筋力低下・筋肉の減少の症状「サルコペニア」のチェック方法とは

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病気としてとらえるべき筋肉の減少「サルコペ二ア」

サルコペニア

加齢とともに筋肉が減っていくのは自然な減少ですが、筋肉量の減少が急激で病気ととらえて対処すべき状態を「サルコペニア」といいます。サルコペ二アは、健康と要介護の間の状態である「フレイル」の最大の危険因子と考えられています。

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サルコペニアによる影響

サルコペ二アになると、さまざまな影響が起こってきます。歩く速度が低下し、着替えや入浴など日常生活の動作も行いづらくなります。体のバランス機能が悪くなり、転倒・骨折の危険性が高くなります。

また、糖尿病や肺炎などの感染症を発症しやすくなり、死亡率を高くすることもわかってきました。世界各国で調査された大規模な統計から、高齢者の6~12%がサルコペ二アであると考えられており、特に75歳以上で急増しています。

サルコペニアと密接に関係する「フレイル」とは

フレイルは「虚弱」を意味する英語「フレイルティ」を元にした造語です。日本老年医学会は、2014年に「健康」と「要介護」の間の状態をフレイルと名付けました。以前であれば老化現象として見過ごされてきたものをフレイルと名付けることで、社会全体でその予防に取り組むことを目指しています。

フレイルには、体重減少や筋力低下などの身体的な変化だけでなく、気力の低下などの精神的な変化、引きこもりなど社会的な変化も含まれます。75歳以上の人の多くはフレイルの段階を経て要介護状態になりますが、フレイルの段階で早めに対処すれば健康な状態に戻る可能性があると考えられています。サルコペニアが起こると、フレイルに進む可能性が非常に高くなります。

サルコペ二アをチェックする「指輪っかテスト」

指輪っかテスト

自分がサルコペ二アである可能性を知る方法として、ふくらはぎの筋肉の太さをチェックする「指輪っかテスト」があります。
まずいすに座り、両足を床につけます。そして前かがみになり、利き足でないほうのふくらはぎの一番太いところを、両手の親指と人さし指で囲みます。利き足がわからなければ、両足に行ってください。

指輪っかテスト

指先どうしがつかず、ふくらはぎを囲めない場合、サルコペ二アである可能性はほとんどないと考えられます。ある研究によると、指先どうしがつかない場合を1倍とした場合、ちょうど囲める場合は2.4倍、隙間ができてしまう場合は6.6倍サルコペ二アの可能性が高いとされています。

特に指輪っかテストで隙間ができる場合、全身の筋肉量の減少が考えられます。さらに、ペットボトルのふたが開けづらくなった、以前は渡れた横断歩道で青信号で渡りきれなくなったといった筋力低下による変化も当てはまる場合、サルコペ二アである可能性が十分あります。特に1年間で4~5kg以上の体重減少が起きている場合や、明らかに全身が疲れやすいと感じている場合は、かかりつけ医などに相談することがすすめられます。

サルコペ二アの診断

サルコペニアの診断

サルコペ二アは、AWGSというアジアの診断基準に基づいて診断することが推奨されています。まず握力測定か歩行速度の測定を行います。握力が男性で26kg未満、女性で18kg未満、歩行速度が1秒間あたり0.8m以下の場合は、筋力が低下していると判定されます。

筋肉量測定・BIA

筋力が低下していると判定されたら、次に筋肉量の測定を行います。現在、主に行われているのが、微弱な電気を体に流すBIA法です。男性は7.0kg/㎡未満、女性は5.7kg/㎡未満だとサルコペ二アと診断されます。

詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2018年9月号に詳しく掲載されています。

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