本文へジャンプ

【出演者インタビュー】佐野史郎さん「日本の社会は能楽から学ぶべきところがたくさんある」

2015年06月30日(火)

7月1日放送(7月8日再放送)

耐えて なぐさめて 生きる ―能楽師ワキ方 宝生閑―でナレーションを担当された佐野史郎さんにメッセージをいただきました。

 

《佐野史郎さんプロフィール》

俳優。劇団シェイクスピア・シアターの創立に参加後、唐十郎の状況劇場を経て1986年、映画「夢みるように眠りたい」(林海象監督)で主演を務める。1992年、ドラマ「ずっとあなたが好きだった」のマザコン男、冬彦役が社会現象になる。以後、映画、ドラマ、舞台への出演のほか、自らシナリオを執筆し、小泉八雲の朗読も続けている。他にもオーディオブック、宮部みゆき原作「野槌の墓」(NHKサービスセンター)、7月1日より放送のNHK Eテレ「100分de名著 小泉八雲『日本の面影』」(http://www.nhk.or.jp/meicho/ )などでも朗読を務めている。

 

――佐野さんには今回、「耐えて なぐさめて 生きる ―能楽師ワキ方 宝生閑―」のナレーションを担当していただきました。収録されていかがでしたか。

 

責任重大ですよ。番組のナレーションとはいえ、人間国宝の宝生閑さんのドキュメンタリーですから。能楽の世界観を正確に伝えなければなりません。僕は持論として、「すべての芸能は神事だ」と捉えているんです。舞台はもちろん、映画、テレビ、今ある芸能も元をたどれば、すべて神事なのではないでしょうか?人知の及ばぬところ、人間の力ではどうしようもないこと、あるいはその恩恵を受けること。それらを前にした時に、人は沈黙し、祈り、供物をし、舞い、奏で、歌う。そして物語り、次に伝えていく。それが芸能の本質だと思うんです。それは今も変わらないはず。能楽は、そうして各地に散らばっていた芸能を体系化し、650年もの時を経て今に伝承されている。何百年、何千年、何万年という芸能の脈が今にある。我々はその末端にいるわけです。伝統芸能であれ、人間国宝であれ、僕みたいに日々のたうち回っている俗な俳優であれ(笑)、その脈の上にいるということは同じ。己と向き合い、その状態を他者と共感することで荒ぶるものを鎮め、静かなる日々の喜びを寿(ことほ)ぐ。それは芸能、(まつりごと)を問わず、古来から変わらぬはず。体系化されたものに依存し、形態を持続させることのみが目的となり、あるいはその形態の陰に隠れて共感を意図的に遮断し、本来の人々の祈りを見えなくしてしまっては本末転倒なのでしょう。宝生閑さんのお姿に言葉を重ねながら、今回、あらためてそのことを教わりました。ありがとうございました。

 

20150630_sano002.JPG

20150630_sano001.JPG

「責任重大でした」と語っていた佐野史郎さん。ことばに“魂”が籠っていました!

 

 

見よ81歳の生き様!人間国宝 宝生閑が魅せる「能」の世界

2015年06月29日(月)

20150619nou.JPG

 

『能』って鑑賞したことありますか?

 

このブログをお読みの方で、能の世界に詳しいかたはどれほどいらっしゃるでしょうか。僕は今回初めて『能』という世界に触れました。

 

能を見るのも初めてであれば、81歳の生き様を見せつけられるのも初。というのも、今回の主役は、人間国宝と認定された宝生閑(ほうしょう・かん)さんの舞台裏に密着しているからです。

 

話を変えまして、宝生閑さんは現代能楽界における最高峰の一人であり、生涯ワキ方(脇役)の宿命を背負った人物。この宝生閑(ほうしょう・かん)さんの生き様に迫ったのが今回紹介する番組「耐えて なぐさめて 生きる ―能楽師ワキ方 宝生閑―」です。

 

能において「ワキ方」とは、主役である「シテ方」の相手役。シテの演技を引き出し、受け止めるのが「ワキ」の役割です。つまり、ワキなくして能の物語が成り立ちません。

第5回 ハンセン病の戦後 ―人間回復への道― 年表で振り返る過去

2015年06月12日(金)

20150608_sengo0003.gif年間シリーズでお伝えしている、" 福祉の戦後70 "。「シリーズ 戦後70年 第5回 ハンセン病の戦後 ―人間回復への道―」

 

ハンセン病の患者は戦前から強制隔離政策によって、全国の療養所に収容され、特効薬の開発で病気が治るようになった後も、日本では半世紀にわたり政策が変わりませんでした。

 

長年、療養所で暮らしてきた元患者の森元美代治さん(77)は、病気への無理解や根強い偏見、患者の自由や人権よりも「制度の存続」が目的になったことなどが重なり隔離は続いたと言います。

 

番組では、隔離収容の歴史と、人権侵害とたたかってきた森元さんたち元患者の軌跡を見つめ未来へのヒントを探りました。年表はこちらです。

 

20150612nenpyo.png

クイズはこちら!

