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静岡清水区 魅惑の丸い漆器生み出すのは…技を極める聴覚障害の漆職人

NHK静岡 「だもんで、清水区。」4月24日~
  • 2024年04月24日

ダモンデさんとともにシリーズでお伝えしている「だもんで、清水区。」今回、ご紹介するのは聴覚に障害がある漆職人の男性です。耳が聞こえないことを強みにある作風を極め、繊細な技術が評価されています。どんな作品なんでしょうか、ダモンデさんが工房を訪ねました。

つややかな漆

作品を作ったのは漆職人の神戸幸雄さん。3歳の時、聴覚を失いました。漆のうつくしさに魅せられ、障害を強みにできないかと20歳の時、漆職人の道を選びました。

神戸さん

耳が聞こえないのでコミュニケーションできないが、1人で集中できる仕事が自分にあっていると思った

“集中力が武器”

漆器の産地、長野県で7年間修行。木の加工や漆塗りなどそれぞれ、専門の職人が手がける一連の流れを学びました。クオリティーを高めるため漆器作りでは珍しくすべての作業を1人で行っています。聞こえないからこその集中力が武器だといいます。

神戸さん

聞こえないからほかのことも考えないで作業できるところがいいと思う。納得したいので、完璧にやりたいとすべてひとりでやっています

すべての工程ひとりで行うこだわり

漆を塗る

神戸さんの漆器作りは漆器の型となる木地づくりから始まります。そして漆塗り。はけの跡が残らないよう慎重に丁寧に行っていきます。神戸さんが得意とするのは磨き(研ぎ)の工程です。何度も専用の炭を使い磨きあげ鏡のような漆器にしあげていきます。

神戸さんの作る球体の漆器

極めたのが、まん丸の漆器。球体は難しいとされていますが、ひとりで行うからこそ、生まれる繊細な美しさが生み出されます。

支えだった母親を亡くす

コンテストで入賞するなど評価が高まる中、4年前、母親を亡くしました。長年支えてくれたかけがえのない存在でした。

神戸さんと母親

辛かったです。1年間、漆をやる気がおきなかった

あるできごとが、前を向くきっかけになりました。著名なまき絵師から磨きの仕事を託されたのです。

うるしをやらなければ、天国の母さんが悲しむとだろうと思って、もっと頑張ろうと思った

まき絵師からの要望を聞き形にするなかで、人との関わりも大切にしようとしています。

人に頼ることは苦手ですが、自分からやらなければ、仕事はできないのでがんばってコミュニケーションをとっています

夢は“漆の美術館”

神戸さんはいま夢があります。自宅は築およそ150年の古民家。ここに作品を並べて、古い梁や柱を漆で塗って家全体を美術館にすることです。

うるしのことを理解してもらって素晴らしさを広めていきたい。さらにたくさんの人とつながって漆のことをもっと深く知っていきたい

神戸さんが漆器作りに集中し自分の世界を作り上げていく姿はとても厳かでした。これからも神戸さんの挑戦を楽しみにしたいです。

ニュース番組「たっぷり静岡」(午後6時10分~)                       シリーズ「だもんで、静岡市清水区。」24日~26日                    

▽清水区自慢! おすすめは?街を知り尽くす人々にインタビュー!
▽解体が始まった木造建築の貴重な教会。地域の人たちが移設・保存に動き出しています。その思いとは?
▽聴覚をなくした漆職人。独特な作風が評価されています。地域とのつながりを求め夢に向かっています。
▽「みーつけた」のコーナー、清水区の豊かな色彩を映像でたっぷりとお届けします。

番組「たっぷり静岡プラス だもんで、静岡市清水区。」4月26日(金)午後7時半~
清水港に豪華客船がやってきた!地元商店街では、清水のコスプレ文化や名産の静岡茶を楽しんでもらおうと盛り上がります。おもてなしに奮闘する店主たちの一日を、合計12台のカメラで密着しました。
11年前に静岡市に合併された今も、清水独自のアイデンティティを守り続ける人たちがいます。J1復帰を目指すエスパルス、おととしの台風15号で被災した両河内茶を残していこうと励む農家、不漁からの再起をかけるサクラエビ漁…、独自色豊かな清水カラーを「色」にこだわった映像とともにご紹介します。
東海道の宿場町として栄えた清水区は、美しい街並みが特色ですが、最近は空き家も目立つように…。朽ちゆく空き家を、自力でリメイクし、お店や宿泊施設によみがえらせようと奮闘する男性の取り組みをお伝えします。

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