【患者体験談】いつのまにか足の感覚がない!「糖尿病神経障害」

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糖尿病神経障害になったとき -私のチョイス-

41歳で糖尿病

Aさん(57歳・女性)が体に違和感を覚えたのは41歳の時でした。体重がかなり増えて体にむくみが出てきたのです。20代の頃の体重は50kgくらいでしたが、40代になって、117kgまで増えてしまったのです。早速、病院で検査したところ、血糖値が400mg/dLというかなりの高血糖状態で、糖尿病と診断されました。思い当たるのは、アイスクリームやケーキ、パスタ、ご飯など、おいしいものの食べ過ぎでした。

糖尿病の合併症とは?

私たちがご飯やパンを食べると、胃や腸で分解され、ブドウ糖になって血液の中に現れ、細胞のエネルギー源となります。その糖を細胞に取り込んでくれるのが、すい臓で作られる「インスリン」というホルモンです。しかし、このインスリンがうまく働かなくなると、血液の中の糖分がどんどん増えてしまいます。これが糖尿病です。

糖尿病は初期の段階では自覚症状がありません。しかし、そのまま放置すると、高血糖状態が続いて血管が傷つき、さまざまな合併症を引き起こします。特に、細い血管が集まる目や腎臓、足の先などが障害の起こりやすい場所です。網膜症、腎症、神経障害を糖尿病の三大合併症と言います。

Aさんは、三大合併症の一つ、糖尿病神経障害になっていました。糖尿病神経障害は、足の毛細血管が傷つくことで末梢神経もダメージを受けるために、足にしびれや痛みを感じたり、感覚がなくなる病気です。

糖尿病神経障害の検査

神経障害の合併症がないかどうかを調べる検査は、主に3つあります。1つ目が、「アキレス腱反射」です。専用のハンマーでアキレス腱をたたき、正常な反射が出るかチェックします。Aさんは、右足のアキレス腱がまったく反応しませんでした。

2つ目が、「モノフィラメント検査」です。太さの異なるプラスチックのフィラメントで足の裏や甲を触り、どの太さのフィラメントで感覚があるかを調べます。Aさんは、最も太いフィラメントでしか触られたと感じることができませんでした。

3つ目の検査は、「振動覚検査」です。音叉(おんさ)を叩いて震わせ、足の内くるぶしにあてて振動を何秒間感じられるかをチェックします。10秒間以上感じられれば正常ですが、Aさんはなんと5秒でした。

糖尿病神経障害の治療とは?

糖尿病神経障害になると、ガラスの破片を踏んでも気付かないくらい足の感覚が鈍くなってしまいます。そのため、ちょっとした傷がきかっけで感染を起こし、重症化すると足に潰瘍ができたり、壊疽(えそ)といわれる状態になったりします。最悪の場合は、足を切断しなくてはならなくなることもあります。

しかし、糖尿病神経障害を完治させる治療は、現在のところありません。そこでまず食事療法と運動療法で血糖値を安定させることが重要です。治療によって、Aさんは27kg減量。400あった血糖値も130まで下がりました。
食事療法・運動療法と並行して行うのがフットケアです。フットケアとは、まず患者自身が足をしっかり観察することです。足に傷がないか、爪の状態はどうか、足を清潔にできているかどうか、うおの目・たこ、靴擦れはないかをチェックし、足に傷をつけないように注意します。Aさんは、糖尿病の治療を受けている病院にある「フットケア外来」を利用しました。

こうしてAさんは病気を悪化させることなく、毎日を元気に過ごしています。

「自分が変わらないと5年以内に亡くなるよと息子に言われました。だから頑張って、おいしいものを我慢して息子の言う通りにします。」

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この記事は以下の番組から作成しています

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