ハンセン病について、次の内、正しいものはどれでしょうか?

1.感染力が弱い。

2.遺伝しない。

3.死因にはならない。

4.感染しても、ほとんどの人は発症しない。

答えは…「全部正しいのよ!」 ←ここをドラッグで選択してくださいね!

 

【関連記事】

第5回出演者インタビュー
 
 

過去に放送したハンセン病の番組:ハートネットTV・ハンセン病について

【出演者インタビュー】森元美代治さん「差別や偏見は人間が作ったものだから、壊せるのもまた人間です」

2015年06月01日(月)

20150604_morimoto.jpg

6月4日放送
シリーズ 戦後70年
第5回 ハンセン病の戦後 ―人間回復への道―
ご出演された森元美代治さんのメッセージです。


《森元美代治さんプロフィール》
ハンセン病回復者


――今回は「ハンセン病」の戦後の歴史を振り返りましたが、収録を通してどのようなことを感じましたか。

こういうふうに取り上げてもらったことはすごくうれしいですね。ハンセン病の歴史を「自由を奪われて」「普通の暮らしを求めて」「人間回復を目指して」と3つの時代に区切ってお伝えしたことはとてもよかったなと思います。今まではトータルで話すことが多かったので、中途半端で終わることもありました。とても話しやすかったです。
 

【出演者インタビュー】サヘル・ローズさん「ハンセン病政策の歴史。二度と繰り返さぬように」

2015年06月01日(月)

20150604_saheru.jpg

6月4日放送
シリーズ 戦後70年
第5回 ハンセン病の戦後 ―人間回復への道―
ご出演されたサヘル・ローズさんにメッセージをいただきました。


《サヘル・ローズさんプロフィール》
女優、タレント。
イラン生まれ。4歳のときに両親を亡くし、孤児院で育つ。その後、養母に引き取られ、8歳の時に2人で来日。


――今回は「ハンセン病」の戦後の歴史を振り返りましたが、収録を通してどのようなことを感じましたか。

ハンセン病の当事者だった方の生の声を聞くと、本当に計り知れないくらい長い年月を戦ってきたんだなと思いました。2001年に国との裁判に勝った時の「やっと人間になれた」という言葉はすごく印象に残っています。ひとつの偏った情報をみんなが鵜呑みにしてしまったからこそハンセン病の当事者はあれだけ苦しみました。それは「本当のことを知らなかった」で済まされる話じゃなくて、責任はそれぞれにあるだろうし、苦しんで苦しんで、社会に対して何も言えず報われないまま亡くなった方々がたくさんいたのも事実でしょう。その政策が1996年まで存在していたと考えると、きっと私たちが知らないところでまだまだ苦しんでいる人、解決されていない問題がたくさんあると思うし、学校では学べないこともたくさんあるんだなと感じました。


詳細は「続きを読む」をクリックしてください > > >  
 

【出演者インタビュー】ダイアモンド✡ユカイさん「家族の大切さ。家族から何を学べるのか。もう一度考えてほしい」

2015年05月25日(月)

20150526_dy.jpg5月26日放送(6月2日再放送)
特別養子縁組の現場は いま
ご出演のダイアモンド✡ユカイさんにメッセージをいただきました。


《ダイアモンド✡ユカイさんプロフィール》
ロックシンガー・俳優。男性不妊が原因の不妊治療(顕微授精)を経験し2度の失敗を経て、47歳で長女を授かり、その後双子の男の子も誕生した。著書に自身の不妊治療体験について綴った著書『タネナシ。』子育て奮闘記を記した『育爺。』などがある。


――収録を通してどのようなことを考えましたか。

一言で言うと「家族とは?」ということですね。俺はひとりっ子で、親からは本当に温かい愛情を受けて育ちました。今は自分が父親になって、子どもが3人いて、改めて「家族っていいな」と思っている時なんですけど、もちろんいいことばっかりじゃなくて、生きていくにはいろんな壁を乗り越えていかなければいけないじゃないですか。そのなかで改めて、「家族って何なんだろう」ということを考えさせられました。
“産みの親”でも子どもに虐待するような事件が起きている今日この頃において、“育ての親”として愛情を持って子育てしている人たちを見ると、本当に涙が出てきましたね。もちろん並大抵の気持ちでは育てることってできないと思うんですよ。その子の一生ですからね。それでも“育ての親”として子育てしている姿、子どもを虐待するような親たちに見せてやりたいですよね。


