原因です。なぜでしょう。糖尿病は血糖値が高くなる病気ですが、その血糖値を下げて正常に保つのがインスリンというホルモンです。肥満があると、インスリンが効きにくくなって血糖値が上がってしまうのです。

BMIの計算方法「体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)」

肥満かどうかはBMIという値が目安です。BMIは「体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)」で計算します。BMIが25以上は肥満です。たとえば、Aさん(男性)は体重78kgで身長170cm(1.7m)。BMIが約27となるので肥満です。

内臓脂肪型肥満は特に注意

肥満のなかでも、皮下脂肪ではなく内臓の周囲に脂肪が蓄積する内臓脂肪型肥満は、特に糖尿病を発症しやすくなります。内臓脂肪型肥満は、おなかが突き出るような体型で男性によくみられます。内臓に脂肪が蓄積しているかどうかの目安は腹囲(腹部の周囲の長さ)です。男性は85cm以上、女性は90cm以上が当てはまります。

高血圧・脂質異常症も関係

糖尿病には高血圧や脂質異常症も関係します。内臓に脂肪が蓄積すると、糖尿病と同じように高血圧や脂質異常症も発症しやすいのです。なお、内臓脂肪の蓄積に高血糖・高血圧・脂質異常の2つ以上が重なった状態をメタボリックシンドロームと呼びます。動脈硬化による脳梗塞や心筋梗塞が非常に起こりやすい状態です。

喫煙もリスク

喫煙している人は、していない人に比べ、糖尿病の発症率が38%高いことが、日本人を対象にした複数の研究から明らかになっています。吸う本数が多いほどリスクが高いことも示されています。

家族の中に糖尿病患者はいませんか?

家族の中に糖尿病患者はいませんか?

Bさんは、父親が長く糖尿病をわずらい視力が低下する網膜症になり心筋梗塞も起こしています。また、姉が最近糖尿病と診断されました。Bさんのように家族に糖尿病の人がいる場合、本人も糖尿病を発症しやすいと言えます。

糖尿病と遺伝の関係

なぜなら、2型糖尿病は環境と遺伝の2つが重なって発症するからです。環境とは食べ過ぎや運動不足などの生活習慣です。それが肥満として現れます。遺伝とは糖尿病になりやすい体質を親から受け継ぐことです。

遺伝する体質とは?

糖尿病を遺伝する体質とは?

親から受け継ぐ糖尿病になりやすい体質とは、主に血糖値を下げるインスリンの分泌が不足する体質です。日本人はこうした体質の人が欧米人に比べて多いこともわかっています。そのため、欧米人と違い少しの肥満でも糖尿病を発症する人が多くなります。家族に糖尿病の人がいる場合は特に注意が必要です。

3年後あなたの発症率は?

国立国際医療研究センターなどが「糖尿病リスク予測ツール」を開発しました。同センターのウェブサイトからアクセスできます。身長、体重や健康診断のデータを入力すると、3年以内に糖尿病を発症する確率を予測してくれます。なお、このツールが予測するのは2型糖尿病です。また、ツールを使えるのは30歳から59歳までの人です。

「糖尿病リスク予測ツール」はこちら

 ※NHKサイトを離れます

早期発見の検査とは?

糖尿病の診断基準、早期発見の検査とは

糖尿病は血液検査で早期発見できます。空腹時血糖値が126mg/dL以上、または随時血糖値が200mg/dL以上で、さらにHbA1c(ヘモグロビン エーワンシー) が6.5%以上の場合、一度の血液検査で糖尿病と診断されます。HbA1cは過去1〜2か月の血糖値の平均を反映する値です。

糖尿病の検査「血液検査」

もし血液検査の値がこれより低かったとしても、少し低いという程度では安心できません。空腹時血糖値100~125mg/dL、随時血糖値140199mg/dL、HbA1c5.66.4%の場合、ブドウ糖負荷試験という別の検査を受けることが勧められます。家族が糖尿病の場合や本人が肥満やメタボリックシンドロームの場合も、ブドウ糖負荷試験が勧められます。

ブドウ糖負荷試験とは?

ブドウ糖負荷試験とは?

ブドウ糖負荷試験とはブドウ糖の液を飲んで2時間後の血糖値を測定する検査です。これにより、食後に高血糖になるかどうかが推測できます。糖尿病を発症してすぐの段階や、発症にいたる直前の段階では、空腹時の血糖値は正常でも、食後の血糖値だけが高くなることがよくあるのです。それを見逃さないために、ブドウ糖負荷試験が役立ちます。

詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2018年8月号に詳しく掲載されています。

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