【想定浸水域なぜこんなに広い?】@白川 ”体感”防災教室
- 2023年08月07日
白川の想定浸水域がなぜ広いのか。どんなことに注意すればいいのか。
白川に近い熊本市立本荘小学校の子どもたちと一緒に考えました。
先に注意点を2つお伝えします!
①川から離れたところも浸水のおそれが!
②阿蘇の雨量に注意!
①川から離れたところも浸水のおそれが!
まず、見ておきたいのが白川が氾濫した場合の最大想定浸水域の地図です。
もし白川が氾濫すれば、白川から5km以上離れた場所にも被害が出る可能性があるのです。
なぜここまで想定浸水域が広いのか。
注目したのが、学校近くを流れる水路です。
この水は、白川から流れ出ています。
一般的に水路や支流は、大きな川に流れていきますが、
地図を見てみると・・・
白川から流れ出た水は、再び白川に戻ることはなく・・・
緑川に流れ込みます。
つまり、白川は比較的標高が高いところを流れているのです。
熊本市中心部と白川の位置関係を示した断面図を見てみます。
だからこそ、白川から離れたところでも、氾濫による浸水に注意が必要なのです!
なぜ白川は比較的高い位置に流れているのか?
授業で訪れた河川敷で、その理由の1つとなっているものが見られました。
こうしたところに溜まっている土砂。
実は、阿蘇から流れてきた火山灰(通称:ヨナ)が混じっています。
火山灰は軽く水とともに流れやすく、阿蘇から下流に流れて降り積もっていきます。
それにより白川は標高が高いところを流れていくようになったと考えられています。
また、火山灰は白川が氾濫すると水と一緒に流れ出るため、
過去の氾濫でも、火山灰が住宅や道路などに流れ着くことで
被害をより深刻にさせてきました。
②阿蘇の雨に注意
これは白川の「流域図」です。
白川の上流の阿蘇のカルデラ内や周辺に降った雨がすべて白川に集まってきます。
一方で中・下流域の雨はあまり白川に流れてきません。
つまり、阿蘇に降った雨の量が白川の水位に影響を与えるため、
熊本市付近にあまり降っていなくても白川が溢れるおそれがあるのです。
実際に白川が氾濫した平成24年の九州北部豪雨では、
熊本市で降った雨は阿蘇の2分の1ほどでした。
阿蘇に雨が降った2~3時間後、白川の熊本市中心付近の水位に影響が出始めます。
熊本市付近にお住まいみなさんは、阿蘇の雨にも注意してください。
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