詳細は「続きを読む」をクリックしてください > > >  
 

【出演者インタビュー】萬屋育子さん「親と暮らせない子どもたちは日本に3万6000人もいる」

2015年05月25日(月)

20150526_yorozuya.jpg5月26日放送(6月2日再放送)
特別養子縁組はいま
ご出演の萬屋育子さんにメッセージをいただきました。


《萬屋育子さんプロフィール》
愛知教育大学教職大学院・特任教授。児童福祉の現場で活躍、愛知県の社会福祉職採用では女性初の“児童相談所センター長”。全国でも珍しい「新生児からの特別養子縁組(赤ちゃん縁組)」の実績と仕組み作りに尽力した。その取り組みは国の『里親委託ガイドライン』の中で参考事例(愛知方式)として紹介されている。


――番組へ出演されて、どのようなことを伝えたいという思いがありましたか。

『特別養子縁組』は子どものためにある、ということですね。それからダイアモンド✡ユカイさんも驚いていましたが、いま親と暮らせない子どもたちは日本に3万6000人もいるということです。その子どもたちも《家庭》で《家族》と一緒に育ってほしいなと改めて強く思いました。


詳細は「続きを読む」をクリックしてください > > >  
 

【収録記】特別養子縁組はいま ~赤ちゃん縁組って?~

2015年05月22日(金)

ハートネットTV、WEBライターIです。
「特別養子縁組」というこのテーマ。
収録に臨む前は、“血のつながらない子どもを引き取って育てる”というイメージで、自分のこととして考えると正直、「ハードル高すぎる」と思っていました。二人の子育て真っ最中の私にとって、子育てほど思うようにならないことはない、というのが実感ですから…。
私も親として未熟で育児に奮闘する日々の中、間違ったり悩んだり後悔することも多々あります。しかし自分で子どもを持つという選択をした以上、「逃げられない」という覚悟のもとにハードルを乗り越えてきたのかな、と思います。
……あれ?でもこれって、養子縁組で子どもを持った場合も一緒ですよね?
そして、放送の中でご紹介する『赤ちゃん縁組』は、“血のつながらない子どもを引き取って育てる”というイメージとは全く異なりました。“待ち望んで迎える家族” なんですね。

【収録記】シリーズ子育て支援~育て子ども!育て社会!~(2015年5月特集)

2015年05月10日(日)

ハートネットTV、WEBライターIです。

新年度から新たにスタートした「子ども・子育て支援新制度」。
最大の目標の一つが、「待機児童の解消」だそうです。
私の “子どもを預ける苦労”は、いわゆる“保活”ではないのですが、小学校の学童保育でのこと。定員いっぱいで入れるか不安だった記憶がよみがえりました。この目標は大事なことです。待ったなしの課題です。解消してほしいです!

…でもでも、
「待機児童はここ数年2万人規模で推移」とか、
「2年前から20万人分の受け皿を整備」とか、
「さらに今後3年間で20万人分を追加」とか、
そんな風に数字ばかり言われると、「子どもは荷物じゃないから。」という違和感を覚えてしまうのです。
子どもを「預けたい」というより、家計の不安から「預けて働かざるを得ない」事情の家庭もたくさんある。単に保育所をジャンジャン増やして(それもとても難しいことですが。)
解決、という問題ではないと感じます。

20150510_002.jpg

【出演者インタビュー】藤本美貴さん「親側も新制度を知ろうとすることが大切」

2015年05月01日(金)

20150506_fujimoto.jpg

5月7日放送(5月14日再放送)
シリーズ 子育て支援
―第3回 徹底放談・ここが変だよ!日本の子育て―
ご出演の藤本美貴さんにメッセージをいただきました。


《藤本美貴さんプロフィール》
タレント。


――第3回は、子育てと向き合っている親たちをスタジオに招き、“日本の子育て”の課題を考えました。収録を通してどのようなことを感じましたか。

今日は東京都だけでなく鳥取県からいらっしゃった方もいたので、困っているのは都市部だけじゃないんだということもすごく感じました。年代や家庭環境も違うみなさんでしたが、悩んでいることはすごく似ているなと思いましたね。

詳細は「続きを読む」をクリックしてください > > >