中高年こそ筋肉維持を!
筋肉は加齢とともに減少します。筋肉が衰えると、足が持ち上げられなくなり、小さな段差につまずいて転倒しやすくなります。しかし、筋肉をしっかり維持していれば、転びにくくなり、仮に転んでもけがをしにくくなります。また、筋肉の維持は、糖尿病や肺炎の予防にもつながります。

適切な運動を行えば、いくつになっても筋肉を増やせることがわかっています。筋力の衰えた75歳以上の高齢者を対象にした調査で、1時間の運動を週2回、3か月間行ったところ、足の筋力は1.7%アップ、足の筋肉量は2.4%アップ、歩行速度は14.5%アップしたという結果が報告されました。
〝もう年だから無理〟と諦めずに、筋肉量を維持することが大切です。
筋トレを続けるコツ
筋トレを習慣化するコツは「効果を実感すること」です。お子さんやお孫さんと一緒の速さで歩くなど目標を持ち、友人・家族など共に行う仲間を作るのも良いでしょう。また、生活に取り入れることもお勧めです。
中高年にささげる“ゴールデンスタンダード 筋トレ”
谷本道哉さんが、中高年に行ってほしい「ゴールデンスタンダード」となる筋トレメニューを考案。筋力に合わせてフォームで負荷を調整できるので、筋力に自信のない人もできます。ぜひ若い人も、お子さんもご一緒に!
【加齢で落ちやすい大事な筋肉が喜ぶ3つの筋トレ】
強い足腰で元気に歩く 転ばないための「下半身筋トレ」
背すじピン!姿勢がよくなる「体幹筋トレ」
振り袖のようになってしまった二の腕改善「上半身筋トレ」
★回数の目安
できる回数を1日おきくらい
※注意※
- 机やいすは安定したものを使用し、滑らない場所で行いましょう。
- バランスを崩さないように注意してください。
- 痛みを感じる場合は、痛みがない範囲で行うか、中止してください。
下半身筋トレ ~強い足腰で元気に歩く 転ばないために~
安定した机やいすを使って行いましょう。
★回数の目安
足を替えずに、同じ動きを左右それぞれ10~15回ずつ繰り返す


①いすから大股1歩分離れた位置にまっすぐ立つ。
②両足を肩幅程度に開く。
③片方の足を大きく前に踏み出して、いすか机に両手を添える。
④後ろ側の足のひざが地面につく直前くらいまで深くしゃがみこむ。

【ポイント】
ひざはつま先より前に出ないようにする
⑤力強く地面を蹴って元の姿勢に戻る。
⑥戻るときは、腕の力でいすを押さずに足の力を使う。
【ポイント】
踏み込んだ足だけでなく、後ろ側の足の力も使って戻す
きつい人
安定した机にやや体重を預けて行います。

①机に少し近づき、踏み出す歩幅をやや小さくする。
②しゃがめるところまでで良いのでできるだけ深くしゃがむ。
筋力に自信がある人

いすから離れた位置からスタートします。より遠くから大きく踏み込むことで、負荷がアップします。
無理して転ばないように注意しましょう。安定した机に手を添えると安心です。
体幹筋トレ ~背すじピン!姿勢をよくする~
安定したいすを使って行います。
★回数の目安
10~15回行う

①お尻だけを乗せるイメージで、いすに浅く腰かける。
②足を大きく開く。
【ポイント】
足の裏は地面にぴったりつける


③手は胸の前で交差する。
④首を曲げてへそをのぞき込むように、上体を丸め込みながら大きくて前に倒していく。
【ポイント】
背中はしっかり丸める


⑤顔を上げて、背中を反らせながら、背筋(はいきん)を意識して、体を起こす。④~⑤を繰り返す。
少しきつい人

手を下ろして行います。
筋力に自信がある人

手を頭の上に置くと、負荷がアップします。
上半身筋トレ ~振り袖のようになってしまった二の腕改善~
安定した机や台所のシンクなどを使って行います。
★回数の目安
10~15回行う

①両手を肩幅より少し広めに開き、机に親指をかけて、手を置く。
②両足を引いて、床と体の角度が45度くらいになるように構え、体を一直線に保つ。

③両腕を曲げて、胸が机に“つく”まで深く上体を下ろす
④腕を伸ばして①に戻る。
【ポイント】
・体を一直線に保ち、お尻を引いたり、腰を反らせたりしないように
・胸はしっかり机につける
【NG】
胸がつかなければ、腕立てふせかけ!
少しきつい人

片方の足を前に出して行います。足を大きく前に出すほど、負荷が小さくなります。
筋力に自信がある人

両足の位置を引いて行うほど、負荷が大きくなります。