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【出演者インタビュー】森元美代治さん「差別や偏見は人間が作ったものだから、壊せるのもまた人間です」

2015年06月01日(月)

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6月4日放送
シリーズ 戦後70年
第5回 ハンセン病の戦後 ―人間回復への道―
ご出演された森元美代治さんのメッセージです。


《森元美代治さんプロフィール》
ハンセン病回復者


――今回は「ハンセン病」の戦後の歴史を振り返りましたが、収録を通してどのようなことを感じましたか。

こういうふうに取り上げてもらったことはすごくうれしいですね。ハンセン病の歴史を「自由を奪われて」「普通の暮らしを求めて」「人間回復を目指して」と3つの時代に区切ってお伝えしたことはとてもよかったなと思います。今まではトータルで話すことが多かったので、中途半端で終わることもありました。とても話しやすかったです。
 

――視聴者の方には番組を通してどのようなことを感じてほしいですか。

世の中にはいろんな差別や偏見があります。もちろんそれは人間が作ったものだから、壊せるのもまた人間です。だた、それは当事者が中心にならなければ壊すことができないと私はずっと思ってきました。ハンセン病問題について学者や研究会がいろんなことを言ったり書いたりしてきましたが、何よりも「当事者がまずは動く」ということが前提かなと思うのです。やっぱり当事者が動かないと、世の中は動きませんよ。ハンセン病のことについても我々が動いたから、世間も動いてくれたと言えます。そういう意味では、自分たちの活動は無駄ではなかったのだと感じますね。たとえ大きな力にならなくても、ちびちびと活動を続けるということが私の生きる道にもなっていると思います。もちろんそれは生き方の問題なので他人に押し付けることはできないけども、信念だけはちゃんと持っていてほしい。私もいろんなことを言われましたが、信念に反しない限りは歩んでいけると思ってここまで進んできました。

コメント

わたしは、多磨全生園の附属看護学校の卒業生(27回生)です。
在学中は、入園者さんたちから多くの事を学ばせていただきました。
卒業式での森元さんのメッセージは今でも覚えています。

卒業後は郷里に戻り、看護師をしていましたが
交通事故に遭い、足の神経を損傷して。
ケガがもとで10万人に1人の病気になり
看護師を続けることができなくなりました。

今は車椅子を使いながら、病気療養中です。

仕事から離れて10年になりますが
わたしの原点は、全生園にあるのだなと
強く感じます。

入園者さんたちの学生を育てたいという気持ち。
娘や孫と接しているような、温かさ。
わたしは病気の関係で、子供を持つことは難しいと言われています
子供を望めない現実がとても辛くなることがあるのですが
そういうときには、成人式の時の森元さんのメッセージを思い出します。
学生の時にはわからなかったことを
40歳を過ぎた今なら、わかることができます。

もう、看護師として仕事をすることは難しいですが。
blogを通じて、24回生の先輩と知り合うことができました。
先輩は脊椎の病気で車椅子ユーザーですが、看護師として仕事をされています。

予防法が廃止になった年に、あなたたちは看護師として世に出るのだね。

卒業の時に言われたこと。

わたしは学生の時に、ハンセン病研究班ではなかったけれど。
卒業してから、ハンセン病のことが取り上げられると
関心を寄せていました。

卒業後に残っていたなら、事故にも遭わず
仕事を続けることができていたかも知れません。

でも、筋ジス看護というやりがいと出会い
筋ジス看護が大好きな状態で、仕事ができたので。
10年という短い看護師としての人生でしたが
これでよかった、と思っています。

全生園で学ばなかったなら
慢性期看護のおもしろさに気がつくことがなかったと思います。
そのひとにじっくりと寄り添い、関わることの大切さを
知らないままだったかも知れません。

本当に、ありがとうございました。

投稿:菊栄 2016年08月10日(水曜日) 22時20分

再放送で見させていただきまいた。
私の子供たちは、すでにハンセン病の存在すら知りません。ただ、このような過ちを繰り返さない為にも、このような差別が行われていたという事実は伝えていかなければならないと、強く思いました。そして、それに立ち向かわれた方々の存在を後世に伝えていく事もまた、大切なことなのではないかと感じました。

投稿:はる 2015年06月04日(木曜日) 23時53分

最近、映画「あん」をみて、初めてハンセン病について調べました。今まで本当に気にしていなかったけど、もっと知らないといけないと真剣に思っています。たまたまテレビをつけたら、ハートネットTVをしていて、興味深かったです。興味という言葉は、一生懸命活動されている方々に失礼なのかもしれませんが、自分なりに調べていきたいです。

投稿:ゆうか 2015年06月04日(木曜日) 21時07分

森元様の言葉「私達の経験を活かしてください」は、心にとても響きました。
私は昨年、神谷美恵子さんの本を読んだことで、ハンセン病を知りました。
「なぜ、ハンセン病を患った人が、このようなことになってしまったのか?」を知りたくて、長島愛生園に3回ほど通い、学ばせていただいています。
(今週末も結いの会の講座に参加させていただきます。)

私の父は、治らない病気のパーキンソン病で苦しんで亡くなりました。
病気になった父はだんだん仕事が出来なくなり、失業し、そして家族はバラバラになりました。
病を患ったために、本人も家族もとても辛い目になることを経験しました。

病になった人が、普通の生活や普通の幸せから、絶望に滑り落ちてしまう。
私は、どうすればそこから立ち直れるのか?の解決法が、森元様やたくさんのハンセン病に苦しまれた方々の力強く生きてこられた人生から学べることがあると思いました。

私は、この学びを、今の社会にどう活かしていけるのか、真剣に考えたいと思います。

投稿:英克 2015年06月04日(木曜日) 21時02分

「癩」と言われていた時から本当に皆んなの感じ方は変わったのだろうかと正直思います。結局当事者が辛い思いをしながら運動しなければならなかった事実。様々な不公正にせめて自分の中で改革していきたいと思います。

投稿:タマ 2015年06月04日(木曜日) 16時28分