若年性認知症4つの対策初期症状や原因、対処法徹底解説

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65歳未満で発症する若年性認知症

65歳未満で発症する若年性認知症

若年性認知症とは、65歳未満で発症した認知症をいいます。認知症の原因で最も多いのはアルツハイマー病ですが、若年性認知症は、脳卒中のあとに起こる血管性認知症が最も多い原因で、約40%を占めています。2番目の原因がアルツハイマー病で約25%。次いで、交通事故などのあとに起こる頭部外傷後遺症の約8%、前頭側頭型認知症の約4%などが続きます。
若年性認知症は、平均発症年齢が51歳と働き盛りでの発症が多いため、高齢で発症する認知症とは異なるさまざまな問題が起こります。

「アルツハイマー病」についてはこちら「血管性認知症」についてはこちら「前頭側頭型認知症」についてはこちら

認知機能低下による症状が早くから現れる

認知機能低下による症状

一般的な認知症の場合、症状はゆっくりと進んでいきます。たとえば、アルツハイマー病で物忘れが目立つようになってからしばらく経つと、月日がわからなくなり、次いで計算ミスが増え、しばらくすると言葉がうまく使えなくなる...というような症状が現れます。

特に、アルツハイマー病が原因の若年性認知症の場合、こうした認知機能の低下による症状が、比較的早い段階からまとめて現れてきます。それらを防ぐには、できるだけ早い段階から薬による治療を受けることが大事です。また、認知症の進行に伴って起こるさまざまな精神症状である「行動・心理症状(BPSD)」が早く現れるのも特徴です。

異変を感じたら迷わず専門医へ

若年性認知症の主な問題

若年性認知症になる人は、若い人が多いため、本人が認知症と思わない場合が多く発見が遅くなりがちです。たとえば、仕事でミスが目立ち始めるといった異変があっても、本人が"疲れているせい"などと思って認知症とは疑わないのです。逆に、本人は何かおかしいと思っても、家族や同僚に「大丈夫」などと言われて、見過ごしてしまうケースもあります。

若年性認知症の進行を防いだり遅らせたりするには、早期診断と早期治療が何よりも重要です。仕事で単純なミスが続いたときなどは、念のため早めに受診してください。ただし、医療関係者の間でも、若年性認知症の理解はまだ十分とはいえないので、場合によっては更年期障害やうつ病などと診断されることもあります。認知症が疑われる場合は、物忘れ外来や認知症疾患医療センターなど、専門の診療科や医療機関を受診することをおすすめします。受診する際は、家族も同行して一緒に説明を聞くことが大切です。

本人が安心できる環境づくりを心がける

若年性認知症の主な問題

若年性認知症は、仕事や家事、育児などをしている年代の人が発症するため、うまくいかないことが増えてくると、自分でもおかしいと思い、ミスしないよう敏感になります。ところが、それでもうまくいかないため、イライラしたり、不安になったり、ショックを受けたりします。それが高じると、うつや興奮、妄想、攻撃的になるといった「行動・心理症状(BPSD)」が現れやすくなります。

行動・心理症状の対策で重要なのは、本人が安心できるように接すること。家族や周囲の人は、本人の気持ちを考えながら、時間をかけ余裕を持って接するようにします。認知症の進行を遅らせたり、症状を出にくくしたりするためには、残っている脳の機能や体力、意欲を維持することが大切です。そのためにも仕事や趣味、人とのかかわり、運動など、活動的な生活を続けるように心がけましょう。

「認知症のBPSD」についてはこちら

経済的な問題を考え、仕事はなるべく続ける

若年性認知症の人は、子育て中だったり、親の介護が必要だったりする場合も多く、勤めていた会社を退職してしまうと経済的な問題が生じます。上司に相談して配置転換を考えてもらうなど、できるかぎり今の仕事を続けることが大切です。たとえば、営業からデスクワークに移動したり、会社の許可を得て夫婦で協力しながら仕事を続けていたりするケースもあります。

障害者雇用枠を活用して再就職する方法も

若年性認知症の主な問題

どうしても退職せざるを得ない場合は、企業の障害者雇用の枠で再就職する方法を考えます。ハローワークで再就職のためのトレーニングを受けながら、働く機会を見つける方法もあります。

認知症が進行して仕事をすること自体が難しくなった場合は、障害年金など公的な制度による経済的支援を早めに受けましょう。認知症疾患医療センターや地域包括支援センターなどで相談できます。

仕事をやめると、生きがいをなくしてしまう人もいます。そんな人たちによくすすめられるのがボランティア活動です。たとえば、幼稚園で子どもに絵本の読み聞かせを行ったり、登下校の見守りを手伝ったり、誰かの役に立っていると実感することで認知症の進行を抑える効果も期待できます。

若年者向けのデイサービスを探す

若者向けのデイサービス

40歳以上で若年性認知症の人は、介護保険によるサービスを受けることができます。ただ、若い人に適した介護施設があまり多くないのが現状です。

若年性認知症の人はデイサービスに通うケースが多いのですが、高齢の利用者が多く、高齢者向けのプログラムだと、なじめずに通わなくなってしまうケースが少なくありません。まずは若年性認知症の人向けのデイサービスを探して通うことを第一に考えましょう。

最近は特に首都圏などでは若い人向けの施設が増えています。近くにない場合は、デイサービスのスタッフに相談するのもよいでしょう。ボランティアで軽作業を手伝ったり、高齢者の話し相手をしたりするなど、本人がやりがいを感じられる方法を考えてくれる場合もあります。そういった情報を知るためにも、まずは地域包括支援センターに問い合わせてください。

アルツハイマー病のQ&A

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