「歓迎するが可逆的
廃棄か注視」安倍総理

安倍総理大臣は東京都内で記者団に対し、「前向きな動きと歓迎したい。ただ大切なことは、この動きが核や大量破壊兵器、そしてミサイルの完全で検証可能かつ不可逆的な廃棄につながっていくかどうかだ。それをしっかり注視していきたい」と述べました。

そのうえで、安倍総理大臣は今後の対応について、「すでに日米首脳会談でさまざまな北朝鮮の変化や対応において、どのように取り組むかしっかりと打ち合わせは終わっている。その基本方針に従って日米で、そして日米韓で対応していきたい」と述べました。

小野寺防衛相「満足いくものではない」

小野寺防衛大臣は訪問先のワシントンで記者団に対し、「北朝鮮の発表は満足がいくものではない。特に日本にとっては、中距離・短距離の弾道ミサイルの放棄には触れておらず、核の放棄にも触れていない。これでは不十分だ」と述べました。

そのうえで、「国際社会が求めているのは、完全で検証可能な不可逆的な方法で、すべての大量破壊兵器および、あらゆる弾道ミサイルの計画を放棄することだ。国際社会による圧力を緩めるタイミングではなく、引き続き、最大限の圧力を加え、北朝鮮の核・ミサイルの放棄を目指す姿勢に変わりはない」と述べました。

防衛省幹部「慎重に見極める必要ある」

防衛省幹部はNHKの取材に対し、「北朝鮮が具体的にミサイルの発射実験の中止や、核実験場の廃棄に言及したのは初めてで、今後の動きを注視したい。いずれにしても、南北や米朝の首脳会談を前にした駆け引きの一環の可能性もあり、具体的な動きにつながるのか慎重に見極める必要がある」と述べました。

麻生副総理「調査しないとコメントできない」

麻生副総理兼財務大臣はG20終了後の記者会見で、「これまでも核実験場をやめるという条件で資金を出すようなことがあったが、実際には実験は続いた。現場や状況をきちんと調査したうえでないとコメントできない。これまでも数々そういうことがあった」と述べました。